インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア

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 ヴァンパイアが登場する物語は多くある、だが最も美しいヴァンパイアはそう滅多に映画の中にはいない。アン・ライスほど描き方がうまい人はいないだろう。現代に生きるモダンなヴァンパイアが数多く存在するが私は18世紀や19世紀が舞台にしたもの、また背景に彼らが生きた時代を感じさせるものが好きだ。
キャスティングには驚いた。ヴァンパイア・レスタトをトム・クルーズが演じたからだ。これについては賛否両論の声があがるがアクションが多いゆえ,意外ではあったが不思議と原作とは違うけれどクルーズのレスタトは受け入れられるし中々美しいとも思った。
ルイとインタビュアーとの会話、現在からルイがヴァンパイアとして辿ってきた道筋を回想し、過去へと遡る。彼はインタビュアーと見る者へ己の人生を語りかけていく。
この物語がおもしろいのはただヴァンパイアが血を吸って,人は善 ヴァンパイアは悪とありきたりのものではないからだ(完全善悪型でもない)。全てはヴァンパイアの視点から時代がうつり,流れてゆき生と死について、哲学的なこと、美的センスなどが彼らの間で交わされ,それぞれの価値観がぶつかりあい 時にはそれを共有しあうという構成となっている。
 レスタトはこの物語の中では残酷で冷酷きわまりなく,人への感情がまるでない氷のようなものに見える、しかしそんな彼には引き寄せられてしまう。これがライスのそごいところの一つである。
 ぞくぞくする感じ-それは幽霊が出てくる話とは違う-がスリルがあっておもしろいのだ。レスタトを見ているだけでもこの作品の魅力が伝わってくることだろう。
 主人公のルイはヴァンパイアとなっても人としての感情を忘れることなくいき続ける。人間的なヴァンパイアなのだ。だけどそれがルイを苦しめることになり彼の苦悩の日々を描いた物語とも言える。
 バックで流れる曲もまた良いなと思った。悲劇、恐怖、怒り、ただ過ぎていく時間などテーマはいろいろだけどそれらはいっそうヴァンパイアの世界・物語を引き立てている。
 嬉しかったのはこの原作にははっきりとは描かれていない-おそらくはオリジナル-結末が待っていたのだ、ここがあるのとないのとでは全然この作品への思い入れやおもしろさが変わってくることだろう。
 ヴァンパイア映画の最高峰といいうべきかもしれない。トム・クルーズにより冷酷で孤独,しかしそれでも魅力を放つレスタト、ブラット・ピットの人間的で優しさのあるルイ、アントニオ・バンデラスの邪悪さはないけれどヴァンパイアらしく力を求めるアーマンド、賢く,時に残酷なクローディアあなたは誰を選ぶ?
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by jd69sparrow | 2006-04-17 00:30 | 映画タイトル あ行