シャーロック・ホームズ

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<イントロダクション>
 名探偵の代名詞と言っても過言ではないのが、コナン・ドイルの生み出した,シャーロック・ホームズその人である。 『名探偵コナン』世代にとっては、きっと『コナン』の漫画を通じてその名をきっと聞いたことだろう。 探偵モノは数多くあるが、確かにここが原点だろうとミステリーファンの多くは口を揃えて言うと思う。 しかし、このロバート・ダウニーJr.版は過去の探偵のイメージをガラッと払拭したキャラクターである。 制作者曰く、原作で描かれた,当初のイメージに近づけたという。  武術をこなす探偵など聞いたことが無い。 しかし、名探偵には敵はつきもので,必要不可欠なのかもしれない。  頭のキレも良く,戦えるとなるとこれに勝るものは無い。 どんな状況下でもブレない推理力がホームズの魅力だ。

<あらすじ>
 19世紀イギリス。 この世にはびこる謎を愛する一人の男がいた、シャーロック・ホームズ。 彼は相棒で医師のワトソンと共に,いかなる難事件に挑み 解決させる名探偵だ。 ホームズに立ちはだかるは、魔力を持つとされるブラックウッド卿。 謎に包まれたその男は素性が見えない。 ブラックウッド卿は連続殺人犯として逮捕され,処刑される身となるが その顔には恐怖の色はなく,むしろ何かを待っているようだった。 予定通り刑は実行されるが…
 その後も奇怪な事件は絶えない。 地獄より蘇りし、悪魔との戦いが始まる。 次々と人の命が奪われていくが、その裏には大きな野望に満ちている。 ホームズは謎を解き明かすため,大切なものを守るために事件の先の先まで追っていく。

<感想>
 一番インパクトがあるのはやはりアクション場面。もちろん、推理場面も然りだ。 まずはアクション。 ミステリーとは思えないほどのエンターテインメント性の高いアクションが満載。 それは冒頭から始まる。 物語の始まりというのは動と静とがあるけれど、この場合,静とフェイントをかけた上での動な気がする。 いきなり動で始まり,動き出した物語は意外性を盛り込むとさらなる,期待感が増す。 まさにそうだった。 第一印象と実際とが違うという驚きが最高。  もちろん元を辿れば、最初の印象は事実としてある。 不注意だったかもしれないけれど、見えてなかったものが見えてくるのだ。 ホームズの最初の登場シーンはとてもクールである。 たとえ、その後どんなものが待っていても、だ。 
 頭脳明晰な人間は自分の起こすアクションについて分析をする、さらに相手の弱点から背景まで全てを99%見抜いてしまう。 だから、どんなことも物理的に解決しようと考える。 だから、相手と戦う際には必ず分析をかせない。 それを一瞬で行うその回転の速さは天下一品だ。 それがわかるのが巨漢とのファイトシーンだ。 まず、相手の弱点を解析し、そこをどう突いて攻めるのかを説明し,それを100%実行に移すのが見所であり、痛快である。 その構成じたいもさることながら,映像の速さの強弱もメリハリがついていて視覚的にも感覚的にも楽しめる。 ホームズという人間が頭脳だけ優れた,頭でっかちではなく、柔軟な人間なのだと窺える。 己の頭脳によって、物理的応用を利かせるという,現実には極めて困難なことを 説得力を持たせてそれを、見事に証明するのだ。 勉強は現実に活用できると。 
 頭も良くて、体力的にも強い。 こんな前代未聞な闘う名探偵は 実は原作で本来描かれるホームズ像にかなり近づけられているというのだから 驚きだ。 
 ワトソンとのコンビネーションは凄い。ドラマ『相棒』のようにタイプの違うホームズとワトソン。一人は名探偵で分析力と観察力に長けた天才、一人は医師という仕事柄的にも,また推理力もあり,二人はまさに名コンビである。 しかし、人間的には全く異なる彼らは生き方も違う。 事件やその謎にしか興味を持たず、私生活には関心がない自由奔放なホームズに対し、ワトソンはキャリアを積みつつ、温かで幸せな生活を送ろうとする真面目な人柄だ。 ワトソンはホームズの私生活のだらしなさに呆れ、時に手を焼いてしまう。 だけど、ホームズを見捨てることはできず、彼と共に事件を追う…まさに“腐れ縁”。 二人のコントみたいな場面もあり、印象的なのが馬車でワトソンがホームズに一発くらわすシーンだ。おどけた表情のホームズの顔を見て、一瞬笑顔を見せるワトソン。この場面を見て、ワトソンのホームズへ抱いている思いがわかるような気がする。 なんだかんだ言いつつも、互いが互いを大事に思っているという証拠。
 ワトソンは意外と直感的な人間だ。 ホームズが鍵を開けようと七つ道具を手に、時間をかけている横で、大胆にもドアに蹴りを入れて一発で開かずの扉を開けてしまうのだから。 常に冷静でホームズと同様思考型思いきや、だ。 とても驚きだが,このキャラクターに愛着がわく。
 推理ミステリーの醍醐味、“種明かし”の場面。 ホームズが追いやられていたはずが、一気に形勢逆転となる。「完璧な犯罪などない」と言わしめんばかりに犯人を追い詰めていくところがホームズの一番の見せ所で,最もかっこいい場面である。 しかもそのクライマックスが、生死を分けるようなまさに、背景的にも窮地に追いやられるからこそ、この緊迫感と爽快感がよりいっそう高まるのだ。
 “モリアーティ”。今回の話の影にいる謎の人物。 何度もこの名前が出てくるあたり、続編ができそうな感じである。 シャーロック・ホームズの数々の事件の中で、最も手ごわい相手。最大の敵であるのがモリアーティ教授,その人なのだ。 だからこそ、これはモリアーティとの直接対決を映像で描くべきなのである。
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by jd69sparrow | 2010-03-12 23:44 | 映画タイトル さ行