赤ずきん Red Riding Hood(2011)

2011年6月15日(水)

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<あらすじ>

 昔々。 純白に染められた山々の中に孤立するように,ある一つの村があった。 その村は常に危険と恐怖にさらされていた。 満月の夜だけに現れる,人狼である。 村人たちは 人狼による犠牲者を出さないよう,生贄を捧げるという協定を“彼”と結んでいた。 それにより平和が保たれているはずだった…。 しかし、村の少女・ヴァレリーが大人になる頃,人狼によって破られる。 
 ヴァレリーには親が決めた許婚・ヘンリーと、幼馴染のピーターとがいた。 ピーターに思いを寄せる彼女は家族を捨てる覚悟を決め,ピーターと駆け落ちをしようとしていたが…その矢先に悲劇が起き,さらには惨劇が始まる。 人狼退治のために呼ばれたのは、かつて人狼と戦ったソロモン牧師。 ソロモン牧師の口から告げられたのは、村人たちの中に人狼が混じっていることだった。
 人狼の真の狙いはヴァレリー。 彼女の愛する人たちの誰もが人狼の眼差しに見える。 果たして,“誰が人狼なのか?

<感想>
 グリム童話にある物語はファンタジーな世界ばかりだけれど、長い月日を経て,その発祥からカタチを変えてきていることから、もともとはダークな物語だったのではないかと思う。 しかし、そのダークな御伽噺というのは 実際映像としても文字の上でも見たことがなかった。 しかも、少女だった『赤ずきん』が大人になって…ということから、私たちの知らない『赤ずきん』が観れるという期待も大きかったのである。 もし一言で表すとするなら、ロマンティック・スリラーと言ったところだろうか。 もしくは、ミステリアス・ラブサスペンスとか。
 雪で覆われた銀世界に、赤。 なんて映えるのだろう。 自ら(人狼の)標的になりにいっているかのように
思える。 ここでは ヴァレリーのおばぁちゃんが孫娘の結婚祝いの前倒しとしてプレゼントしたという設定になっており、おばぁちゃんが怪しいと思ってしまった。 人々に広く知られている『赤ずきん』の物語の要素がところどころに 取り入られているゆえになお更。 物語を全く別にするのではなく、元になった物語に敬意をはらっているところが、見所の一つと言える。 まさかのパロディもある。
 オリジナルでは純粋な狼だったのに対し、この作品では“人狼”としたのは とても面白いと思った。 人狼が誰なのかを推理するミステリーチックな要素まであるのだから。 そんな危機迫る中でのヴァレリーを中心とした,三角関係。 ピーターとヘンリーという正反対の二人とヴァレリーとの恋。 『トワイライト~初恋~』シリーズの作り手がメガホンを取っているということを感じさせる,切なくもある,スウィートな恋がとても魅力的である。 ヴァンパイアと人狼、人間の少女を描いた『トワイライト』の魅力を媒体を変えて,綺麗に描かれている。
 謎の答えはあまりに意外だったけれど、説得力があった。 そして、ストーリー終盤まで謎だったことが一気に霧が晴れたかのようにスッキリする。 オリジナルどおりの展開かとも推測していたのだが…。
 オリジナルでは、狼はお婆さんに化けて そして赤ずきんとお婆さんを飲み込んでしまうという,リアルに考えるとグロテスクな展開がある。 今回の実写映画版では、オリジナルの背景あってか、赤ずきんのお婆さんがとても妖しい。 そして、ホラーのような雰囲気が漂っている。 ヴァレリーの緊迫感が伝わってくるかのようだ。
 辛く言えば、それほど 目新しいストーリー展開ではないけれど、斬新なアイディアもあるし、映画全体の描き方が綺麗。 今回は「大人になった赤ずきん」という設定だけど、グリム童話に実際ありそうな感じがする。 だから、グリム童話の実写版という感覚で見ることが出来、個人的には好きである。 御伽噺好きにはいいかもしれない。
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by jd69sparrow | 2011-12-24 00:52 | 映画タイトル あ行