Vフォー・ヴェンデッタ

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 “思い出せ 11月5日の出来事を−”。 17世紀初頭ロンドンでガイ・フォークスをはじめとする当時の政府に反感を持った者たちは政府の中枢に等しい議事堂粉砕を試みた彼らだったが失敗に終わり悲惨な最期を遂げた。 その日から400年以上経った、時は2020年 少し先の未来 “V”という名の謎の人物が復讐のため,すっかり独裁者の手中に落ちたイギリスを変えるため 暗黒に染まった政府を制裁を下し、ヒロイン・イヴィーはVと共に革命を起こす。
 監督や製作者などのクリエーターたちは「マトリックス」シリーズに携わった人たちが揃い,中心となっている。 例えば製作にはジョエル・シルバー、脚本と製作にウォシャスキー兄弟、監督にはジェイムズ・マクティーグといった具合に。 キャスト陣にも「マトリックス」シリーズでエージェント・スミスを演じたヒューゴ・ウィービングがいる。
 「マトリックス」もこの作品も未来の話で共通して言えるのは この作品では主人公の成し遂げる行為こそがそうであるように革命である。 作品を通して現実を観る者に訴えかけるということなのだ。「マトリックス」の場合,人間離れしたアクションがあるけれどリアルな部分も大きい。
 「V フォー ヴェンデッタ」はオカルト風味の社会派映画だ。 不気味な仮面をつけ黒衣をまとった男が常にどこかから突如として現れ,標的とされた者は造作もなく命を奪うのだから。
 Vの被る仮面からは細かい表情は見えないけれど場面場面でなんとなく違った感情,喜怒哀楽がわかる。 ウィービングがVに扮し,話す言葉が弾丸となり頭に響いてくるようだ。 セリフを言うリズムがよければ演技力の素晴らしさもそれに伴うのだと思う。 私はこの作品を見てヒューゴ・ウィービングという役者の魅力に惹かれた。
 エージェント・スミスなみに強い個性と濃いキャラクター性のあるV。 エージェント・スミスと違うのはまず第一に人間味がこちらの方にはあるということ(スミスはコンピューターの中のシステムの一部といったころであり,Vは人だからそうい違いがあって当然といえば当然かもしれないが)。
 Vは正義と悪の両方を持つ存在。 しかし映画の中では政府こそが本当の悪といってもおかしくない,そう見るとむしろVは正義一つのようにも見えてくる。 なんといっても見所なのがVがもたらしたものにより影響され変化し強くなっていくイヴィーの様子やVの空手によるアクションと太刀さばき、いくつもの太刀で敵をつらぬくアクションである。 そのアクションにはスピード感があり まさに必殺技!
 この映画が描いている時代は独裁者による政権の時代であり,ヒトラーを連想させる ここではサトラー議長なわけで そんな悪役を演じるのはベテラン,ジョン・ハートであり かなり渾身の演技であり,この映画に出演している役者陣のレベルの高さをいっそう感じた。
 もう一人触れておきたい人物がいる。 それはフィンチ警視(スティーブン・レイ)である。 彼は物語を観るにおいて重要な位置にいる人物なのだ。彼が一番善なる人物だと思う。 フィンチ警視も政府の下につく人物なのだが-Vの行為には賛同はできないものの-本心ではサトラー政権に疑問を強く持った唯一の存在ととれるからだ。 そしtr彼は観る者の目となるなるわけである。
 映画には文学作品などの引用があったり,そういったものを話題にされたり要素のいっぱいつまった中身あるものとなっており 「マトリックス」では「不思議の国のアリス」や神話などを取り上げているという点といいクリエーターのこだわりがうかがえる。 
 ラスト 実際起こったら大きな事態だけどすごくすっきりしている,それはVの芸術的感性のあらわれなのだろう、そして彼が民に及ぼした影響の大きさを強く感じさせる点もまた色濃く残る。 とてもおもしろい映画だ。
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by jd69sparrow | 2006-05-03 21:42 | 映画タイトル あ行