トランスポーター3 アンリミテッド

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<イントロダクション>
 依頼品は必ず、送り届けるプロの運び屋フランク・マーティ。 高額な依頼料をもらう変わりにそれに見合った仕事をし,どんな依頼でも依頼どおりにこなす…『ブラック・ジャック』を連想するのは私だけだろうか。 少なからず、フランクが持つものとブラック・ジャックの持つ美学はどこか通じるものがある。 自分に課した自らのルールに感情をきたしてまうのはタブー。 そして裏の世界の仕事依頼も受ける孤高な人間だ。 シリーズが始まる以前のフランクは常に自分のルールの下、そつなくただ仕事を完璧にこなすだけの日々が続き,依頼品がものから人へと変わるという例外的な事件が起こることによってルールにも例外が起こり始める。 もとは己の身を守るためのルール…だけど、守るべき者が現れたとき,そのルールは破られる。 感情らしい感情を持たなかったはずの主人公は、依頼品・依頼内容が変わることで感情が生まれてくる。 機械のような人間が人間らしい人間へと変わっていくのだ。 
 スーツを身をかためてアクションをすること、また,高級車を使いカーチェイスや高度で危険な道をも切り抜けるという意外性が第一印象で強く残っている。 また、戦いを要求されるとは想像しにくい人物が武器を持った相手に体当たりで立ち向かっていくだなんて… 裏の世界の仕事の依頼を受ける人間は警察とは距離を置くと思いきや、一人の刑事(警部)とは助けあう仲でもあり,釣りを楽しむという私生活でも付き合いがあるという…なんとも面白い構成であり設定だ。 フランクはいろんなところにこだわりを持つ人であり、謎を秘めた部分もある。 そこが『トランスポーター』の魅力と言っても良いだろう。

<あらすじ>
 一人自宅でくつろいでいたフランク。 すると家に車が飛び込んできた。 それは一度は断った仕事を変わりに受けることになった運び屋仲間マルコムだった。 瀕死の彼を急ぎ,救おうとしたフランクだったが マルコムを乗せた救急車はフランクの家から数十メートル離れたところで爆発! マルコムが乗り込んでいた車の後部座席には赤毛の女が横たわっていた。 女には太い謎の腕輪がはめられている。 これと同じものがマルコムにも付けられていて、車から離れすぎると爆発する仕組みであると女から知らされたフランク…気付くと背後から来た何者かに殴られ気絶させられる。 ふと目が覚めたフランクは密室にいた。彼の腕にはマルコムと同じ腕輪が。 それは以前断った仕事の依頼主により付けられたもの、その依頼主はジョンソンと言い,改めてフランクに仕事の依頼を要求してきた。 フランクは愛車を使うことを条件にその仕事を請けることに。その依頼とは国家を揺るがす,赤の代物を指定された場所へ送り届けることだった。 そして何故かマルコムの車にいた女,ヴァレンティーナも同行する。 依頼人は言う、「これは配達ではなく、ミッションだ」。 謎を頂きつつ,またヴァレンティーナに少し惑わされ,振り回されつつもフランクは仕事にとりかかるのだった。

<感想>
 フランクがヴァレンティーナの本心を引き出すように、ヴァレンティーナもまた,フランクの中に眠っていた一面を引き出す。 長い付き合いになるタルコニ警部でも知りえなかった一面だ。 クールで多くを語らないフランクに隠された情熱的な部分…武道に優れ,華麗なドライブテクというアクション面でなく,人間的なフランクな魅力がここにあり。 どんな仕事も必ず単独でこなし、依頼の遂行に同行者を望ましく思っていなかったフランクに変化の兆しが訪れるという主人公のメンタル面でも物語に見所を咲かす。 
 真剣なアクションの随所にちらほら見れるフランクのこだわり。 服を乱さないこと。 第二作目にもあり,冒頭にプレイバックされる場面で見受けられる1コマ…複数の敵に囲まれたとき,スーツのジャケットをその場にあった帽子掛け?にさっと乗せ,敵へと立ち向かう。 そして決着をつけた際に(これまたうまく)スーツを再び羽織る…という場面。 これはインディ・ジョーンズがハットにこだわると同じような気がして面白い。 インディは天井からしまりかけた扉の向こうに手を伸ばし、ちゃんと自分のハットを手元に戻すというハットへの愛着心を持っている。 フランクは黒いスーツが印象的なゆえに、スーツにこだわりを持ち,スーツのジャケットのこだわりはインディにの持つそれに等しいと言えるだろう。
 さらに。 拳銃やナイフなど持っていなくても工夫次第でどんなものでも武器になりうるのかも!と思った。 まさかワイシャツなど着ているものを使って敵をこらしめるなど思いも寄らぬこと。 どんな状況下にあっても敵と対峙するフランクの精神は常に冷静沈着、だから様々な機転が利くのだと思う。毎回どう危機を乗り越えていくのかも見所の一つだ。 
 カッコいいばかりではなくて、人間らしいところもあるし,ユニークな部分もある。 クールな場面が続いたかと思いきや、滑稽だけど面白いところもある。 依頼品の謎が解けたときのすっきり感となるほど感もイイ。 二作目にしてもジョンソンという強敵が隠れていたように,今回もジョンソンの影にもさらなる組織の陰謀がある。ということは、さらなる強大な敵とフランクは戦うことになるのか?と思いたくなる。
 本作でフランクに立ちはだかる敵、ジョンソン。 渋くてカッコいいクセの強い人物だ。 ジェイソンにひけをとらない程のしゃべりの渋さは最高である。 フランクを窮地に追いやるほどの頭脳を持ち,二人は互角の戦いを繰り広げる。 自らが作り出した(悪意の満ちた)兵器は自らの身を滅ぼす… マンツーマンで戦いを挑んだフランクとジョンソン、結果はあっさりとついてしまうのだけれど 敵の最後の瞬間も忘れがたく、あまりにも潔くて良い意味で印象深い。

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by jd69sparrow | 2009-08-21 22:19 | 映画タイトル た行