グッド・バッド・ウィヤード

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<イントロダクション>
 直訳すると「いいモン、ワルモン、へんなの」となるだろう。 三人の登場人物の役割を表した実にシンプルなタイトルである。 プログラムの言葉にもあるようにストーリーを追っていくとこの三つ混同する。 つまりは、三人の登場実物それぞれにこの三つに分けられた役割全ての特徴が見られるのだ。 単純に分けられたものではなくて、三人が持つ特徴を表したのがこのタイトルの言葉なのだというふうにも考えられる。 アジアを舞台にした西部劇。 銃撃戦やど迫力な場面・アクション満載のエンターテインメントであり、ある一つの地図を巡り,三人の男たちはぶつかり合い、一つの到達点へと向かうという物語だ。

<あらすじ>
 荒野の真ん中を駆け抜ける蒸気機関車。 そこには激しい争いの火種となる“地図”があった。 何も知らずに強盗しに現れたユン・テグは金となるものを地図もろとも、盗み出す。 その直後だった…三人の男たちの戦いが始まったのは。 賞金稼ぎのパク・ドウォンとギャングのボス,パク・チャンイ、そしてコソ泥のユン・テグ三人は地図が指し示すであろう宝を追い求め,死闘を繰り広げる。 まさに“追いつ、追われつ”で彼らの生き様がここにある。
 そして、最後には意外で衝撃的な真実と展開が待ち受けている。

<感想>
 物語に複雑さはなく、ただ性質の全く異なる三人のはちゃめちゃぶりを楽しむのがこの物語の狙いのようだ。性格も近ければ、戦い方も違う彼らだが、使う武器はみな,銃だ。 西部劇なのだから当たり前かもしれないけれど。 この中でユン・テグだけがマヌケで戦闘能力がないように見えるが、侮るなかれ。 三人が三人と強く、弱い者など一人もいない。 単純な話のようで、そうでもないと感じられる部分もある。 それは最後の結末を知ればわかる。 最後に語られる真実を見ると物語を再び見たくなる。 
 ユン・テグはチャンイを追う,ドウォンの間に立ちはあだかり,騒動を起こす…というかこじらせる道化のような存在という印象を受ける。 実際そんな部分もあるけれど、ところどころで謎をふりまいている。 マヌケそうで実は強いというところも彼の魅力の一つだが、敵の倒し方が珍プレーなところも一人で盛り上がって話し続けるところも面白い。 実にコミカルなのはユン・テグという人物的にも言えるが、ハングルの言葉もまたしかり。 ころころと転がるようにその口から出てくるハングルの言葉の響きを聞くだけでも飽きさせない。 アメリカのギャグ漫画に出てきそうな感じもする。 インディ・ジョーンズなみに帽子にもこだわる点もユン・テグの面白いところで漫画を見ているかのような場面もある。 しかし、一番いいのは底抜けに前向きなところだろう。
 ユン・テグが中心的に描かれているとは言え、他の二人もそれぞれ確かな存在感を出している。 チャンイとドウォンの共通点は多くを話さず、クールなところ。 違うのは目的を得るための方法・やり方。 
 チャンイは仲間さえも殺すことに抵抗なく、残虐な男。 しかし,やはり悪役といえど魅力にあふれていることは否めない。 1930年という時代設定の中の人物としては現代的なのだけれど、チャンイの放つカリスマ性は惹かれずにいられまい。 脅威に満ちたその笑顔でさえ、セクシーで銃とナイフのコンビネーション技はクール、そして銃さばきが西部劇でよく見受けられるガンマンそのものである。 ユン・テグも相当な生命力の持ち主だが、こちらも不死身さをにおわす感じが最高だ。チャンイに呼び名をつけるとしたら“暗黒の貴公子”とでもつけられそうだ。 チャンイは何故これ程までに極悪非道なのか、そこが彼のミステリアスな部分だ。
 ドウォンはルックスなど何から何まで西部劇のヒーローである。 しかし、金に執着する部分があり、また冷淡なところもある。 他の二人より一歩ひいたところにいながらも、美味しいとこどりだ。 アクションが一番だいたんで常に冷静で先を読んでいる。 確実な手段を常に選ぶ,慎重かつキレのある人物だと思う。 ロープを使った広範囲に攻撃をしかけるアクション、そして何よりライフルを使い確実に敵を狙いを定め,無駄な弾は使わない技術力の高さがなんともかっこいい。 
 三人に共通しているのは銃の使い手である以外に、謎めいた部分があるということが一つあげられるだろう。それが彼らの魅力である。 彼らが思うこと。チャンイは常に自分が最高に強くあること、ユン・テグは戦いはなるべく避けて平和に暮らすこと、そしてドウォンは…というとここが謎である。 でも、その夢を語ろうする表情は明るい。 謎のままにした方が良いこともあるというが,しかし、個人的には気になる。
 冒頭から映像的に綺麗で爽やかに始まり、始めから終わりまでその迫力に満ちている。 それを効果的に演出し,表現しているのが“音楽”だ。 ウエスタン、つまりはラテンのリズムが三人をよりかっこ良く演出しているという風だ。 それはここぞという場面や作品の世界へ一気に引き寄せる効果音。 もちろん、途中途中で流れる音楽も物語をサポートしているし、ユン・テグらしいコメディチックなバッグサウンドも他にないものがあると思う。 少なくとも日本では中々聞かない?のではないだろうか。
 “無茶苦茶”というのを売りにしているとは言え、最後に明かされる真実や主人公たちの持つ謎を考えると物語的にも面白いし、映像も音楽もそして絵的にも綺麗で様々な角度から見て楽しい。 近未来映画が多いからこそ、西部劇というのはひときわ新鮮だ。 銃撃戦というアクションの王道は観る者を確実に惹きつける力がある。 様々な西部劇が見たい。 西部劇のもと,西洋のものも また再び見てみたいものである。

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by jd69sparrow | 2009-09-03 18:33 | 映画タイトル か行