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ワイルドスピードMAX

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<イントロダクション>
 第一作目から八年が経った。 前作ではヴィンのカメオ出演を除けば、全くの新しい「ワイルド・スピード」だった。 しかしこの作品が大事にしてきたスピリットは変わらず受け継がれてきた。 そして再び第一作目で注目を集めた4人が再結集というのが嬉しいところ。 シリーズ化される作品は少なくないが、オリジナルキャストが勢ぞろいで再び集まるのはとても珍しいように思う。 最近は四作まで作られる作品も少しずつ増えている。「インディ・ジョーンズ」や「ダイ・ハード」など。 この二作品おいては前作からのブランクがかなりあるだけにまた新たに作られることが予想できなかった人も多いだろうし。 ファンからすれば,いつかは定かでなくても
いずれ製作されるのではという議論はあったかもしれないし、期待していただろう。 少し話し外れるが、「ワイルド・スピード」がオリジナルキャストが四作目で集まったように,「パイレーツ~」の新作も“あの”ジャック船長を始めとする,メインの4人に再結集してほしいものだ。
 メインキャラクターたちは月日を経て,取り巻く環境が大きく変わった。 一人一人がそれぞれの道を歩んでいる…とりわけブライアンとドミニクは、疎遠状態にある二人が再びストリートカーレースを通じてコンビを組み,一つの事件に立ち向かっていくのだ。

<あらすじ>
 ドミニクは追われる身でありながらもレティと共に自由気ままに過ごしていた。 時には、大型トラックから燃料タンク強奪というスリリングな生き方もする。 命がけという危険な道を逆に楽しんでいるようでもある。 幸せな日々はもう長くは無かった。 愛する人の命を奪われたドミニクはその無念を晴らすべく,その事件現場に残された手がかりをもとに犯人を追うべく,あるストリートレースに参加する。
 一方、ブライアンはFBIに転職をしていた。 彼もまた事件を追っていたが中々成果が上げられずいた。 しかし、捜査をしていく最中で浮上した一人の人物により,ブライアンが追う事件の解決の道が開ける。 麻薬組織のNo.2が有能なドライバーを雇うためのストリートカーレースを主催しているいうのだ。 彼は警察が押収した車を使い,潜入捜査に挑む。
 偶然にもドミニクとブライアンはそのストリートカーレースで再会する。 彼らが追うものは同じだったのだった。 ドミニクの妹ミアと付き合っていたブライアンは彼女を始めとするドミニクの仲間達に潜入捜査官であることを隠していた事実により,ドミニクとミアたちとの仲には亀裂が入っていた。 始めはぎくしゃくしつつも、かつては共に道を歩んだ仲、溝がなくなるのに時間はかからなかった。 そして二人は黒幕を追求していく。

<感想>
 白熱したカーレースが魅力な作品。 けれど、しっかり人間同士の絆も描かれている。 確かに車によるアクションが印象深いのだが、どちらかというと人間ドラマな部分が多い。 麻薬組織の一員のカンポスが主催するストリートレースと彼に雇われたブライアンたちが真相を突き止めて,組織と戦うデスレースと、二種類のカーバトル。 前者と後者ではドミニクとブライアンの関係性があきらかに違う。 前者ではレティのために,どんな手段を使っても必ず復讐を果たす一心のドミニクの思いの強さがある。 だが、あえてその目的はあらわにはしないというのがちょっとクールだし、カーレースというアクションの中にもドラマがあるのだと思った。 後者が描かれるのはクライマックスのあたり。 ここではドミニクとブライアンの絆は完全に復活しており,彼らのチームプレイの抜群さが窺える。 この壮絶なデスレースはまるで「スターウォーズ」のエピソード1でアナキンが挑んだレースのようだ。 ドライバーたちにより走る車はまるで生きているかのようにダイナミックに荒野を走り抜ける。 二人にとっては、通れぬ道はないと言わんばかりにどんな困難な道も突き進む。 これはカーレースのみならず、人間ドラマとしても言えるだろう。
 ブライアンがドミニクの誤解を解く場面、二人が助け合ったり、理解しあう場面などまさにハートのある物語だ。 劇中にブライアンが語るようにドミニクが持つような、信念を持つということは大切であり、ブライアンが憧れるのも理解できるし、将来そうなりたい,そう感じさせられると思う。
 ドミニクが追われる身で、ブライアンがその逆である,追う立場ということで中々うまくはいかないところもあるようだけれど、実はハートでつながっていて,車にかける思いだけでなく,切っても切れない絆があるのだ。 
 ブライアンはこれまで,警察という立場上 あまりストレートにはドミニクを助けることは出来なかったのだろう。 だけど、今回それは大きく変わったと思う。 二人の絆の深さが再確認できるのがラストシーンだ。ドミニクは覚悟を決めた。 が、しかし トラックから燃料強奪をやり遂げた時の彼と同じ表情をしたブライアンがそこにはいた。 燃料強奪ならぬ…親友の奪還。 ストーリーを読んでいけば想像できただろうけど、私はそれをサプライズのように感じた。 その後どんなふうに物語が展開していったのは気になるところだけれど、でもそれは語らずともわかる。 そんな終わり方も良いなぁと思った。 わくわくさせるけど、全部は語らない。 そして次の瞬間に車好きでもそうでなくても気持ちが高まるクールなエンディングというのがなんともカッコいい。

by jd69sparrow | 2009-10-16 15:37 | 映画タイトル わ行