男たちの大和 YAMATO

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戦艦大和は実在した船だった。それは映像やイラストを見ただけでもその巨大で日本屈指の戦艦であったことがわかる。 かつてこんなにも立派なものが日本に実在していたことを知った時、文字通り驚いた。 高層マンションさながらの高さをほこる偉大な船。 しかし 大和がたどる末路はあまりにも悲劇にみちたものだった。 当時「大和」を見た人達はどんな想いを持ち 見ていたのだろう? 戦争が起こった時代の生まれでない人々の想像をうんとこえたものだったのだと思う。 私たちが現在生きている世界で同じように戦争が起こったら、果たして 当時の人々のように強い精神をもって命をかけることができるのか? どこまでいけるのか? しかも16や17という若さで。 彼らは現在の若い世代と比にならないほどの死への覚悟をよぎなくされ、彼ら自身もそれを強く心得ていたのだろう。 
 「戦争映画」ちう言葉一つにくくりつけてはいけない。 もちろん前提で「戦争」というテーマがあるが、戦いに闘志を燃やす男たちに“生”と“死”を問うドラマであり、60年前に起こった惨劇をドキュメンタリーのように観る人々と共に検証していくのだ。 今までこういった“戦い”をテーマにしたものはさけていた、というのは最後が哀しい終わり方で幕を閉じるからだ。 しかし、この映画との出会いでもっと真剣にこの映画にある事実を考えなくてはならないという気持ちになることができた。 私は思う、日本人 なら この映画を見るべきだと。 どんなに世の中が変わろうともこれは必要である。
 「大和」は“日本”の代名詞といっても過言ではない。 「大和」が私たちに与えた影響はとても大きい。 「宇宙戦艦ヤマト」という名作アニメがあるように。 いわば「大和」は日本の象徴とも言えよう。 きっと戦地へ立った人々にとっても「大和」にかける想いは強かったのだと思う。
リアルに、そして迫力満点で緊張感あふれる戦闘シーン、大切なものを守るためにあきらめることなく任務を果たそうと全力をそそぐ乗組員たち。 この映画でわかるように日本映画が海外の映画にひけを取らない実力を秘めているということを感じることができる。
 男たちの叫び、日本という国にかける熱き想い、そして無念がひしひしと伝わってくる。
 また、役者の方々の迫真の演技が光る。 役者一人一人を見るべきなのだが、やはりまずこの二人の役者さんに特に注目したい。 反町隆史さんと中村獅童さんだ。 
 眼力(めじから)がある役者さんといえば渡辺謙さん、そして反町さん。 眼力のある役者さんというのはひときわ輝くものである。 その眼にやどる炎は凄まじい。するどく光る目、頼れる兄貴のような演技は織田信長(「利家とまつ」)と同じものを感じるし、今回 彼が演じた森脇という男と信長はどこかつながるような気がした。
 中村獅童さんは 見るたびに全く違う印象を受ける。 アホっぽい役を演じる時ももあれば 親分的な熱い役を演じる時もあり、今回は後者の方だ。 発声の仕方だけでもすごいのに、他にも多才な才能を持っているちうのがまたすごい。 まっすくで日本を愛する熱い男・内田を見事にこなしている。
 若手の役者さんには松山ケンイチさんや内野謙太さん(NHK「わかば」)、そして「ラストサムライ」でも注目をあびた池松壮亮くんがいる。
といえば 昨年公開された「NANA」では無口なバンドマンを演じていたのが記憶に新しい。 その松山さんが頭(髪)を丸めてこの映画に,しかも核になるような人物を演じるということにとてお驚いたが、彼の演技は心を打たれるばかりだった。 後半は特にぐっとくるものがあった。 
 大和が沈没するまでの戦い、散っていく戦士たちのさま、「死二方用意」という戦い前にかかげられた言葉、桜になぞられた,生き残ることと立派に使命を果たすことの意味、して敗北に よりえられたものの大切さが久石 譲さんによる音楽と長渕剛さんが歌う曲によってより強く 心にしみてくる。 実際に起こったことに基づいているという点がこの映画をさらに価値あるものとされている。
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by jd69sparrow | 2006-02-05 01:08 | 映画タイトル あ行