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紅の豚

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 舞台はイタリアの綺麗な海、戦争が終わり 街中には飛行艇のりたちがあちらこちらで歩いていた頃の話。 青々とした澄み切った海をバックに大空を舞う一基の赤い飛行艇があった。 彼は名の知れた飛行艇のり・ポルコ。 元は人間だったが 今は二足歩行の豚。 飛行艇のりの帽子とゴーグルをつけ、黒いサングラスをかけ 立派で整った髭をたくわえている。 その姿はにくめないし愛着がわく。
 わりと無口でクールなポルコは誰もが引き寄せられる。 今ある自分に不満をいだくことなく豚として歩んでいる人生を満喫しているよう。
 飛行艇のりとしてのプライドが高く、人に自分に厳しいけれど人間らしく顔をぽっと顔を赤らめるところがおもしろく、かわいい。 見た目が豚でもやっぱり心は誇り高き飛行艇のりのままなのである。 そんなポルコをねたむ同じ飛行艇のりも多い。 けれど彼らは敵にあたるわけだが、しっかりとしたわきまりとケジメを心得ていてこちらもまた,にくめないキャラクターなのだ。 飛行艇を操るのが大好きなバカだけどにぎやかな人達。
 空賊に、それを狙う賞金稼ぎ、そして空軍といった空の男たちと、彼らを支える陸の女たちとのにぎやかなやりとりと、バカ騒ぎ、ときに切ないシーンあれど、そこにいる皆が皆,幸せそうに毎日を過ごしている。 こんなに楽しくて、静かな映画づくりをする宮崎監督作品は実に落ち着きがあり、見ている側としても、とても落ち着いて見ること、楽しむことができる。
 同じ意地っ張りで頑固モノのポルコとカーチスとの決闘、というより喧嘩はおもしろく、どこまで続くのかという期待があった。 結末までちゃんと綺麗にまとめられ、様々な想像をふくらますことができる。

by jd69sparrow | 2006-02-23 22:10 | 映画タイトル か行