天使と悪魔

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<イントロダクション>
 歴史の裏にある真実を描く歴史ミステリーではない。 確かに史実はあるが、それは材料でしかない。 これは“エンターテインメント”というふうに表されるとおりなのである。 「陰謀」は結論としては,過去にあるものかもしれないが、ここでは現在のものとして存在する。 …というか、この物語の中で起こっていることなのだ。
 美術史に名を残す芸術家の作品の数々が全てを示し、事件の謎へと導いている。 そこにはメインである,科学と宗教とが関わり,つながっているのだ。 ラングドン教授はまたしても様々な,信仰者たちの思惑漂う 渦中へ足を踏み入れる。
 
<あらすじ>
 ヴァチカンからのSOS。 それはローマ教皇がこの世を去って間もない頃のことだった。 秘密結社イルミナティの復活に恐れをなした,カトリック教会はラングドン教授に助けを求めてきた。 といのも、次期教皇候補たちが誘拐されたことが,イルミナティの脅威を示しているからだ。 ガリレオ、イルミナティ、五つの焼印、そして現代・未来の科学の一つ,“反物質”という名の爆弾…これらが語る真実とは? これらがローマの行く末を示していて、この難題にラングドンがメスを入れる。

<感想>
 この話、ここで語られることのいくつかがフィクションでも、説得力があって 真実でないにしても,似たようなことがあったのではないだろうかと思わせるのは、ディテールの深さにあるのだろう。 犯人はとても頭のキレる人物でいて冷淡。 また、信仰心が強い。
 ラングドンは科学者ヴィットリアと共に暗号から芸術品へと、また,芸術から宗教の歴史を手がかりに真実を追っていく。 犯人も同じ経路を辿ったわけで 両者の学の深さがよくわかる。 頭のキレる者どうしの対決だ。
 つまづき、惑わされつつも着実に真実へ近づいていく二人。 時は刻一刻と流れ、真実を追うも 中々追いつくことが出来ず、“答え”は常に一歩も二歩も先にある。 追いかけっこが続く。 四人の教皇候補たちはそれぞれ時間がずらしてある時限爆弾につながれているに等しい。 ラングドンたちはそれを阻止すべく、追いかけるのだが 犯人が頭脳の優れた人物である以上、そう簡単には追いつかない。 苦戦するラングドンたちだが、追えば追うほど確実に真相へ迫っているのがカタチとなって表れてくる…この盛り上がりが楽しい。
 冒頭に触れたように芸術作品が謎の答えへと導いているのがいい。 神にまつわる天使・聖人、預言者といった存在が芸術で表現されていることじたいが素晴らしく、その上 シンボルやコンパスのような役割を果たしているのがすごい。 芸術作品に込められた作者の思いと作品が表すものが何であるか…このようなミステリーへの興味がわいてくる。
 前回に増し、よりエンターテインメント性が充実したクライマックスから結末への流れ・・・ラスト、さらなる“トリック”が明かされ クライマックスで感じたことが覆されてしまう驚きがある。

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by jd69sparrow | 2009-07-31 14:33 | 映画タイトル た行