劇場版 TRICK 霊能力者バトルロイヤル

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<あらすじ>
 山田奈緒子は、マジシャンとして花やしきの舞台に立つ。 しかし、何度もクビにされてしまう程,中々お客さんが入らない。 日本語を時々間違えたりと,とぼけたようなところもある、しかし推理力は確かである。その力でもって,数々の事件を解決するも お財布は潤うことはなかった。日々、ギリギリの生活を送っている。 彼女の相棒的存在で腐れ縁という,つながりを持つのが上田である。
そんなある日のこと。 奈緒子は仕事をクビに。 退職金代わり?にもらったのが,万練村でカミハエーリを決めるバトルロイヤルの情報だった。財宝を匂わす,その話に乗らないわけにはいかなかった。カミハエーリとは、村を守る霊能力者のことだった。 前のカミハエーリが亡くなったことで,次のカミハエーリを決めるべく,全国から霊能力者が集められるというものだ。 奈緒子も霊能力者を装い,村に行くと そこには奈緒子を温泉ツアーに誘おうとした,上田の姿が。霊能力者と偽る者を見破るための立場として。 上田は村の青年・中森翔平にカミハエーリの風習から村人たちを,目を覚ませるよう依頼を受けていたのだ。 そして、霊能力者として奈緒子を含め,六人の男女が名乗りを上げ,命がけのバトルロイヤルの幕が切って落とされた。

<感想>
 ドラマシリーズをあまり見ていない自分が言うのもなんだけど、『TRICK』とは主に毎回特別な力を持っていると自負する者がいて,その周りでは何故か人が命を落としていくという奇怪な事件が起きる。特殊能力と偽る者たちが仕掛ける,トリックを山田奈緒子が解き明かしてく…という話の展開だ。映画は本作までで三作公開された。 劇場版第一弾となんとなくパターンは一緒で、前述したような展開の要素も毎回ある。 それがこの作品のルールだと思う。形式が似ているのが三作中,一作目と三作目…ある意味『オーシャンズ』シリーズと似ている? というのも、『オーシャンズ』でも『11』でラスベガスが舞台となり,『12』で一度舞台が変わって 再び『13』でラスベガスへ戻ってきているからだ。
 パターンがある程度決まっているとわかっていても,面白いのが『TRICK』の魅力の一つ。やはりその理由は 作風や世界観にあるだろう。 例えば、美味しいラーメンに出会うとまた食べたくなり,時間を空けて再び食べる(中にはハマり始めたら毎日という人もいるだろう)のと同じ原理と言えるのではないか。 もちろん、監督の言葉にあるようにギャグを所々に盛り込まれているというのも面白さであり、また,一風変わったシュールなストーリー展開がポイントである。 主人公である奈緒子も上田もまとものようで,けっこう変わった一面も持っている。奈緒子は周りで起こる可笑しな出来事にツッコミを入れるけれど,実は自分自身もボケであることを上田によって証明されたりする。時に自分でボケツッコミをする。 上田も堅物のようで,変わった一面を持っている上、キャラクターとして個性が強い。
 今回で気付くのは遅すぎるかもしれないが、出演者にまつわるギャグがたくさんある。それを一つ一つ探すのは一度では少し難しいが 見つけると嬉しいのだ。さらに,笑える。個人的にツボだったのが、鈴木玲一郎が白馬に乗って,「さらばだ」と言って平原を駆けぬくという場面。将軍!!って叫びたくなる。 「事前に馬を隠しておいたのだ…」って、そんなバカな!と思いつつも爆笑。真面目に言うからこそ面白い。 堤監督という人は、役者さんそれぞれが,絶対やらないであろうということを見事に裏切って(良い意味で)、それぞれキャラクターを作る天才だ。 霊能力者たちを仕切るように,バトルロイヤルの開幕を宣言する。 そして、いかにも事件の犯人という匂いを出している。 劇場版第一作の“神003”が大ボス?と思った。 しかもこの人、かなり あっさりしていて往生際も悪くない。それでいて、最初に登場する場面ではツッコミどころが少ないようだが,実はツッコミどころのある愉快なキャラクターで驚き。 つまり、出てくる登場人物はどこかしらツッコミどころのある印象深く,個性が強いということが言える。みんなが真顔で,また全力でボケる。そこがこのシリーズのミソなのだ。
 話の流れは知る中ではいつもと違った。 どの推理ドラマでもたいてい共通するものであるのが犯人の追求場面だ。 容疑者たちが集められ,彼らの前で主人公が事件のあらましを説明しつつ,犯人の発表に向かって,その道筋を紐といていくというもの。 推理モノの定番である。 しかし、ここではそういうパターンとちょっと違う。 謎は随所随所で明かされる…つまり、パズルのピースが少しずつ埋まっていく,答えが出る前の推理の途中段階が多く,結論部分がコンパクトになっているのだ(お決まりの展開で考えると)。 犯人は「私がやったっていう証拠はあるのか!」という言い逃れなどは一切せず,あっさり認めて「どうぞ、後はお好きに」という開き直りだ。 しかし、一言にその一人の人物が犯人とも言えない、しかし全ての引き金を引いた黒幕であることは変わりはないだろう。
 奈緒子に上田が事件の依頼を持ってきて,奈緒子が謎を解いて,そしてオイシイところを奈緒子の母・里見に持ってかれる… そしていつ訪れるかわからない奈緒子と上田の関係の行方。 まだまだ話は続きそうで しかし、二人の関係性は中々進展せず,じれったい。いつか何かあればいいのにと思いつつも納得はできる。 今度もし次回作が出来るのだとしたら 奈緒子にある,カミヌーリ(カミハエーリ)の力が大々的に出て欲しい。 その話は抜きに 一万円のトリックは奈緒子の奇術の中ではトリックが明かされぬものであり、不思議だ。 しかし、どうやら一方通行な感じがする。
 あと、一つこの作品の楽しみ方をあげるとするならば,不思議な言葉や文字に注意して見たり耳を済ませたりすることである。まるで、クイズ番組で問題を解いている感覚☆
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by jd69sparrow | 2010-05-21 18:47 | 映画タイトル た行