ハリー・ポッターと死の秘宝 part2

2011年7月15日(金) 初日☆

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<概要>
 魔法界で最も恐れられる魔法使い・ヴォルデモート卿。 彼の死の魔法から唯一生き残った少年、ハリー・ポッターの物語。 ハリーはマグルと呼ばれる,非魔法族の家庭で育てれた。 ティーンになった頃、彼の元に魔法学校からの知らせが来た。 ハリーは魔法使いになる道を選び、彼の長い旅路が始まった。 ホグワーツへ入学したハリーを待ち受けていたのはかつて両親の命を奪った,ヴォルデモートとの戦い。 ヴォルデモートはあらゆる手段を使い、ハリーの命を狙うのである。 様々な出会いやヴォルデモートとの戦いを経て、ハリーと魔法学校で出来た親友・ロンとハーマイオニーはたくましく成長していく。 全てはヴォルデモートとの直接対決へと向かっていた。



<パート1までのあらすじ>
 ヴォルデモートが復活し、魔法界には暗雲が広がっていた。 ハリーたちはヴォルデモートを倒す手段として、いくつにも分散されたヴォルデモートの魂こと,“分霊箱”を追うことに。 そしてもう一つ、ヴォルデモートに対抗するためのものとして、ハリーの持つ“透明マント”を含む,死の秘宝が必要だった。 ヴォルデモートが死の秘宝の一つで最強の杖・ニワトコの杖を手にする前に阻止することと分霊箱を破壊することがハリーの使命であった。 ロンとハーマイオニーの二人と三人の冒険を描く。

<パート2のあらすじ>
 ニワトコの杖がヴォルデモートの手中におさめられ、頼りのダンブルドア校長もこの世にはいない。 そんな最悪な状況の中でもハリーたちは分霊箱・破壊の旅を着々と進めている。 ヴォルデモート率いる闇の魔法使いの勢力と、ハリーを中心とした,ホグワーツの生徒・教師、さらに“不死鳥の騎士団”(ハリーの護衛軍団と言うべきか)たちとの壮絶なる戦いの火蓋がきって落とされる。 全ての鍵を握るのがハリーとヴォルデモートとの闘いにある。 どちらかが滅び、どちらか一人が生き残る。 そして…ハリー誕生、ホグワーツ入学にヴォルデモートとの戦いの日まで,明らかになることのなかった真実が今、明かされる。


◆感想◆
 あっという間…。 シリーズ第一作目『賢者の石』の映画化から10年という月日が経った。 ハリーの魔法の力は10年を一瞬のように感じさせるほどのものである。 ハリーと共に子供から大人になるまでを生きたという人も少なくないはず。 つまりは、主演のダニエルと同世代の人たちは 特別に思えたことだろう。 全く同じ時間を生きたわけではないが私もその一人だ。  毎回、ハリー、ロン、ハーマイオニーは互いの長所で互いに助け合い,知恵を出し合いながら ヴォルデモート(ハリーの天敵)と,あるいは その使いたちと戦い,三人は大人の魔法使いに劣らぬ力をつけていくというのが特筆すべき,見所である。
 『ハリー・ポッター』の魅力はそれだけではない。 映画を観るたびにシリーズ一作目から原作を読みたい意欲をそそられるということがまず一つ。 子供たちを楽しませる話から、次第に大人向けの作品へと進化していくのも他に中々観れるものではないだろう。
 今回の『パート2』。 一言で言うなら 最高に面白く,完成度が高い。 ただ、注意すべきは前作までを観ずにいきなり観ないこと。 出来ることなら、原作か映画シリーズを先に読んで,観ることを薦めます。 前作までを劇場で観ていても、おさらいするべきかもしれない。  
 シリーズものというのは あとに行くにつれて質が落ちてしまう事もあるが、一切落ちることなく,むしろ後半戦になるとより楽しくなる。 決して明るい話ではないけれど 盛り上がるところは凄く盛り上がる。 原作が面白いから 映画もシリーズ通して 良いのだというのも事実だけど、『スター・ウォーズ』シリーズと肩を並べるくらい,映像・内容それぞれレベルが高い。 二つに共通するのはそれだけではない。 前作までの感想の中に書いてかもしれないが(原作の感想などで) 今回の『死の秘宝』のクライマックスは SWのを観ていると同じくらい観るのが辛い。 両作品の主人公ともにダークサイドの力におされるところも。 ただ、ハリーの場合は堕ちることはない。 
 『パート2』で注目すべき点は多々あるのだが、まず一つはハリー以外のキャラクターたちの活躍。 もちろん、ハリーも凄い。 主人公を支えるキャラクターの中で何人か例をあげると、ウィーズリー婦人、ネビル、マクゴナガル先生、アバーフォースがそうだ。 
 ウィーズリー婦人が魔法を使う場面と言えば、ハリーたちがロンの家を訪れた頃,家の食器をひとりでに動くようにしていたのが個人的には記憶に残っており,戦いのための魔法を使っているのを観るのはギャップがあるし、驚いた。 べラトリックス(ハリーの良き理解者の一人・シリウス・ブラックの家系の一人だが、ヴォルデモートを崇拝)との女のバトルは劣勢に思われたが…実は強いのである。 それが凄いと思った。 魔法バトルじたいもどの場面も 凄いけど、敵の最期の描き方が美しい。 それはこの女のバトルもハリーとヴォルデモートとの闘いにも言える。
 ネビル。 ホグワーツ入学から、一番成長が際立つのがネビルと言っても過言ではない。 人より失敗が多くて、スリザリンから馬鹿にされていた彼が,薬草学の才能が発掘された時も 良かったけれど 今回の活躍は主役級。 ネビルのたくましさに かつもくせよ!! という感じ。 ネビルが終盤で手にするモノに驚いたけれど、それは 彼にふさわしきもの。 それを手にして,使いこなすところが爽快。 ハリーの寮友には頼もしい存在が多いのだと思った。
 マクゴナガル先生の魔法は彼女が登場する全ての作品において凄いなぁと思うのだが、“最後の戦い”が今、始まる…というとき、陣頭に立って防御の魔法を使うところはカッコいい! ホグワーツの城にはこんな兵力があったのか!と思うし、その登場場面にも興奮。 特に描かれてはいないけど、彼女が次期・ホグワーツ校長となるであろうことが見えるシーンと言えるだろう。 「この魔法、使ってみたかったのよね♪」というチャーミングさが面白い。 このように、映画全体が暗めの中にもユーモラスの場面は少なくないのだ(ハリーとジニー(ロンの妹)の再会後、ジニーの言動に対する,ロンの一言がツッこまれる場面もその一つ)。
 アバーフォース。 アルバス・ダンブルドアの弟。 アルバスとは対照的な性格の持ち主で ぶっきらぼうのようだが、実は慕われる存在。 それは、グリフィンドール寮の仲間たちとハリーたちとの再会の直前に彼らがネビルにつげる一言からわかるだろう。 彼の活躍は、ハリーの良き理解者亡き後から既にあったのだ。 さらにクライマックスで敵勢力を一括するかのごとく,魔法をドカンと使うところは兄以上にかっこ良い…かもしれない。
 ハリーの仲間のみならず、ダークサイド側のキャラクターにも注目したい。 べラトリックスは邪悪さを体現した一人だが,その強さに魅了される人も少なくないはず。 ヴォルデモートすら魅力的…というか、敵が魅力的でなければ、面白くないのだ。 ニワトコの杖の威力を体現するヴォルデモートの魔法場面は見所の一つだし、カッコいいとも思う。 余談だが、ある程度の特殊メイクはされているだろうが、あのスキンヘッドが本物なところが凄い。 さらに。関係ないが、オフトークも動画サイトなどで是非ご覧いただきたい。 ハリー、ヴォルデモート、ドラコ・マルフォイを特に。
 シリーズを通しての変化に注目すべきキャラクターはネビルたちだけではない。 ドラコ・マルフォイもその一人。 ハリーのいるグリフィンドール寮と敵対するスリザリン寮でマグル嫌いのマルフォイは、シリーズ前半は意地悪な存在だったけれど、ヴォルデモート復活後は それまでと大きく変化している。 心の葛藤、苦悩が窺えるになり、その様子は まるで これはもう一人の主人公かのよう。 実際、そうと言えるかは観る人しだいだが。 決意を試される,終盤の“あの”瞬間も心から望んでいないのがよくわかる。 ハリーへの最後の意地悪もあるけれど、そのやりとりの行く末、絶体絶命の時,ハリーへ手を伸ばすとき,敵対心は一切ないように思えた。 マルフォイにあったのは純粋に救いを求める心だったと思う(ハリーがマルフォイを助ける優しさがヴォルデモートとの大きな違いな一つなんだなぁと思う)。卑怯に見えるかも知れないけれど、彼ら一家だけは ヴォルデモートに完全に屈服しておらず、家族が再びそろうところも,母が子を案ずる場面も温かみがあるし、マルフォイ母がハリーにとった行動は とてもダークサイドには見えなかった。
 防御の魔法をかける瞬間(ここらへんもSWの一場面を彷彿させる気がする)、ジョージとフレッド(ロンの兄で双子)やルーピン(ハリーの恩師で不死鳥の騎士団員、人狼)たちが戦いの覚悟や決意を見せるところから、この大掛かりな魔法バトルの興奮は始まっている。 それは期待を裏切らないと思う。
 ダークさ、ユーモア、スリルなどがある中で、もう一つ大事な今回の要素としては感動。 感動は意外な人物から発生される。 既に原作を読んで感動していたのだが、やはり映画でもその感動は変わらない。 スネイプがダンブルドア校長に誓った,忠誠と役目…それに 衝撃的でハリーの恨みをかう,シリーズ終盤の“あの”場面の真実も感動ポイントに入るであろう。 そして奇しくも,ここでスネイプのイメージはがらっと良きものに変わり,それは シリウスがハリーの名付け親でジェームズ(ハリーの父)の親友だとわかったときほど,ハリーにとって大きいことだった、それが本当に感動したのである。 涙が出なかったのが悔しい。 そしてそれがカタチとなったのが ハリーの子供の名前が明らかにされる場面。 二人の恩人の名前がそこにあり、彼らがその息子の中で生きていることがわかる。
 そして。 一番の魅力はやはり、ハリーとヴォルデモートの最終対決場面。 (それはハリーに隠された衝撃的な真実から始まる)。 ハリーがヴォルデモートの魔力に匹敵するというのが まず凄い。 長いようであっという間に決着がつく…という感じ。 その激しいバトルの中で休息場面を入れるところを含め、完成度の高さがこの一場面で表現されている。 一筋縄ではいかない二人の闘い。 決着がつく瞬間は実に鮮やか(そこにネビルが一躍かっているのも凄い)。 そしてその直後の のどかさ は最初で最後の特別な瞬間。 
 『パート2』はハリーたちの成長の集大成。 ここまで強くなったんだよというのもあうし、もう一つ重要なのが、ヴォルデモートとの“違い”を表す物語であるということ。 言い換えれば、ヴォルデモートと同じ力を,一部を持ちながらも“ここが違う!”ということを証明した話。 シリーズが完結してしまうのは とても寂しい。 今回の話は特に 二度観ても楽しいと思う。 繰り返すようだが、ここまで観終わってから、もう一度 映画もしくは原作をシリーズで復習するのもいいかもしれない。


◎満足度◎
★★★★★(満点)…100%以上
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by jd69sparrow | 2011-12-29 21:29 | 映画タイトル は行