パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉 -On Stranger Tides-

2011年5月21日(土)


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<あらすじ>
 “生命の泉”。それは、永遠の若さを手にする力が宿る場所である。 この存在を知った,スペイン、イギリス、そして海賊・黒ひげは,生命の泉へ行き着くべく,航海に出る。 しかし、生命の泉を知るはキャプテン・ジャック・スパロウただ一人。 ジャックはかつて愛した女海賊・アンジェリカの罠にはまり,黒ひげの船“アン女王の復讐号”に乗せられる。 予言者から、ある義足の男により,その身を滅ぼされる運命から逃れるため,黒ひげがジャックに生命の泉へ案内させるためだった。  イギリスの船には、英国へ寝返ったバルボッサと,ジャックの友・ギプスの姿が。 しかし、二人の目的は“生命の泉”ではなかった…。
 ジャック、バルボッサ、黒ひげのそれぞれの野望が交差し,死闘が繰り広げられ、さらに黒ひげに捕らわれた宣教師・フィリップと人魚シレーナの禁断の恋がある。 “幻影の航海”を経た彼らが行き着く先とは…?


<感想>※以下、ネタばれに注意!!
 『パイレーツ・オブ・カリビアン』の魅力は様々あるけれど、シリーズを通して揺るがないもの,変わらずにあり続けるものがあることが一つあげられるのではないかと思う。 ジャックは主人公であり,目立つ存在でありながらも 前へ前へと出るわけではない。 「彼を取り巻く人々に影響を与える存在」だと言われるように,常に物語へ「アクションを与えるのがキャプテン・ジャック・スパロウなのである。 物語を面白くする“刺激”とも言えるだろうか。 ジャックが成長するのではなく、ジャックの周りにいる人たちを彼が意図せず成長させるのだ。 ウィル、エリザベス、アンジェリカ、フィリップ…彼らは皆,仮面を脱ぎ捨て ワイルドに成長し,180度違う未知の世界へと旅立つのだ。
 さらにあげれば、ジャックの目的は常にブラック・パール号であり、愛よりも自由を好む。 さらにジャックとギプスとの絆の強さ。 永遠の命より、ブラック・パール号…永遠を求めるならば、自分の名が生き続けるということの方が大切。 ゆるキャラのようで実は、誇り高き海賊なのである。 最終的に船を選ぶことにやっぱりジャックはジャックなのだという安心感を覚える。
 シリーズを通して、ジャックたちに立ちはだかる驚異的な存在がいる。 第一作目は、生きる屍,第二・三作目では“深海の悪霊”…そして今回は「人魚」。ゾンビよりも,人魚だ。 ここで登場する人魚は獰猛で、まるで海の吸血鬼。 正確には、血を吸うのではなく 人を食らうのだから,美しい人食い鮫とも言えそうだけど 前者の方がしっくりくる。 美しく魅惑的だけど、実は死よりも恐ろしい存在、動くスピードも人の倍はあるだろう。 そして太陽の光が弱点ということなどの共通点がある。 しかし、不思議なのは 陸では魚の尾ひれが消えて,人間の脚に変わるということ。 さらに不思議なのは脚を使いこなせないことである。 考えてみたら、太陽の光に弱いという設定は、本作オリジナルなのだろうか。 空気がないと生きられないという点においても、半分人間であることから理屈としてはわかるけれど、想像したことがないだけに驚いた。 そう言われてみれば当然か、と。  
 四作目からでも、十分に楽しめる本作。 前三作を観ていると,さらに面白いはず。 ジャック、バルボッサ、ギプスの三人以外が全て新しいキャラクターとなり,ストーリーが一新された。 全く新しいジャックの航海が始まる。 黒ひげ、アンジェリカ、フィリップ、シレーナの四人が新たに登場。 今回の話で誰に焦点をおくかについては観る人の自由だ。 むしろ、観る人が選択できるのだと思う。 この誰もがスポットあたるに値するのだから。 
 過去のシリーズと違う点。 全く新しいストーリーというのは前述したとおり。 しかし、もう少しあげるのならば、ジャックの剣さばきに人を欺くことに秀でた…いわば、“女性版・ジャック”ことアンジェリカの存在や,ジャックの活躍が広がったこと(個人的に裁判長のコスプレをしての冒頭での登場、馬車でのアクション、両腕つかまれて、引きずられながら英国に出頭する場面のあたりが面白いと思う)。  とはいえ、コミカルな展開など、これまでの精神と持ち味が活かされているのがイイ。
 新しい冒険に出ても、原点に戻るところもこの映画の面白いところだ。 先も述べたようにジャックはやっぱりパール号を取り戻したいという目的のみで動いているということが まず一つ。 あともう一つはバルボッサだ。ジャックに影響されたのか、はたまた ジャックとは似たものどうしなのか…彼もまたジャックに負けぬ策略家ぶりを発揮している。 バルボッサの帽子がその頭に戻ってきた瞬間、『呪われた海賊』の結末で鼻歌まじりで舵をとるキャプテン・ジャック・スパロウの復活の瞬間を思わせるワクワク感を覚えた。 良い意味でバルボッサもやはりバルボッサだったわけで、期待を裏切らない。 将校として船に経っていても、その独特の話し方は海賊にしか思えない。 そんな姿を観て、バルボッサも『パイレーツ』の独特な世界観を作り出しているのだと実感する。 ジャックがストーリーのユーモアならば、バルボッサは海賊の恐ろしさや魅力などをかもし出している。 この悪友は『パイレーツ』シリーズには欠かせない。 
 片足が義足となったバルボッサ。 その姿を観ると『ワンピース』の“赤足”を連想してしまうのは私だけだろうか。 とはいっても、バルボッサのような腹黒いイメージは、“赤足”にはないが。 第一作目で一度は倒れた彼が、シリーズを通して登場するのは、腹黒い以上にユーモアや不思議と愛着のわくキャラクターだからかもしれない。 しつこいようだが、ジャックとの「からみ」が面白く,『パイレーツ』には必要不可欠なのだ。 やっぱり、海賊としてのバルボッサをファンとしては観たい。 だから、最後の場面は嬉しい。 主人公ではなく、彼が一番おいしい所,とどめを指すのもストーリー設定上前もって触れていても 意外というか面白い。 まさかまさか、(個人的に)ジャックが足を失うことになるのか?なんて とんでもない想像をしてしまっただけに。
 今回の話を観て、気になることは フィリップとシレーナがどうなったかということ。 いくつか憶測は出来るのだが 観る側の想像に任せる…というような感じ。 結局そうなったか…となるのか、それともハッピーエンドなのか。 そして、もう一つが ジャックとアンジェリカが再び顔を合わせる日が来るのかということ。 つまり、シリーズが続くのかだ。 もし可能なら、希望を持ちたい。
 最後に。 トルトゥーガ、バルボッサの“帰還”、アンジェリカが置き去りにされる,“あの”孤島(ここでのジャックの決断が彼らしく、面白い)などの場面を観て ちょっとテンションあがった。 前半に触れたように 『パイレーツ』シリーズの原点に戻ったからである。 
 ディズニーランドの『カリブの海賊』に、黒ひげやアンジェリカ、シレーナが登場したらいいのになぁ。 全然関係ないけど、ディズニーランドと言えば…今回の映画の“アン女王の復讐号”の帆に、気のせいか隠れミッキーがあったような…? 穴のカタチが。 DVDになったら確かめてみようと思う。 間違ってたらすみません…。
 

◆満足度◆

★★★★★ 星5つ

→何も考えずに楽しめます(^_^ ♪
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by jd69sparrow | 2011-12-10 17:40 | 映画タイトル は行