のだめカンタービレ 最終楽章 後編

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<あらすじ>
 フランス・パリで音楽を学びにやって来た,のだめと千秋。のだめはピアノ留学でコンセルヴァトワールへ、千秋はルー・マルレ・オーケストラの指揮者として音楽の道を極めることに。お互い別々の道を歩むも,いつも隣同士で生活していた二人の間には日本と変わらぬ関係が続いていた。 アパートにはコンセルヴァトワールの学生フランクやターニャという個性の強い二人が住んでおり,のだめ達の生活もすぐ馴染んだ。 のだめも千秋もそれぞれの力を発揮し始めた頃、千秋の提案で離れて暮らすことになる。いつでも会おうと思えば会えるし、今は距離を置く時で,それはお互いのためと考えた千秋。 何も問題がないように思えたけれど、これが二人の思いが遠ざかりかねない危険信号が出ていた。 それは、この時点で,のだめも千秋も知りえなかった。
 のだめは、千秋と二人でコンチェルトをするのが最大の目標。偶然にもコンクールで出会ったラヴェルの曲が波紋を呼ぶこととなる。 それは、二人にとっての最大の試練が立ちはだかる,引き金となる。
 
<感想>
 前編の千秋の物語に対して、今回はのだめがメイン。と言っても、後編大事なのは千秋との絆。前編にもドラマシリーズにもない,のだめが描かれている。 厳密に言えば、これまでも時々見受けられた側面が全面的に表れたのが本作と言えるだろう。影のかかった,のだめ。そして、千秋もまた、のだめ のことがほっとけなくなり,冷たくもクールでもなく、人間味があふれている。二人の感情的な面が、距離を置くことで浮き彫りとなり,よりドラマティックな物語に作品を作り上げている。千秋とのだめの恋を軸に物語は展開し、その終着地点がどうなるのかというのが、とても期待がわいてくる。 今まで以上に二人がそれぞれ悩み、高い壁へと挑むのだ。 なんのために彼らは音楽の道を走り続けるのか、これが最大のテーマだと個人的に思う。二人にとって音楽とはなんなのか。
 コメディな部分は今回とても控えめと言える。だが、その分その少ないコメディがとても面白い。なくてはならない、場面だ。実写を漫画に近づけるとこんなにも面白いものなのかと毎回思う。今回の後編での印象深いのが、のだめと峰の,千秋がのだめのところへ帰ってきたときのリハーサル…というよりも、のだめが妄想する,真似する,千秋。 もちろん、のだめと千秋の二人の漫才的な一こま一こまも面白い。 それは、のだめが抵抗することなく,ふっとんで行く事にあったり、千秋が千秋らしいキャラクターを見せたり,普段のキャラクターから崩れることにもあったりする。このやりとりがコンビネーション抜群の時はさらに面白い。 よく見受けられるのが、千秋の一撃でのだめが放り投げ出されるところ。 今回で言うと、ピアノに没頭しすぎて、文字通り完全燃焼した挙げ句,熱が上った,のだめを風呂へ投げ込む場面だ。人形とわかっていても,リアルに見える。というか、毎回その人形が使われていることを映画を見た後に気付く(汗)。変に曲線を描いたりするより、直線の方が「のだめ」っぽい。 この場面の後に、効果音がつけられていたのもなんだか,のだめの燃焼ぶりがわかりリアル。 放り投げられた後にのだめがどう動くのか、毎回気になる。
 最高の音楽を聴いてしまうと,また最高の音楽を演奏してしまうと,それ以上の音楽を極める自身を失ってしまう。 この最大の難関とも言える,試練がのだめにふりかかる。 そして、目標に近づきたくても、中々思うようにいかず,追いつくどころか,距離がどんどん広がっていくように感じる現実が,のだめにはあまりにもキツかった。 
 しかし、その試練を乗り越えた後の顔は今まで見たことがないくらい,のだめが女性らしくて,ピアニストの顔だった。 そして、のだめの抱える試練を傍らで見守り,のだめの予測不能な動きに振り回されつつも,音楽とのだめとを真正面から向かう千秋もとても温かい。 千秋とのだめはそれぞれの超えるべき壁と、二人で超える壁とを乗り越える。 二人のコンツェルトという素晴らしい共演。そのために、音楽と向き合うのだという結論を出した二人…とても素敵な締めくくりであり,作り手が言うようにまだまだ物語は続いていくんじゃないかなぁと思わせてくれる。 最後だとは思いたくない、けど寂しい。そんな気分になった。
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by jd69sparrow | 2010-04-29 23:49 | 映画タイトル な行