オペラ座の怪人

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 この世のものと思えない恐ろしく,醜い顔を持っている がしかしその声、歌声天から授かったもののごとく美しい声だった。 つまりあらゆる芸術に富んだ才能、美しい声を手にする代償が醜い顔だったのだ。 その醜い顔がゆえにたぐいまれな才能を持ちながらも暗闇で生きる道を歩まざるをえず,苦悩し続ける それが"Phantom of the Opera"。 そんなオペラ座の怪人の哀しき愛と運命の物語なのである。
 フランスの作家ガストン・ルル-原作の「オペラ座の怪人」は20世紀初頭に世に出た文学作品でこれまでにも数々の映画化・そしてミュージカル化にもされ、今もなお私たちの心の中に“オペラ座の怪人”は生き続けている。 今までに公開された「オペラ座の怪人」はそれぞれ設定が異なり 中にはファントム(=オペラ座の怪人)と歌姫クリスティーヌの関係が親子であるものもある。
 ジョエル・シューマッカ-監督で、主演ジェラルド・バトラーにより再びこの21世紀に映画化された「オペラ座の怪人」は原作を少しアレンジし、新しく変わったのは若手の役者が主要人物に抜擢されたことだ。 ワイルドでセクシーなファントムがここに誕生だ。
 ファントム、クリスティーヌ、ラウルの3人の主要人物を演じる,ジェラルド・バトラー、エミー・ブロッサム、パトリック・ウィルソンの歌声はそれぞれが違うイメージが出ていて綺麗。 ジェリー(ジェラルド・バトラー)はこの3人の中で唯一 オペラ経験がないが、バンド敬虔のある彼はロック調に作り上げられた“The Phantom of the Opera”をはじめとする歌の数々をパワフルでセクシーな歌声で歌いあげているし、ブロッサムとウィルソンの2人はオペラを歌うことに対しベテランであり,美しく抑揚がある。 全編のほとんどが彼らをはじめとする出演者1人1人がセリフをオペラ風に歌い(言い),盛り上げる。 ミュージカル+オペラ映画というカタチとなっている。
 1915年のパリ、オペラ座の怪人にまつわる事件があった、あのオペラ座の廃墟のように変わり果て そこで回想と共に事件のあらましが語り始められる。 シャンデリアから劇場がしだいに事件のあった当時の美しい姿に戻り 蘇るその瞬間の鮮やかな映像、オペラ座全体をぐるっと見せるカメラワーク、画面が切り替わる時の美しさ、オペラシーンでは歌姫だけでなく、歌い手と観客、劇場内を立体的に一度に見られる眺めのよさがある。
 “マスカレード”。 それは仮面舞踏会。 誰もがみな仮面をつけてそこにいる者みなが祝う。ここでは映画を観る者へ正面から見せるエンターテイメントショーである。 
 悪役に見えたファントム、しかしそれは己の顔の醜さに失望しながらも暗闇から陽のあたる場所へ行くことに憧れる哀しき運命を背負った男だったのだ。 クリスティーヌが唯一の支えであり希望だったのだ。 強引ではあったが愛されることを必死に願っているのがよくわかる。  クリスティーヌを地下へ地下へと導くファントムの目はするどく,かっこよかった。  それだけではない、漆黒のマントをひるがえすのはまたかっこよく、きまっていて何度見ても良い。 ファントムの魅力には胸,高まさせられる。
 どんなに辛い事があって、まわりに受け入れられず孤独となり暗闇に生きようとも完全なる悪と心の醜さはファントムの中にはなかった。 そしてクリスティーヌへのひたむきな想いが“永遠に生き、愛するものを守ることが全て。
 
 
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by jd69sparrow | 2006-03-03 19:09 | 映画タイトル あ行