ニュー・ワールド

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 400年も前にイギリス人はアメリカの大地に降り立った。 その当時はネイティブ・アメリカンが多くそこに住み,まだそこは誕生したばかりの世界だった。 人間の欠点であるもの,マイナスな感情といったものがなく無垢だかれいど自由な人々がそこで暮らしていた。
 遠いイギリスからやってきたジョン・スミスとネイティブたちの王の娘ポカホンタスの恋と二人がそれぞれ見た新世界を彼らの視点で描いた実話に基づかれた話である。だから題名が持つ意味は大きく深いのだと思った。
 この出来事が起こったヴァージニアでこの映画は撮影されているという、これはすごい。常に形を変えゆく世界で今もなおそのまま残されている,これほどまでに壮大な自然が残されているなんて! 人物だけでなく新大陸じたいにも注目。 限りなく広がる海と緑が大きく映し出されているわけだが、今まで見たことがない自然がカタチをなしているその姿はきれい。 ドキュメンタリーのようであり、描かれている世界が身近に感じるのは自然光を活かした珍しい手法(撮影方法)がゆえなのだろう。 マリック監督のこだわりである。 自然光が働きかける強さは明らかだ、すごい。
 ネイティブ・アメリカンたちはまるで緑の自然に適応しているよう。観る者はあたかも17世紀初頭のアメリカにタイムスリップしたかのような気分が味わえる、スクリーンを通して当時のアメリカを見るというふうに。 そしてリアルな新大陸が表れている。
 ポカホンタスは生涯出会った二人の男性,スミス(コリン・ファレル)とロルフ(クリスチャン・ベール)を愛す。 二人の男性はそれぞれ違う愛をポカホンタスにそそぐ、愛するカタチ違えどどちらも彼女を笑顔にさせた。 ファレルとベールの持つ魅力がそのまま出ている、スミスはワイルドでポカホンタスを抱きしめるその時愛情という名の温かさがある、ロルフはその全体から優しさがあふれ出ている。
 ベールと言えば「マシニスト」では人間の限界ではないかと思われるほどの減量をし、「バットマン ビギンズ」では逆にマッチョなボディを築き上げるといった役作りに余念がないという印象を受けていた。 今回もまた違ったベールの参上だ。 髪をのばし髭をたくわえたその姿は気品ある紳士そのもので(彼の作品はまだあまり知らないけれど)一番かっこいい。
 木々,生い茂る森の中、風にゆられカサカサと静かに音をたてる。その真ん中に立ち,そっと耳をすませると森の声というべき呼応(音色)はきっとこの上なく気持ちのいいことだろう。 その心地よさこそ彼ら(ポカホンタス、スミス、ロルフ)の間で交わる愛なのだと思う。
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by jd69sparrow | 2006-04-30 00:43 | 映画タイトル な行