南極料理人。

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<あらすじ>
 日本から遙か遠くにある、南極にあるドーム基地。 そこに男たちが派遣された。 西村もその一人。 西村は隊員たちのために料理を振舞う,料理担当だ。 その他にも担任たちにはそれぞれ、役割や肩書きがある。寄せ集めのような集団だ。 “タイチョー”と呼ばれる人はいるが、明確なリーダーはいない。
 西村は毎日、8人の料理をひたすら作る。  その日々の料理の中で新たな発見をすること、料理を食べるものたちの表情を見ることに喜びを感じ、遠く離れた場所にいる家族三人を思う心を支えに、笑いあり,苦難ありの南極生活に挑む。

<感想>
 映画というのは冒頭と結末は見逃すべきではないのだが、この作品に関しては例外といえるだろう。 物語に大きな展開と言うものは存在せず、坦々と時間が経過していく。 私たちは何の変哲もない,大人の男8人の無邪気さを眺めている感覚だ。 しかし、そのなんでもないよう「時の流れ」に面白さを感じたりもする。 退屈に思う人もいるかもしれないが、こういう ゆっくりとした時の流れをただ見つめているような作品も中々面白かったりする。
 私は最初、この雰囲気を見て、映画『ウォーターボーイズ』を思い浮かべた。 静けさの中に笑いあり…という空気に共通する何かを感じたからだ。 実際は、ただ雰囲気が似ている…というだけの話に過ぎないのだが。 でもなんで、こう釘付けになって観れるのだろうか。
 ばい菌のないこの地では 手を洗う必要がない。 っていうのはどんな感覚なのだろう。 そして、動物すらいない。 だから彼らがインタビューで「そこ(南極)には何がいるんですか?」という中継でつながれた子供の質問に「僕たちがいます」というのは ごく普通のコメントなのだが、結構面白い。 質問する男の子はどこか拍子抜けした気分を味わっているようで 明らかにやる気がなく、ただ選ばれたから聞いているに過ぎないという感じなのだが面白い。
 父親は娘の抜けた1本の歯をお守り袋に入れるほど大事にするくらい、いとおしく思っているのに肝心の娘は父親にたいして しらけている部分があるので,面白い。 ちょうどそういう,素直になりにくい年頃と言えばそれまでなのだが。 しかし、娘・ゆか が父親にバレないように 南極から遠く遠く離れた場所にある,博物館的な場所で父親に電話回線で質問する場面はとても温かい。  そこに娘が父親を好きだという気持ちがとてもよく伝わるものがあるのだ。
 記憶がさだかではないのだが、ベーキングパウダーを使って、ラーメンを作るところも忘れ難い。 実際にそれは可能なのか? と、思いながらも ラーメン好きのタイチョーが感動するくらい、それは本当に“ラーメン”なのだろう。 
 このタイチョーは素朴なキャラで愛すべきキャラクター。 なんだか『ぼのぼの』の主人公の如く、なんだかほのぼのとしていて面白いのだが、不思議と貫禄がある。 隊員のケンカをなだめる一こまにそれを実感した。 そして、ラーメンをこよなく愛する彼は、おあずげがしばらく続いた後、ラーメンをやっと食べれた時 とても感動しており、それが愛らしいのである。 オーロラほうっておいて、ラーメンかよ!!って笑いをふくませながら、ツッコミたくなる。
 中々面白い作品だと思う。
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by jd69sparrow | 2010-12-13 00:28 | 映画タイトル た行