クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア

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 美しく魅惑的なヴァンパイア,レスタト。彼は長い長い眠りから目覚め,現世に復活をとげる。「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」から8年月日が過ぎ,再びレスタトをおがめる日が来たのだ。 原作では前作「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」(邦題「夜明けのヴァンパイア」)はルイというレスタトにより作り出されたヴァンパイア視点でルイが主人公で描かれ、今回はレスタト視点が主として描かれ,レスタトが主人公,さらに付け加えるなら,物語の鍵を握るジェシーがもう一人の主人公あるいは見る者の目に等しい。前作と本作とではレスタト以外はほとんどが演じる,スチュワート・タウンゼントになっている。前作のレスタトは文字どおり“悪魔の化身”的,つまりは悪として描かれ けれどセクシーで、続編となるこの「クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア」(原題「呪われし者の女王」、「QUEEN OF THE DEMENDED」)のレスタトは現代的で人間らしさを持ち,運命を憎み孤独を嫌っている、そして感情的。 個人的にはそれぞれが各々の異なったレスタト像にあっているように思うのである。“時にヴァンパイアは永遠の命に嫌気がさし,背を向けたくなる”。レスタトはそのため長い眠りについていた、しかし時代の音楽に呼び起こさせられたかのように復活し、神としてこの世に君臨することを心に誓い、ロックで同胞たちに宣戦布告するのであった。
 ヴァンパイアの始祖にして女王アカーシャの復活、レスタトの野望と彼の過去が明らかになる。 ヴァイオリンの旋律が響き渡るのだ。音楽面でも美しく、あるいは現代に生きる“ヴァンパイアの鼓動”というべきレスタトの魂の歌も多くのアーティストの手により作られていて、レスタトの歌う曲を歌うアーティストの一人として,映画界では「マトリックス」で有名な曲「LOCK IS DEAD」のマリリン・マンソンとうってつけのアーティストの参加という見所ならぬ聞き所もある。
 ここで描かれるヴァンパイアは決して下品ではなく上品。とは言え長い年月を生きたヴァンパイアたちを主に指してのことだが。長きを生きるもの,そうではない者の区別はその道理と仕草にあると思う。 最古のヴァンパイア,アカーシャでさえ(女王とあってのことでもあるが)彼女自身の放つオーラや動きは優雅で柔らかい。
 ヴァンパイアの復活の瞬間というのは少しぞくぞくするけれど印象深い。「クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア」はもちろん「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」でも見受けられた。 しかも数百年前のヴァンパイアが現代によみがえり、さらにロック歌手になるのだからおもしろい。 タイムスリップして現代にやってくるのではなく、長い眠り、長く生き、棺から起き上がり現代に復活するのだ。
  アン・ライスのヴァンパイア・クロニクルはヴァンパイアに主点が置かれ,もちろん映画版でも同じく主点がそこに置かれ、その背景がとても綺麗。ヴァンパイア映画はそれほど今,多くはない。「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」と「クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア」の間にある物語「ヴァンパイア・レスタト」も映像で見たい。そこにはレスタトが人からヴァンパイアになるまで、その後の彼の旅などが描かれているのだ。
 ラスト、(前作もそうであるように)明るく最後を迎える、暗めな,あるいは恐ろしい感じで始まり最後は明るくしめるというのも中々おもしろい。
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by jd69sparrow | 2006-08-12 21:46 | 映画タイトル か行