ちょんまげぷりん

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<あらすじ>
 ひろ子はシングルマザー。 まだ幼い息子・友也との二人暮しである。 ひろ子はOLとして働きながら友也の送り迎いをこなしたり、家事をこなしたりと忙しい毎日を送っていた。 そんないつもの朝、立ち止まる友也の指差した先には…なんとスーパーの前でたたずむ侍の格好をした男だった。 会社が終わり、自宅へ着く頃、友也とカクレンボをしていたその時、ちょんまげ姿の男の頭が見えた。 男は道に迷ったふうだった。不審に思いながらも男をうちをあげるひろ子だった。 男は自分を侍であるといい、木島安兵衛と名乗った。 空腹の安兵衛を救い,別れをつげた。 数日後、ひろ子は勤務中に友也が事故にあったという知らせが届き、幼稚園へと向かうのだった。 するとまた、そこで安兵衛と再会。 友也を救ったのが安兵衛だったのである。 ひろ子がお礼を言ってまもなく倒れる安兵衛は倒れ、行く当てのない安兵衛はしばらく、ひろ子たちの家で居候することに。
 ある日、熱を出し寝込んだ友也。 安兵衛はプリンを作って食べさせると,その味は友也を元気にした。 奥向きの仕事…忙しいひろ子に代わり、家事をこなすようになった安兵衛は菓子作りの腕を磨いていく。 何日か過ぎ、ホームパーティを開いたひろ子達。 そこで用意されたのは安兵衛の菓子の数々でそれをきっかけにパティシエの才能を開花させるのであった…

<感想>
 とにかく友也が可愛い。 まるで漫画のように大粒の涙を浮かべる場面がある。 その一つが前半の場面である。 その理由が子供らしくて可愛かったというのがまず一つだった。 その後場面では、そんな泣いてたのが嘘みたいに歩ケモンカードを安兵衛にスパルタに教える姿も可愛い。 居眠りしてこっくりこっくりする場面もいくつかある。 安兵衛のために絵を描いているとき、ケーキを作るとき。 ケーキのコンテストで失敗をしてしまうあのシーンもかなり。 全体を通して可愛いのである。 泣き虫だけど、しっかり者で母親思いなところもあって、どこをとっても愛らしい。
 安兵衛は寡黙な武士。 なんだかいつも無表情のように見える。 だけど、その魅力は素晴らしい。 常に真顔なイメージが多いけれど、ふとした瞬間笑顔になるのが良かった。 電気をつけたときのようにパッと光輝いている感じ。 いきなり180年ものタイムスリップを経て、江戸から平成へと来た安兵衛の現代の文明との出会いというか、文明を目にしたときの反応一つ一つがリアルだけど、滑稽にも見えて面白い。 決めるときは武士らしくキメるし、侍としてのパワーを思わぬところで発揮したり… ボケではないけど、場面的にそう見えるところが多々あり☆ 真っ直ぐ前を見据えて歩いてたかと思うと、表情一つ変えずに倒れこんだり、河童のような髪型を披露したときもまた、ヌボっとした感じで、なのに服装はパジャマ…というv  
 安兵衛の人柄は、現代人の多くが失ってしまったものがある。 それは映画の随所で見受けられるのだが、印象深いところが二つある。 一つは、ランチでの場面。 オモチャを手にして、母親の言葉を聞かずに遊び,動き回る友也。 ここに現代の教育問題がある。 そこをついているのが凄いと思うし、思わぬことだった。 現代の幼い子を持つ親たちに多いのが、子供を叱れないということ。 ひろ子が言うその理由もまだ、その問題をリアルに物語っている。 何故親が子を叱れないのか…面倒だからということだ。 全ての親たちとまではいかないまでも、小さい子供づれの親たちが、自分たちの話に夢中になって,子供を野放しにしている光景はよく見かける。 中にはまわりに対する迷惑に気付かない親もいる。 安兵衛のその場が一旦時が止まったかのように静まり返るほどの一喝は迫力があった。 迫力出しすぎるだろと思う一方、それは安兵衛が友也に真剣に向き合っている証拠だった。 世の中にはどれだけ、子供に真剣に向き合い叱れる親がいるだろう… 泣き止まない友也に叱る安兵衛の姿は、゛父親”そのものである。 
 ケーキコンテストの場面も忘れられない。 最初は乗り気ではない安兵衛を、ひろ子がうまいことのせてしまうところがまず、面白い。 ゛優勝すれば、江戸が東京に勝つ”。  そこに簡単にのってしまうあたり,負けず嫌いな武士らしいところなのかなと思った。 ケーキの城といえば、個人的にメルヘンチックなものを想像するのだが、ここは江戸に生きる侍らしく…江戸城のケーキを作る安兵衛。 当然といえば当然だけど、驚いた。 ケーキでここまで成功に作れるということが素晴らしかった。 手がかなり凝っており,場内まで作られており、ケーキには物語があったりと 非情に食べるのがもったいない。 友也の失敗を経て、江戸城をめぐる゛冬の陣”の戦に見せたであろう江戸城の姿が生まれ、凄い。 武士だから、あくまで武士でと貫き通すと思いきや、意外にもパティシエの道を選ぶ安兵衛にもまた,驚いた。 シェフのユニフォームにちょんまげというのが、相反しているようで見ていると馴染んでくるのが不思議だった。 友也を“一人の男として見て欲しい”と地震なさそうにうつむく友也へ配慮した,司会者に言った言葉も重みがあって感動した。 そして最後に、二刀流で降らせる“江戸城に降り積もる雪”のホワイトチョコの盛り付け場面も見ごたえあった。 ドラマがぎゅっと凝縮された場面である。
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by jd69sparrow | 2010-08-31 08:00 | 映画タイトル た行