ブルーマン・グループ

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<内容>
 三人のブルーマンが「人とのつながり」やこの「人間社会の仕組み」に関してなどのテーマを彼ら独自の視点で掘り下げて、様々なスタイルで表現・体現するエンタテインメント。 コメディタッチやブルーマン・オリジナルの音楽にのせて…。 観客参加型のパフォーマンスありの最高な笑いと幸せに満ちた100分は、決して退屈させない。 終始言葉なくして、その見えない言葉をカタチで表現されてゆく。 東京・六本木の「ブルーマンシアター」でしか味わえないパフォーマンスあり。 

<感想>
 アメリカのディズニーリゾートでも公演が決定している,ノリに乗ったパフォーマンス集団。 観るなら今だ。
「つながり」を一つのテーマにしている彼ら。 これは彼らと“共に”楽しむ方がよりいっそう楽しめるというものだ。 しかし、それは運次第。 彼らの気まぐれと私たちの運とが重ならなければならない。 しかし、そのチャンスに望む手段はある。 白い鉢巻。 「どうぞ、いじってください」のサイン。 新手のアキバ系アイドルファンではありません。 意味が最初、私はわからなかったゆえに次回の機会に恵まれたなら,考えなければと思うのである。 「巻き込まれる」ことが最高に“おいしい”。
 時に何の意味も もたらさないこともある。 例えばオープニング、ブルーマン登場前のわずかの時間。 電光掲示板にご注目。 彼らが持つ遊び心がここにもあるのだ。 観客席から声が。 それはブルーマンたちを呼ぶための呪文のようにも思える。 観に行く日がもし自分の誕生日だったらなら、ちゃんとアピールすれば、それも良き思い出となる。 見ず知らずの人たちからの拍手・言葉による祝福をあびよう。 言葉や拍手は時として、モノよりも嬉しい。 かつて,個人的な話だが,そういう経験があったが、プレゼントを用意されるより、嬉しかった。
 ボケとツッコミ。 三人の中でその境界線はない。 言葉は話さないゆえに「なんでやねん」とか言わないけれど、一人ボケて、二人が顔の表情でツッコミを入れるという感じに私には見えた。 時に顔を覗き込むなどということもあった。 誰がボケるかというのは特に決まってないようだが、リーダー的な存在はいて、他の二人が交互でボケる印象を持った(記憶が確かなら)。 しかし、三人のポジションは常に変わる。 三人がボケと言っても過言ではない。 強いて言うなら上記の通りなのである。
 印象深い場面はどこ? …と聞かれると正直困る。 それくらい、最初から最後までインパクトが強いからだ。 個人的に好きなのはロック調の場面だが。 ステージ上方に吊るされるように,バンドメンバー専用のボックスが二つ。 そこが稼動する時はだいたいロックテイストなので、そこが好きなのである。 とは言え、しっとりしたところもやはり凄い。 ずっとロックテイストな音楽が続くのもいいかもしれない、だが やはり 合間に生き抜きは必要不可欠。 だからしっとりしたところを含めて、印象に残りやすいだろう。
 どの場面が好き? …と聞かれたら答えることは出来る。 登場場面、冒頭と最後のドラムから,水しぶきならぬペイントしぶきが出る場面、ガム?キャッチ&アート(キャンバスに口から吹きかける絵)、ステージ上にあるものを使ってのパーカッション、パイプで出来た複雑なつくりのドラム?を背負っての演奏、記者会見?…などなど。 一見不気味なようだけれど、個人的には不気味には思えなかった。 常に愛らしさや可愛らしさがあるからだ。 彼らは見るもの全てが初めて見るもののように、反応する。 それこそがこのエンタテインメントを面白くする鍵と言ってもいいもしれない。 もちろん、そう感じ取れる場面ばかりではないのだが、時としてその両方が一度に起こる場合もある。 彼らが持ち出してきたものを使って起こる,物理的な反応に自分たちで驚く場面だ。 彼らは予測不可能だ。
 魅せるということ、伝えるというっこと、そして楽しませるということに長けている。 ステージはパフォーマンスの舞台であり,また、テレビ画面のようでもあった。 それに…ステージ全体が一つのキャンバスやアートにも見えるのである。 文字が羅列されても、顔文字が羅列されても。 まるでそれは水の流れのよう。 人と人とをつなげるものは? ということに関する答えがこういうカタチでも現れるとは、と思った。 赤の他人同士をつなげるのは「下水管」というのには驚きだった。 それを理論的に説明されるなど、斬新な気がする。
 緩さを感じた,以前までのイメージ。 日本でもテレビ出演があり,そこでの印象がそう見えたのだ。 まさに“いたずらっ子”という印象。 これはあくまで個人的な印象。 見るモノ,それぞれに「初めて触れる」ふうに反応するというのは、彼らにとって どういうものなのだろうか。 どんな気持ちで演じているのだろうか。 もちろん、中には本当に初めて触れるものあるだろう。 しかし、とても芯があり、信念を持っているのがわかった。
そうでなくては、そもそも あれほどのパフォーマンスはできないと思うけれど。 素顔の彼らは真剣そのもの。 真面目さと遊び心をバランス良く持ち合わせているのだろう。 しかし、素性をもっと知りたいという欲求があるけれど、彼ら自身が公開している以上のことは謎のままにする方がいい。 やっぱり全てを明かすよりも謎の部分があった方が魅力的だから。
 観る側を終始、驚かせ,笑わせる。 最高のパフォーマー界のテクニシャン。 自分たちで新しく楽器を作ってしまうのが凄い。 楽器と一般的に呼ばれるもの以外の日常にあるものを工夫すれば、なんでも楽器になりうると思えた。 表情は驚きや疑問の二つはなんとなく,あるけれど平静を通し、“ほとんど”無表情。 顔は無表情だけど、カラダはコミカルに動く。 それがまた面白い。
 選ばれても、選ばれなくても彼のパフォーマンスに参加することが出来る。 アクションとフィーリング。手で触れること,つまりフィーリングが出来れば,思い出が大きくなる。 彼らが築き上げるアートは変わっていて、なおかつ高度。 簡単に見えるけれど、難易度が高い。 アートの面で動を実行しながら、静を同時進行するというのが達人技。 アクションしながらのアートは凄い。
 彼らのドラム裁きは とても魂に響く。 後半で特にそう思った。 はじめから高速なドラム裁きに目を奪われていたけれど、後半戦でさらにスケールアップ。 バンドも忘れてはならない。 もしパフォーマンスと演奏を同時に見ることが出来たなら…と思うのである。 衣装の一部が蛍光色なゆえに、不気味なパペットが動いているように見えた。 しかし、しだいにそれがツボに思えてくる。 『ホネホネ・ロック』みたいだ。 凄くノリがよく彼らもまた楽しんでいるのがわかる。
 彼らのパフォーマンスはリピートしたくなる程の素晴らしさ。 サービス精神旺盛で、期待を裏切らない。 最後の締めが三人揃っての,あの,象徴的なアクションだということが,それだ。 意味のあることばかりが人生じゃないぜ、意味のないことの中にも人間が必要なツボがあるんだよって…そう言っているように思えた。

※満足度:★★★★★(MAX)
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by jd69sparrow | 2010-12-31 23:38 | ドラマ・その他