THE有頂天ホテル

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 三谷幸喜さんが監督をつとめる映画は今回初めてだが、とても三谷さんらしい世界がここに広がっている。ドラマは今までにいくつか見た事がある。代表的なのはなんといっても「古畑任三郎」。これは長年愛され続けている国民的ドラマだ。「古畑拓三郎」という木村拓哉さん主演のコントにもされるほど。他には(ドラマでは)「合言葉は勇気」、「HR」、「新選組!」,映画では「みんなのいえ」や「笑の大学」などがある。基本的にはコメディチックな作品が多い中、「新選組!」のようなシリアスに近いものがあり、三谷さんのレパートリーは幅が広い。
最初に目をひいたのは豪華なキャスティング。しかも100%監督が望むキャスティングというのは中々ないのではないだろうか。 出演者の多くは三谷作品に一度,あるいは何度も顔を見せる常連の人もいる。主要人物が多いとたびたび一度共演した役者さんどうしが顔合わせすることがある。今回は「新選組!」の共演者が勢ぞろいしている。香取慎吾さん、佐藤浩市さん、戸田恵子さん、生瀬勝久さん、オダキリジョーさん、川平慈英さん、そして伊東四朗さん。「新選組!」でいうと近藤勇(香取慎吾さん)、芹沢鴨(佐藤浩市さん)、斎藤一(オダギリジョーさん)、壬生浪士組の拠点となった八木低の主人(伊東四朗さん)などである。これほどまでにドラマの共演者が揃うというのもまたすごい。
 この映画に三谷さんがかけたものはとても壮大で魅力あるものだった。このおもしろさは三谷さんだからこそ表現できるのだろう。 彼の経験や今までの作品もこの映画に大きく影響しているそうだ。そして、徹底したこだわり。こだわりを追求したからこそなしえたエンターテイメントなのだ。 そしてもう一つは三谷さんの楽しみへの探究心が作る側も観る側も楽しむことを可能にしたのだと思う。
 様々な登場人物、“ホテルマン達とワケありな客”のそれぞれのエピソードがバランスよくまとまっており、サブストーリーもまた見所の一つ。隠された仕掛けを探すのもまたこの映画を楽しむポイントだ。 観る人は両手でかかえるほどたくさんのプレゼントを贈られた気分になることだろう。一度にいくつもの贅沢を堪能できるわけだ。
 三谷さんのすごいところは数多くあるけれど、特に実力のすごさを感じたのは役者さんそれぞれの良さをこれどもかと言わんばかりに引き出しているところである。そのため、それぞれの役者らしさが出ているのではないかと思う。
 笑いどころ満載で2時間以上という長さにあきが決してくることはない。それに嫌なことも消し去ってくれるのだ。 笑いどころは常にどこかに隠されており、笑いがたえることはない。舞台はとあるホテル。監督の「ずっと靴をはいていてもおかしくない日常的な場所とういうこだわりがそこにある。迷路のように広大なホテルの裏側が大きく描かれていて,客側では決して知ることがなかった職種を見受けられるのだ。 
 時は大晦日。ホテルの年に一度の大イベントで、そこへいきつくまでにあたり、様々な人々のエピソードが交差し、人間模様が見えてくる。 そう、この映画はコメディでありドラマ(ジャンルとしての)なのである。
 注目したいのは佐藤浩市さんと唐沢寿明さん。まずは佐藤浩市さんについて。番長的な役、無口で男前な役などシリアスな役柄のイメージが強い。 もちらおん「有頂天ホテル」でも、ほとんどそのイメージどおりの役だが、今までにはないおもしろい,そして意外なシチュエーションが嬉しい。 佐藤さん自身、他の出演者の方々のようにはっちゃけたかったとか(笑)
 唐沢さんはトーク番組で見受けられる印象がそのまま映画の中に生かされている。そして一九分けされた髪型。「カツラか?それとも地毛か?」という疑問が最初に思い浮かべられる。唐沢さんはやる男、いや,やる役者だと思った
 あと、オダギリジョーさんの意外すぎるキャラクターにかなり驚いた。真面目な役でありながらちょっと天然を感じさせる隅に置けない存在である。
 はじめからおわりに至るまで1秒たりとも見逃せない。幕明けもよければ幕が閉じるところもうまくまとまっている素晴らしき「THE有頂天ホテル」。映画中に挿入される歌にも注目してほしい、なぜならそれが物語を動かすポイントだからである。見ごたえあり!!
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by jd69sparrow | 2006-01-25 23:29 | 映画タイトル あ行