トラフィック

d0058606_11322856.jpg 
 アカデミー賞を受賞となり話題となったアクション映画「トラフィック」。 とても構成が細やかな作品だ。 
 題名となっている“トラフィック”には2種類の意味があり,1つは“トラフィック”という言葉の響きから察しがつくかもしれないが、車などの交通や人の往来、もう一つの意味は一言で言えば商売(商いに関連した意味といったところか)。普段、あまり題名の意味は考えないのだが、ふと脳裏に題名の意味がなんであるかが試行錯誤の中で引っかかった。 どちらかが映画のテーマとして近いかどうか、言葉というのはその映画あるいは小説のないように近いものを訳としてあてるがとらえかたによっては,例えば二つ意味があるとして,どちらの意味にも当てはまるのではないかというのもある(翻訳をする際にはどちらかを選択することになるのだろうけど)。この映画はその例である。
 映画にはたいてい場面に応じて音楽をつけられる(アクションやファンタジーなどは特に)が,「トラフィック」には特に目立つものはなかった、というかそれが流れていないほうが多かった。あえて音楽をつけないことで伝わるものもあるのだ、それがシリアスな内容であるほど。 それゆえかドキュメンタリー映画のような錯覚もした。常に静かな雰囲気の中で着々と進んでいくのだ。 だからこそと断言していいものかどうかはわからないが、この映画の中で取り上げられている,アメリカを中心として広まりつつある,現在では国際的な問題である問題の深刻さがわかるのであろう。 
 それぞれの中心となる人物たちのストーリーは1本の紐でつながれているが、ほとんどが登場人物ごとで分かれているのでからみはないようだ。 彼ら一人一人のシーンは(映像の)色が大きく違うものから、微妙に違うものもある。 それを比較する例としてよいのがマイケル・ダグラスが演じる判事を務める,都会(アメリカ)とベニチオ・デル・トロ演じる刑事(?)の活動範囲にあたるメキシコである。 前者が青で統一される一方,後者は黄色、茶色など土を連想するような色が配色されている。 「レジェンド・オブ・メキシコ」(アントニオ・バンデラスジョニー・デップ共演)を見てわかるようにメキシコを舞台とされるもの,というか舞台となる国や地方にはほとんどコレという色が決められているのかもしれないが、こうして考察してみることで、違いがよくわかるというかそういう点に対しての見方が強まるというものだ。
 この映画で注目したのはベニチオ・デル・トロである。彼については今までほとんど正直ほとんど知らなかったが、彼の演技は自然だし、「トラフィック」という映画の中で一番おいしい役柄もまた彼である。基本的にシリアスな映画だが、ベニチオはなかなかおもしろい。
 
 
[PR]

by jd69sparrow | 2005-11-13 00:49 | 映画タイトル た行