のだめカンタービレ 最終楽章 前編

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<イントロダクション>
 音楽があってアクションもあり、そしてコメディなど様々な要素がミックスしたのが『のだめカンタービレ』である。 漫画を映像化する際に漫画的なノリも活用されているというのは実に面白く、コメディ色を引き立たせている感じがある。 音楽は感動を生むもの…完成されたハーモニーを聞くと心に響き,感動してしまう。一つの音楽が出来るまでの課程には様々な出来事がある。
 オーケストラの美しさや感動が実感できる作品で、クラシックで眠くなる…なんて概念を吹き飛ばす。 むしろ楽しくなる。 音楽を奏でる楽しさ、また 音楽の音色を聞く楽しさが実感・伝わってくる。音楽というものは、楽しむものである。 恋愛コメディというツールを使い,私達にそれを教えてくれているような気がする。 最高の音楽を引き出すことが出来たとき,また演奏できた時の主人公たちの顔はとても活き活きしていて,観ている側も同じような気分にさせる。 まさにエンタテインメントな作品。

<ドラマシリーズまでのあらすじ>
“のだめ”こと,野田恵美は音楽の大学へ通う三年生。 偶然にも部屋が隣の千秋真一は指揮者としての才能だけでなく 楽器や頭脳においても優れた実力を発揮する。“俺様”キャラの千秋に,ゆるいイメージだけど、皆から愛されるのが“のだめ”。 のだめは保育園の先生を目指している。 一方、千秋はプロの指揮者を志している…が、幼少時代の事故で飛行機への恐怖心を抱いており、目標への距離はとても遠い。 正反対な二人だが、お互いの才能に惹かれ始める。認め合うようになり,やがてパリへ目指す。千秋はSオケこと,名指揮者シュトレーゼマンに選ばれし実力者が集まる大学のオーケストラをまとめる指揮者に抜擢され,オケのメンバーと絆を深めつつ,オケを改造し、進化させる。 千秋は我流だけではオケからの信頼も力もつかないことを学び,成長していく。 のだめも負けじとピアニストの道を極め,千秋を追いかける。
 のだめの力で飛行機恐怖症が治った千秋は、のだめと共にフランスへ。そこで千秋は指揮者としての実力が試され、のだめは音楽の名門校で学ぶ日々が始まる。二人はそれぞれ成功をおさめ,幸先の良いスタートを切る。

<映画のあらすじ>
 フランスでの生活が慣れ始めた,のだめと千秋。 千秋は見事,指揮者コンクールで優勝をおさめた実力がかわれ,長い歴史を持つ音楽楽団“ルー・マルレ・オーケストラ”の常任指揮者に抜擢される。のだめの通うコンセルヴァトワール(音楽院)の同級生フランクの誘いで指揮者として招かれる前にマルオケの下見に行くことに。すると人手が足りないというマルオケのエキストラとして強引にオケに参加することに。やがて常任指揮者としてマルオケへ訪れる時がきた。由緒ある場所と聞いていた千秋だったが、実態に驚く。それは楽団員のほとんどが辞めてしまい,資金不足に苦しむゆえに残った楽団員は他の仕事で生活をまかなっている人が多い。人手も講演する際はほとんどエキストラでまかなっており,さらに音楽のまとまり悪ければ、実力が楽団の名にともなっていないという,まさに最悪な状況下にあることを思い知らされる。当然、千秋が来て初めての講演も失敗に終わる。
しかし、ここであきらめないのが千秋である。数年前のSオケの姿を今のマルオケに見て,俄然やる気に火がつく。 そしてスパルタレッスンが始まる。今後のマルオケの未来が決まるコンサートに向けて…

<感想>
 音楽とアクションコメディ、その間にラブストーリーあり…という感じ。 主に前者の2つのキーワードで作品を見ることが出来る。 この2つの観点から映画を振り返ってみたいと思う。 
 まず、音楽。 オーケストラをメインとするけれど、そこで使われる楽器全てとは言わないけれど、様々な楽器の音色の美しさがまず楽しめるのがいい。 ピアノやヴァイオリン…だけでなく、解説付きで他の弦楽器も見ることが出来たのが良かった。 映画でのストーリー進行上というのもあるけれど。 オーケストラにどんな個性が折り重なっているのがよくわかるだろう。 さらに、曲の解説。 普段何気なく聞いている音楽だけど、その音楽を演奏者の側から見ると違う見方が見えてきたり、曲によっては演奏者の実力がわかってしまう恐ろしい要素も持っている音楽あるなど知識を得られるのも良いなぁと思う。 
 指揮者の表情から、またその腕と手先の動きから見える躍動感でそれに従う演奏者もそれに連動して音楽を奏でる… 前編では千秋がメインとなるわけだが、この躍動感に辿り着くまでの軌跡が見所だ。 千秋の鬼指揮者っぷりも本番での指揮もすごかった。 力など微塵も抜く間はないのだ。 指揮者とコンサートマスターの二人の絆の強さがオーケストラの未来の要というのがよくわかった。
 一方、のだめも負けてはいない。 試験の場面だっただろうか。 楽しそうにピアノを弾く姿が印象的だ。その指が鍵盤で音色を出すたびに何か美しい魔法のようなものが出てくる。 それはつまり、音が形となって出てくるような感じである。 音が集まると音楽となり、そして天に舞うようだ。 映像の中にはなくても、なんだかそんな光景が見える気がする。 
 次にコメディ部分。 漫画の世界からそのまま飛び出てきたようなキャラクターもいる。 しかもそれをホンモノのコメディアンが演じているからさらに面白くなる。 また、普段コメディをやらない人が全力でコメディを演じるのもまた面白い。 そこまでやっても大丈夫か?というくらいの良いノリで漫画のようなテンションを見せてくれるがとてもサービス精神があるように思う。 印象が強いのはアクション映画さながらのコメディ場面。 ドラマシリーズでもお馴染みである,のだめが千秋に吹っ飛ばされる場面。 宙に舞う,のだめは人形には見えない。 漫画ノリがわざとらしく見えないのもすごい。 
 千秋とのだめの恋愛部分でとても印象的なのがある。 それはフランスという美しい街並みが並ぶ国でのロケだったからこそだと思う。 夜景の広がる街のベンチに座り会話する場面はとても綺麗だ。 あくまで主役は千秋とのだめなのだが、風景がとても綺麗。 映画ではこのような海外ロケは多いはずなのにこれが格別に美しく見えた。 やはりバックに映る風景はドラマを演出するんだなぁとしみじみ思う。
 バラバラで問題ばかりの仲間達を一つにまとめ、まとめる人間もまた,信頼を得ていくというのは学園ドラマなどでも定番なのだが、やはり見所として大きい。千秋はコンマスと始め、ぶつかり合うけど実は音楽的センスでとても気が合うというのがベストパートナーと感じさせるし、第一印象から見ると意外であるが楽しい。 団員の個性も見所だ。
 後編では千秋とのだめの恋愛模様も色濃くなりつつ、のだめがメインとなるのではないかと思う。とても楽しみである。
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by jd69sparrow | 2009-12-27 06:00 | 映画タイトル な行