Limit of Love 海猿

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<あらすじ>
 海上保安庁・潜水士,仙崎は環奈との結婚が間近に控えていた。 しかし、今日も出動命令が下るのだった。 それは、フェリー,くろーばー号の事故である。 それはフェリーが他の小さな船に衝突するという事故で600人もの乗客を乗せた大型船への救出活動だった。 そこには環奈の姿もあったが、彼女の安否を心配する一方で、妊婦や負傷した男性を助けることへ全力を向ける。 バディである吉岡と二人、沈みつつあるフェリーの中で四人が取り残される。 右を見ても左を見ても海から上がってきた海水で浸水し 八方塞。 爆発も起こり、他の仲間達は助けたくとも中々近寄れない無念の状況下に…
 リスクを背負いながらも、海水に囲まれ 絶体絶命の状況から脱するため、大輔と吉岡はトラブルに巻き込まれながられても 取り残された四人全員が助かる方法を考えるのである。

<感想>
 シリーズを通し、主人公たちは成長をしていく。 それは潜水士を目指すところから始まる。 最初から潜水士ではないところがまず良いなぁと思った。 三作まで続いた『海猿』。 ほぼシリーズ初めてで見たのが『ラストメッセージ』。 それを逆回しで見ると言うのも不思議なもの。 特に主人公の成長物語という点で。 『ラストメッセー』で仙崎は海保六年目。 父親にもなり立派で頼りがいのある先輩になっているけれど、二作目である『リミット・オブ・ラブ』はまだあどけなさみたいなものがあり、逆戻しで見ることが意外にも新鮮。 自分の任務を遂行しようという気持ちがあっても中々、最善をつくせず 迷いが目立つ。 3から見ると「こんなとき」もあったんだと意外だったらいするけれど 仙崎という人物は“人命救助への熱き思い”は変わらない。そこがいい。常に成長するけれど、変わらず持っているものがあるということが。
 まだ、仙崎の後輩に当たる吉岡も3のときほどたくましくはなく、互いの信頼はあるものの,「阿吽の呼吸」も完成されていない。 だから、このときの二人はまだエモーショナルな感じが強い。そこには人間らしい恐怖や焦りがあって共感を覚える。 
 絶体絶命の時。 負傷者はつきもの。 負傷者ではなくても なんらかの大変な状況にある人がいるもの。 彼らを救うのは自分しかいない。 そんなときの心境がとても生々しいものがあると言うか、リアルに描かれている。 まるで観る自分が主人公と一体になったかのようにその緊迫感が伝わってくる。 あくまで推測だが初めて危機的状況に置かれ,その責任が自ら(仙崎)にふりかかってきたのではないかと思う。 判断するのは自分であり、目の前で救いを求める人をどうするかも自分の手にかかってくる。 しかし、どんどん追い込まれていく仙崎はたくましい。 そこが凄い。 つまりは、追い込まれるほど責任感が強くなり,たくましくなっていったといことになる。 もし、自分だったらと考えるとここまでの精神力は到底かなわないと思ってしまう。 逃げ出したくなり、それこそ3の服部みたいに恐怖で腰が抜けてしまうだろう。 だから、炎が絶ちこめる道から、要救助者のもとへ帰ってきた仙崎は本当に尊敬できる。というか、どれだけ勇ましく、かっこよく見えたことか。 決して逃げ出さない心の強さは凄い。 
 緊迫感…どんどん逃げ場がふさがってゆき、負傷者も出てくる…。そんな状況にはあいたくはないけれど、なんだがこの緊迫感がこの映画の醍醐味というか、観る側を最も惹きつけるところである。 どう抜け出すのか…。 危機から脱した時の安心感はぐっとくるというか、心の不安から解放されるがごとしである。 すっきり。 肩の力が一気に抜けて…というか、肩にあった重い石が取り払われたかのよう。 
 環奈との恋に注目したいところだったが、どうしてもこの『海猿』ならではの場面ばかりに目がいってしまう。3Dではないけれど、大迫力であり,水がどっと押し寄せてくるところでさえ楽しさに似たもの(スリル?)があり、とても楽しめる作品だ。
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by jd69sparrow | 2010-09-29 23:36 | 映画タイトル あ行