ハリー・ポッターと謎のプリンス

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<イントロダクション>
 最終決戦への扉が開かれ、今 その道のりを歩みはじめている。 闇の魔法使いヴォルデモートを倒すためにハリーに何が必要なのか。 それは敵を知ることである。 敵を知ることが強力な武器になる。 いわば、最後の戦いの準備というのがこの,『ハリー・ポッター』シリーズ第六作目『謎のプリンス』なのである。 重要なつなぎ目だ。 シリアスな世界はさらに深みを増す。
 ハリーたちが動き,またハリーの知らぬところで、ヴォルデモートの計画が実行されている。 この二極化された物語が展開し、見る者に少しずつ真相を見せてくれる。 まさに“光と闇”の話なのだ。

<あらすじ>
 闇の帝王の脅威はますます強大とな、マグルの世界にもその影を落とし始めている。 そして 魔法使いの世界でもヴォルデモートの下につくデスイーターたちがあちらこちらでその脅威を振るっており、ハリーたちも油断できない状態になってきた。 ヴォルデモートを打ち破る唯一の希望がハリー・ポッター。 そう信じるダンブルドアはハリーに最後の頼みごと・試練を与え、ハリーに全てを託す。
 その一方で、ヴォルデモートに選ばれし,ドラコ・マルフォイが自らに与えられた任務・責任を果たすべく動いていた。

<感想>
 第六話『謎のプリンス』。 (謎のプリンスは、)映画ではあまり多くは出てこなかったが、ハリーが試練を乗り越えるために一役かっている。 試練をクリアするためのキーパーソンになるのが魔法薬学に復職したホラス・スラグボーン。 ヴォルデモート、かつてのトム・リドルの謎を紐解くのに重要な人物だ。 スラグボーンを動かすための鍵となるのが“謎のプリンス”の存在で彼の残した魔法薬学の教科書なのだ。
 ヴォルデモートにより残る額の傷。 これはヴォルデモートとハリーとをつなぐ絆である。 傷が刻まれた時,それがハリーとヴォルデモートが戦う,未来の宿命が下されたのだろう。 闇の魔法を受けてしても死することのなかった,ハリーだからこそヴォルデモートと戦える者に選ばれたのだと思う。 ヴォルデモートと幾度となく戦ってきたハリー。 偶然ではなく“定め”だったのではないだろうか。 そして額に傷というヴォルデモートとのつながりが出来たハリーは,ヴォルデモートと戦うべきも,戦えるのも自分だと自覚していただろうとストーリーを追うごとに伝わってくる。 ヴォルデモートと長きに渡り,戦い続けたこと、また,ダンブルドアから様々なことを教えられたことで次第にハリーは自分の辿るべき道を感じ取っただろう。 ダンブルドアから「最後の頼みじゃ」と言われたことで,ダンブルドアではなく 自分が決着をつけるべきだということに確信を得たと思う。
 『不死鳥の騎士団』から既に感じられたことだけれど、ハリーはほぼ大人の魔法使いと言っても過言ではないだろう。 デスイーターとの戦いぶりを見ても、仲間を守る姿からしても。 ヴォルデモートとのつながりに悩まされながらもたくましく,敵と向かい合う。 そのつながりは時に助けにもなる。 ヴォルデモートの失敗はハリーを死へ追いやることが出来なかったことだけでなく,自分への手がかりを残したことにも少なからずある。つまりは、“額の傷”はハリーにとっても,ヴォルデモートにとってもいいように悪いようにもある。 
 もう一人の主役をもし挙げるとするならば、ドラコ・マルフォイだろう。 ホグワーツ入学以来、ハリーとは犬猿の仲であるドラコは父親のような邪悪さはないが,純血ということにこだわり そうでないものを軽蔑する意地悪な一面を持つ。 “ちょっと嫌な奴”という感じである。 「謎のプリンス」ではそれまでのイメージと違うマルフォイが見れる。 認められたい一心でヴォルデモートからの任務を遂行するけれど、本心ではその内容は望んでいないし、闇の魔法を好ましく思っていない。 できることなら避けたいと願っている…そう読み取れる。 つまりはドラコ・マルフォイはヴォルデモートの支配下にあるとは言えない。 その証拠にドラコは苦しみ,己と葛藤している。 そんなドラコの人間らしさが一つの見所だと思う。
 魔法を抜きにした人間模様も描かれ、原作を読んでいて,とても想像がふくらむであろう場面の映像化という楽しみもある。 確信は持てないが映画オリジナルな部分もあるのでは…?と思う。 しかし全体的に見ると、シリアス度は増し,先へ進めば進むほど…つまりは対ヴォルデモートへ近づくにつれ、その代償がついてくる。 何かを失う、でも悲しんでいる暇はない。 ハリーの頭にはダンブルドアの意志がしっかりと受け継がれ、ハリーはダンブルドアの言葉とその言葉に込められた思い、そしてハリーに託した(ダンブルドアからの)期待を信じ 前へ突き進んでいくハリーに後の偉大なる魔法使いの姿が見える気がする。 二人の親友達との友情の絆も厚く、そこに感動。 ハリーは恵まれ、また強い。 それは彼を支えた頼もしい仲間達の力あってこそ。ハリーには本当の家族はいないけれど、ロンやハーマイオニーを始めとした人々がハリーにとっての家族なのだ。 ダンブルドア、シリウス、ルーピン…ハリーには父親的な存在がいた。 ロンの母親が母親同然。 彼らに囲まれた場所がハリーの“家”。
 ダンブルドアは過去に一度選択を誤ってしまうけれど ハリーを物置部屋から解放し魔法界へ誘ったのは正しかった。 それはハリーに何か魔法界の行く末に関わる何かを感じたのかもしれない。 こういう言い方はおかしいかもしれないが、過去の選択の過ちを挽回。 トム・リドルという恐ろしい力と未来を持った少年を選び,それが闇の帝王を生むという最悪な事態を起こしてしまった。 ヴォルデモートの魔の手から“生き残った少年”ならば…という期待があったかもしれない。 聞こえは悪いが、過去の過ちが生んだ悪への対抗手段。 話し外れるが、意外にもハリーとトムとではその過去や状況に共通する点があるのに驚きである。
 最終決戦へ道はそう遠くは無い。 原作は既読であるが、これがどう映像化されるのかが楽しみである。 最終章『死の秘宝』は二部作となり、2010年の秋と2011年の夏の公開となっていたかと思う。

過去の記事はこちら↓
ハリー・ポッターと賢者の石
ハリー・ポッターと秘密の部屋
ハリー・ポッターと炎のゴブレット


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by jd69sparrow | 2009-07-25 23:21 | 映画タイトル は行