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スチームボーイ

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 19世紀 ロンドン、時代は科学の時代になり,始まろうとしていた。主人公レイは祖父であるジェイソンから使い方によってあらゆるものの動力となるスチームボールを授けられるが 奪われ父親の手元に渡る。父親は国のためと言う、しかしその裏には兵器に利用する企てがあり、それを阻止すること、戦うことを決意する。
 大友克洋原作の壮大なるアニメーションは他とは一味二味違う技術が組み込まれているように思う。宮崎アニメーションにひけをとらない。見えてくるアングルが流れるように動き、機械が動くさまはダイナミック!一つのキャラクターともいうべきスチーム城はまるで生きているかのようでラストもまた芸術的最期を見せる。
 「科学とはなんのためにあるのか?」それがこの映画を解くポイントなのだと思う。実際,科学の時代到来の時、科学者たちにとってこれは最大の課題だったのだのではなかろうか。「スチーム・ボーイ」では科学を戦うための兵器として使い、科学のあるべきところから外れてしまうという展開となっている。これは現実でおこった戦争を描写しているようである。アニメーション映画として中々ないテーマをこの映画ではとりあげている。アニメーションの技術だけでなく,中身にみかなりの力が入っていて“科学のあり方”という鍵がある。アニメーションとしても物語としてもうまくできていて偏りがないないバランスのとれた映画だ。

by jd69sparrow | 2006-04-14 00:58 | 映画タイトル さ行