PROMISE 無極

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 親も兄弟もなく、行く宛てもなく戦場のたくさんの兵士が息絶えた場所で一人さまよう少女がいた。 傾城だ。 傾城はそこで出会った神と“絶世の美を手に入れるかわりに真実の愛は得られない”という“PROMISE”をする。 二十年の月日が過ぎ,傾城は“月”のように優雅な美貌を手にしていた。 そして三人の男のかの状の愛を得るための戦いが始まる。
 主演に今や国際的スターとなった真田広之、韓国四天王の一人チャン・ドンゴンらがいる。 二枚目スターが勢ぞろいな上に中国・韓国・日本とアジアのよりすぐりのキャスト・スタッフが一堂に集結した,アジア映画大作なのだ。
 CGを駆使したものだとはいえ、迫力満点の神話的アクションである。 実写だけど劇画のようなイメージ、その力強さは“書”のようなダイナミックさがあり 俊足で大地を走りぬく昆崙の“風”のようなすばしっこさや“天下無双の大将軍”光明が敵軍を一気に一掃するところは爽快だ。 また、光明率いる軍が圧倒的に不利な状況に陥っても大勢の敵の軍勢と武器を交わすところはすさまじく,この映画の規模の大きさが強く感じられた。
 光明が偉大なる将軍の象徴あるいは誇りとも言うべき華鎧を身につけ軍を指揮するさま、何もかも見抜いたような鋭いまなざしなど将軍としての大きな器を持っている,そんな光明に真田さんはとても適役で歴史上に武将として存在していてもおかしくはないと思う。 白と桃色の着物を着,舞う姿はもちろん華鎧を身につけている姿は力強く生き咲いている“花”である。
 昆崙は欲がなく自分より主君を第一に考え自ら望むことを知らない。 だけどその忠誠心と人としての魅力、傾城を想う心が昆崙の中にあり それは人に明かりを灯すのだ。 
 無歓。 哀しい運命のレールの上を歩んだ男。 しかし城という色のあう美しい人であり、扇を両手に一つずつ持ち舞うように戦うさまは“鳥”のように美しい。 王子の溶暗気質をも持っている。 
 4人の主人公たちがそろって“花鳥風月”が完成され、それらはそれぞれが違う美の輝きを秘めているのだ。
 中国を舞台にした映画は「HERO 英雄」や「LOVERS」といった場面場面がグラデーションされその時のテーマにそって遠い津された背景や衣装という端麗な写しさに満ちた映画があるが、この映画はそれとは異なった色の働きの鮮やさがあった。 思うに主とするところが違うのだろう。 正子 公也とティン・イップによる衣装は色の鮮やかさはもちろんだがそこに深きテーマがある。  中国と日本の融合は申し分なく、そして伝統的というべきものだ。
 無歓のかぶっている兜は鳥、光明は花であるが、阿修羅のようであり豪華絢爛な花である、そして彼の兜は金色の炎という感じ。 光明の身につける華鎧は昆崙が身につけると少し違う良いうに見えてくる。 光明が強さを表すなら昆崙は大切な人のために戦う真の英雄が表されるのだと思う。
 定められた運命が変わるはずがなかった、しかし傾城、光明、昆崙、無歓の四人の運命が交わったとき、運命の歯車が変わり始める。 それぞれの運命が互いを引き寄せ、呼応する。 運命の歯車は善くも悪くも変わる。 「運命は自分で選ぶことができる」という昆崙に向けられた言葉が残る。
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by jd69sparrow | 2006-03-06 01:09 | 映画タイトル は行