ハウルの動く城

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 愛国主義時代の話。 王国では激しい戦争が起こっている最中であった。 ソフィは街で父親から受け継いだ小さな帽子屋を営んでいた。 ある日、そんなソフィのもとに美しい青年が現れた、その青年の名はハウル。 街の人々の間では美しい女の心臓を食らう恐ろしい魔法使いとして噂されていた。 ハウルと出会い,夢のような体験をしたソフィの目の前に次に現れたのが悪名高き,荒地の魔女だった。 ソフィは魔女に人には話せない呪いをかけられ18歳だった彼女は一瞬にして90歳の老婆に変えられてしまうのだった。 ソフィは家を離れ、“ハウルの動く城”の冒険に加わることになる。
 2006年息子・宮崎吾朗にバトンタッチした宮崎駿監督の最後の監督作となる「ハウルの動く城」。 これはダイアナ・ウィン・ジョーンズ原作の「魔法使いハウルと火の悪魔」の映画化したもので、弱虫な魔法使いハウルと90歳の元気なお婆ちゃんソフィ(本当は18歳)の冒険と愛の物語である。 声優陣もかなり豪華で過去にジブリ作品に出演された有名人もいる、荒地の魔女役の美輪明宏さんは「もののけ姫」で、火の悪魔カルシファー役の我修院達也さんとハウルの弟子のマルクル役の神木隆之介くん、かかしのカブ役の大泉洋さんは「千と千尋の神隠し」、王室に使える魔女サリマン役の加藤治子さんは「魔女の宅急便」と主要キャラクターのほとんどを占めていて二回以上出演を果たしている方もいる。 ソフィ役には主題歌「世界の約束」を歌う倍賞千恵子さん、ハウル役にはSMAPの木村拓哉さんとなっている。 どこか憎めないサリマンの飼い犬ヒンには原田大二郎さん。 声を演じるこの声優陣それぞれがキャラクターのイメージとあい、しかも演技力もかなりのものだというのだからすごい。
 ソフィのおもしろいところ、あるいは魅力というのはたくさんある。呪いで老婆にされてしまい,どうしてもんかと慌てるわけだけど どこか落ち着いてて、慌てようもまたおもしろい。 ほどなくして「これも悪くない、むしろこの方がいいのかもしれない」とばかりに自分の呪いで帰られた年老いた姿を受け入れる。 もし自分だったらと思うとかなり落ち込んでしまう、ソフィのように落ち着いてはいないのではないかと思う。 掃除婦として“城”にもぐりこむことで彼女の中の何かが目覚め,その姿はエネルギーにみなぎっていてとても90歳のお婆ちゃんとは思えないほどパワフルなのだ。 この作品を見る人がソフィのようなお婆ちゃんが理想的と思うのも納得である。 お婆ちゃんになったとはいえ,本当の歳でいったらソフィとハウルとでは同じ年頃な感じだけど二人の様子は親と子のようにも映るのだ。 ソフィが自分が置かれている状況に臆せず,こんなに強いのは元々彼女が持っていた力であり、ハウル達との出会いで変わったものなのだと思う。
本当に頼もしい。
 一方ハウルは魔法使いとして恵まれた力を持っていて美しさにこだわるところもあり、弱虫でもあった。 城の扉の向こうから帰ってきたりソフィの前に現れるたびに違う雰囲気でその態度や気持ちの表現も変わってくる。 だからいろんなハウルを見れるわけである。 強い面の裏はとてももろく壊れやすい内面を持っている。 心を失ったハウルをソフィが優しくうけとめる、それはとても温かいものである。
 ハウルは心なくともソフィの温かさに無意識に惹かれ、ソフィも物語が進むにつれて内面的・外面的に少しずつ変化していくところ,さらにラストシーンも印象深かった。
 ジブリ作品を見ていつも思うのがのどかさが音楽にしても物語にしてもよく表れていて主題歌も作品そのもの表現するような心地よいものである。

「ハウルの動く城」の感想(2回目)
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by jd69sparrow | 2006-07-22 14:54 | 映画タイトル は行