ヘラクレス

2011年4月21日(木)

d0058606_23481214.jpg
<あらすじ>
 ギリシャ神話の時代。 全能の神ゼウスに待望の子・ヘラクレスが誕生する。 しかし、神の子の誕生とゼウスが王である世界を快く思わないハデスはゼウスの統一する世界を支配するべく、ヘラクレスの命を奪うことを試みる。 子分のペインとパニックにその役を命じるが、失敗。 しかし、一命をとりとめたものの,ヘラクレスは不死身ではなくなり,人並みはずれたパワーだけが彼に残ったのだった。 そして、人間の世界で暮らすこととなる。 
 人の手で育てられたヘラクレスは少年へと成長し、自分が何者かであることを知る。 自分が神の子であるということを…。 人間の世界では孤独な彼は,自分の生まれたオリンポスに帰るためにゼウスから,「地上で本当のヒーローになる」という課題を与えられるのだった。 
 18年間。 それは、ハデスにとって待ちに待った時間だった。 しかし、ヘラクレスがまだ生きていることを知り、人間のメグを利用したり,ヒドラなどの悪の化身を使い、ヘラクレスの命を狙い,ヘラクレスは“本当の”ヒーローとなるべく,フィルやペガサスの力を借りて、ギリシャの民を救うべく,ハデスが繰り出すモンスターと戦うのだった。

<感想>※ネタバレ注意!※
 ディズニー・アニメーションは、作品のイメージによって絵のタッチ・テイストが変わる。 『リトル・マーメイド』、『アラジン』、『美女と野獣』などの作品が個人的にディズニーのイメージと思っていた。 おそらくは基本はそこにあるのかもしれない。 けれど、『ムーラン』や『ポカホンタス』など違ったテイストのものも少なくない。あるいは、ひとつの作品の中に基本ベースと違うテイストとが同時に存在することもある。 『ヘラクレス』は、ディズニー・アニメーションの作風は感じさせるものの,他の作品とはまた違う。 新たに誕生したディズニーアニメーションという感じ。 公開されたのは10年以上前の97年だけれど、こうして過去の作品を振り返ってみると、ディズニー作品には多種多様なタッチの映画が存在するのだということに気づかされる。 壁画に描かれるような絵にディズニーの風味を加えたという感じなのが『ヘラクレス』である。
 ピクサー作品でよく、過去の作品のキャラクターが隠されているというオマージュがあるけれど、通常のアニメーション作品にも“それ”があるのは知らなかった。 わずか数秒の場面だけど、忘れられない。 『ライオンキング』の悪役スカーの毛皮を頭にかぶったヘラクレスを観た時は驚いた。 しかも、ファッションとして意外とヘラクレスに しっくり合っているのが面白かった。 床に落ちた毛皮は スカーが本当に横たわっているかのようだった。 
 『ライオンキング』はディズニー映画の中でも名作中の名作だと私は思う。 そして名作の要素や魅力は後の作品にいろんな形で引き継がれるのだと思う。 “似通ってしまう”というだけかもしれないが。 人物的に言えば、ゼウスがムファサ、ヘラクレスがシンバ、ハデスがスカー。 主人公、その父親、悪役と考えれば 考えずとも それは当てはめられるのだが、ゼウスと兄弟関係にあるとなると より近く感じる。 内容的に『ライオンキング』を思わせるとするならば、おおまかで見たときの物語の構成がまず言える。 物語は王の子の誕生から始まり、王とその子供をねたむ王の兄弟は、王の治める国をのっとるべく,その子供を罠にはめる。 子分たちは王の子の始末を命じられるもギリギリな所で失敗する。 そして、主人公の大人になるまでの肉体的と精神的の成長が描かれている点だ。  ここまで考えるとスカーの毛皮の登場にも納得できる。
 意外だと思ったのは『ヘラクレス』がコメディであることだ。 それと、ストーリーのノリがモダンであること、ヘラクレスのキャラクターもそうだ。
 『キングダム・ハーツ』(様々なディズニー・キャラクターが勢ぞろいのゲーム)の登場人物とし出てくるヘラクレスと比べると かなりかけ離れたキャラクターなのである。 オリジナルとなる映画版のヘラクレスは 凄く純粋で頭が良いとは言いがたい。 ちなみに『キングダム・ハーツ』では、主人公を助ける立場にあり、幼さなどない オリジナルとは正反対なキャラクターである。
 ギリシャ神話の世界を描いたアニメーションということで、もう少し硬い内容かと思いきや、そんなイメージを払拭した,ノリが良すぎるくらいで現代のヒーローものという感じの作風である。
 ディズニー映画『ヘラクレス』は、『ライオンキング』同様,主人公の誕生から大人になるまでの成長を描いた作品。 個人的にそういうストーリー展開の話が好きだ。 体だけでなく、心もたくましく成長していく過程は見所だ。 “真のヒーローになること”というのが『ヘラクレス』の最大のテーマで、それがイコール,(ヘラクレスが)神となるということ設定は魅力的なのである。
 個人的に、『Go Distance』という少年時代のヘラクレスが歌う歌も過去のディズニー作品の中で最もパワフルであり,主人公自身だけでなく観る側も元気付けられる素晴らしい楽曲だと思う。
 単純明快で明るく盛り上がる内容の『ヘラクレス』。 作中のギリシャの人々が巨大なモンスターたちに立ち向かうヘラクレスへ“奇跡”という“期待”を持ったように,観る側もそのギリシャの人々と同じ気持ちで観ることができるだろう。 半神半人である元々のヘラクレスに見合うような結末である。 ヘラクレスが神より人を選ぶことに感動した。
[PR]

by jd69sparrow | 2011-11-16 01:31 | 映画タイトル は行