コクリコ坂から

2011年7月16日(土) 初日。

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<あらすじ>
 1963年。 まだパソコンも携帯もなかった時代の神奈川が舞台。 海はおばあちゃんの持つ,アパートでおばあちゃんや妹、弟、それにアパートの住人たちと共同生活をし,毎日彼らの食事を作ることと庭に旗を揚げるが日課だった(それは船乗りだった父を思っての幼い頃からの習慣だった)。ある日、海は通う高校で運命的な出会いを果たす。 俊。 海の旗のことを学校新聞に詩で綴った,文藝部の三年生で部長である。
 カルチェラタン。 それは男子の部活動が集う古き建物。 カルチェラタンは、多くの生徒たちから愛される場所だが、今 取り壊されようとしていた。 その危機的状況から、カルチェラタンを守るべく、俊たち男子たちは毎日討論会を開いていた。 海のある提案で、カルチェラタンを守る計画は本格的に始動する。 そんな中、海と俊の間には特別な思いが芽生えるが 二人の出生の真実が二人に衝撃をあたえる。 

<感想>
 ファンタジー要素の一切ないジブリ作品は久しくない。 1960年代のティーンたちの日常と青春を描いた心温まる,また ちょっと ほのぼのした物語。 ファンタジーがない分,温かみのあるこの時代をふんだんに表現されているのだ。 ストーリー自体は特別ではないけれど、その特別ではないところが逆に魅力なのだと思う。 
 海と俊、そしてカルチェラタンが主役のこの物語。 主に焦点を当てたいのが…海たちの青春と言いたいところだが、個人的にはカルチェラタンである。 現実で考えたら 入りにくそうだけど 埃まみれな建物でも魅力的に描くのがジブリ・マジックと言えよう。 木の温もりがあって,その息遣いも感じられる カルチェラタンには男子高校生たちの夢と希望が宿っている。 部活動が集う場所だけど、そこにいる生徒たちは まるでこの場所の住人だ。 住人たちは皆、生き生きしている。 そこに住まう人たちが 生き生きしているとその建物も魅力的になる。 そう思った。
 「新しいものばかりに飛びついて 歴史を顧みない君たちに未来などあるか!!」という劇中の俊の言葉はとても印象的であり、心をぐっとつかまれた気分になる。 新しい時代が到来しようとしているこの時代も、今も変わらないものがある。 それは京の町を近代化してしまった事実を連想させられた。 それに、古い建物を壊し,次々と新しい建物を作る現代人の傾向を叱咤するかのごとくである。 少し大げさかもしれないが、俊のこの台詞が世界中に届いたらなぁと思う。
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by jd69sparrow | 2011-12-30 18:37 | 映画タイトル か行