IRON MAN 2

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<ここまでの話>
 軍事兵器の生産と開発をする会社のCEO トニー・スターク。 彼自身技術者としての確かな腕があり,巨万の富を持っている。 彼の会社で開発された兵器のお披露目の日、事件に巻き込まれた,トニー。 その事件の最中で生死をさまよう事態になるが、テロ集団に同じく捕まっていた医師に救われる。 …が、しかし 命は助かったものの,金属で出来た“心臓”なしでは生きられない状態だ。 監禁されていた際に ありあわせの道具で作り出したのが“アイアン・スーツ”である。 全身を鉄のアーマーで覆い,彼はその日からアイアンマンとなり、世界の平和を守る戦士となる。 部下の裏切りにより,とんでもない兵器が生まれるが、激闘の末勝利したアイアンマンは一躍ヒーローに。

<今回のあらすじ>
 アイアンマンは若者を中心とした多くの人々から愛されるようになった一方で、政府から目をつけられていた。 それは、“アイアンマン・スーツ”が兵器とみなされていたからである。 しかし、口の巧いトニーは体の一部と豪語することで、切り抜けるが また、新たな危険が近づいていた。 
 トニーは相変わらず派手好き。そして、大胆。 自らの正体、つまり 自分がアイアンマンであると公表するも彼の人気は変わることはなかった。 メディアに引っ張りだこなトニーだったが、それが災いしてか とんでもない敵を作ることになる。ウィップラッシュ。 ロシアから来たトニーに引けをとらない技術力を持った,手ごわい敵である。 トニーの会社の商売敵であるハマーと手を組んだウィップラッシュはトニーを追い詰めていく。
 ヒーローとして崇められてきた,アイアンマンの運命はウィップラッシュの手で“ゲーム”に賭けられ、ヒーローとしても…また、自身も命をつなげる金属の心臓によるリスクに苦しむことになる。

<感想>
 堂々としているヒーローはカッコいい。 正体を隠しながら、人々を悪から守るというのがアメコミを含む,万国のヒーロー像が多い中でとても貴重な存在と言ってもいい。 することなすこと、人目を引くことばかりで、金をもてあましているようにも見えるけれど、不思議と憎めないのはその愛嬌の良さだろうか。 ブラックウィドーというまだ謎に包まれた集団の一員,ナタリーに“典型的なナルシスト”と評価されるくらいのナルシストでもある。 ナルシストって聞いたら「自分大好き」というのを執拗にアピールする…例えば王子っぽいような男が「僕って最高」みたいなふうに言って歩くようなそんなイメージを個人的にはイメージしていたのだが、トニーの場合はとにかく大勢の前で見せるアイアンマンとして輝く自身っぷりにそれがあるのだろう。 自分の正体をあっさり明かしてしまうだなんて…掟破りなヒーローだ。 トニーのその性格を象徴するのがやはり、アイアンマンとしてエキスポへさっそうと表れ、観客の前でトニー・スタークに戻るというパフォーマンス・シーン。  とは言え、その派手の登場っぷりのカッコ良さったらない。 
 しかし、そんなエンターテイナーの裏側には,命に関わる,逃れようのない危機に苦しんでいる。 その苦しみが増せば、増すほどトニーは突飛な行動へと走っていく。 リミットが迫っているという緊迫感がスクリーンにじんわりと映し出されつつ、物語は進行する。 リミットというリスクを背負ったアイアンマン。 ヒーローものの多くが、恋人との時間が作れない自分へのもどかしさが悩みである一方で、それなのである。 世に悪ある限り、彼らのヒーローとしての人生から解放されることはない…という悩みはアイアンマンにも共通する,ヒーローの悩みであり,宿命。 人々を守る守護者にはリスクがつき物なのだ。
 今回、明確な敵が初登場となる。 前回は身内の裏切りで、その暴走を阻止するのがアイアンマンの役目だった。 それを成し遂げた現在、安心も束の間、トニーの平和を誓う笑顔が消える。  その瞬間は、まさに盲点をつかれたのごとし。 その敵とは亡き父の無念を晴らすべく立ち上がった敵。 そして彼はメカニックの天才とくる。 しかも、アイアンマンと同じ動力源により、戦いを挑んでくるというあまりにも不意をついた攻撃手段(もちろん、彼の父親がトニーの父親とのつながりが関係するのだg)。 アイアンマン一人では、かなり手ごわい相手。 何故なら、アイアンマンの攻撃には弱点があるからである。 手のひらから発車する光線は時間を要するため,ウィップラッシュの攻撃には中々追いつかないのだから。 とは言っても、逆のことも言える。 それは両者の攻撃パターンの違いにある。 ウィップラッシュの攻撃手段はムチ…つまり、武器によるカタチある戦闘手段。 それに対し、アイアンマンは拳はさることながらだが、光線という形の定まらない攻撃手段。 この戦いは戦闘能力とか,機能の良さというより,意外に頭脳戦なのである。 一見して、力比べに見えるが実は違うのである。  
 面白いと思ったのが、トニーの腐れ縁的な親友ローディがマーク2こと,“アイアンマン・スーツ”を身にまとった後のくだり。 (きっと「1」を見ればわかることなのかもしれないが)、アイアンマンの開発であるトニー以外の人間がこのアーマーを簡単に着こなせてしまう、あまりにも簡単に。 そして、暴走したアイアンマン姿のトニーを止めるためにローディはこの行動に走り,色の違いを除き,同じ姿をしたヒーロー(アイアンマン)がケンカするというドハデな戦いはなんだ見ていて楽しい。 その後に、ローディがハマーにマーク2を預けたあたり,なんだか裏切られたのかな?と思いきや、しまいには相棒として一緒に戦うというバディ型におさまるのがちょっと意外。 思いっきり、日本の庭園をイメージさせる背景で背中合わせで、二人でウィップラッシュと戦うという。 その光景が見たことのない絵図であり,こんなバトルステージもありだな、なんて思ったりした。  “二人のアイアンマン、ただいま参上!”という感じ。
 実際、原作ではローディがアイアンマンの代理をつとめていたというこれも珍しすぎるエピソードがあるという…驚き。 親友だからこその展開だろうけど、あっさりそんな人に任せていいのか?なんて思ったり。 思いついたら、迷わずに直ぐ実行というトニーの潔い性格を物語っている。 社長の椅子より研究が大事と言って、秘書に,これまたあっさり,譲ると言う…なんとも大胆。 
 何故簡単にアーマーを他人に預けたのか。 それは口では言わないけれど、ローディの助けを必要としていた…という、トニーの心の奥の本音がそこにあったからなのではないか。 唯一、頼もしく,信頼の置けるローディだからこそ,信頼したのだろう。 どんなに酔っていても,ほんのわずか本音という自我が残っているのだと思った。  そしてそこで、気になるのが壁に並べられた“アイアンマン・ヒストリー”。 トニーのナルシズムな部分から来るものだろうけど、過去のアイアンマンたちが飾られている。 自分の成果を常に目で見えるようにしておきたいということなのかもしれないけれど、ファンからしたら嬉しいところ。 あまり長くは映っていないけれど、このアーマーにはあんなエピソード…と「1」から見ていたら振り替えることができる。 しかも、過去に活躍した跡がちゃんとそのまま残されているという☆  デザインなどはほとんど変えずに,どんどんパワーアップしていくのがまた良い。 前作では“誕生”ということで、試行錯誤が重ねられアイアンマンのスーツは形を変えていくけれど、前作と今回とは外から見る感じでは同じ。 また,ライブ中継のように,アイアンマンである間もその中にいる者の感情も見れるのも前回から引き続きあって、良いと思う。 
 とても印象に残るのが、アイアンマンの動き。 とても滑らかに柔軟に動くのだ。 その動きはヒーローのらしいものだけでなく,コメディアン・チックなのもあっていい。 戦うときに関しては、磁石がひきよせられるときのように速く動くところや、やっぱり“鉄の音”が響くときが忘れられない。 だから、空からかっこよく着地するところなんて最高。 この着地だが、二種類あって もう一つの方がなんとなくお茶目というか可愛い。 空を飛ぶメカとしては自然なことと言えばそうだが。 
 登場時間が少ないながらも、確かな存在感を残すのがニック・フューリー。 平和を守るというアイアンマンとの共通点以外、謎だらけの男。 ニックはあらゆるヒーローたちを見守ってきた,守護者的な存在であり ある組織の一員。 いわばトニーからすれば,スカウトマン的な位置。  組織の存在が明らかになったあたり、マーベルコミックらしさ?のようなものが感じられるようになることがとても嬉しい。 スパイダーマンなどとは違い主人公自身に特別な力を持っているわけではないという設定上、他のマーベル・ヒーローものとは一線を置いていた感じだった中で、まるで『X-MEN』の世界観を思い出されるような感覚になるからだ。
 アイアンマンだけでなく、見所はたくさんある。 やはり まず最初にモナコでのレース。 風景として楽しんだ後、ウィップラッシュとの初対面場面ほど強烈な印象に残る場面はあまりない。 敵の力が初めてお披露目する場面だからである。 そして、この印象深い後に 軽量化され,スーツケースから足でのワンプッシュで瞬く間にトニーがアイアンマンに変身という見所まである(この場面は 突然の強敵の出現によって驚いてることもあるのだろうけど、その時のトニーの表情はスターク・エキスポに登場したあのナルシストとは思えない、素そのもの。ヒーローの顔とも言える)。 ある種のアートが仕上がるがごとく、細々と,徐々にアイアンマンになっていくのがイイ。  
 そして! 忘れてはならないのが ブラック・ウィドーなる組織の一員である,ナタリーのバトルシークエンス。 身体能力という武器だけで男たち相手に戦い、倒してくのがなんともカッコいい。 どのショット,ひとつ挙げてもキマっていて,ここだけが異空間。 女性版イーサン(『M:I』シリーズ)な風格だ。 女性ならではの美しさとキレの良さが活かされたアクションである。  まだまだ謎の多い,ブラック・ウィドー…続編があればいいのにと私は思う。
 ヒーローアクションはいかに迫力ある映像見させるか…というのが、印象深い。しかし、この作品では トニーのヒーローとしての苦しみなど、人間味もある。 その他にも作品を探ってみることできっと何か見えてくるはず。 つまり、見た目ではわからない何かがあるということ。 表面で見がちだがじっくり人物の動きを見てみるよう努めたいところ。 それこそが“映画を見る”ということだと思うから。 

 そして…
エンドロールが終わるまで席は立たない
ことをオススメする。 特に原作からのファンなら。 そうでなくても、なんだかワクワクすることだろう。 意味深の締めくくり。  そして、意外なところに意外なキャラクターが出る予兆だという…なんとまぁ、期待させてくれること!!
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by jd69sparrow | 2010-06-11 22:08 | 映画タイトル あ行