下妻物語

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 ひらひらな服を愛する女の子がいた、彼女はフランスのロココ朝時代のファッションと生き方を好んでいた。 いわゆるロリータファッションである。 彼女は龍ヶ崎桃子、父親はヤンキーで,人としては ダメダメな父親だった、母親も生き方としてダメダメな父親と遠からず。 そんな両親のもとこの世に生をうけた桃子はロリータファッションに目覚めたが、家は貧しかった。そんな中イチゴと出会う。 桃子は自由な生き方を選び、ファッションに熱をそそぎ一人だった。 でも自由な生き方を好んだ彼女は例え一人でも楽しく生きられれば良いとしていた。 イチゴもまた一人だった。 しかし桃子とイチゴは全く正反対な女の子で、イチゴは一言で言えばヤンキーで、金髪に黒い目元と口元のメイクで決めていて桃子と同じ高校生の彼女はスケバンスタイルといういでたち。 少女漫画から飛び出したかのような桃子と不良のイチゴ、一見つりあわない二人は離れられない存在となっていく。 これは桃子とイチゴの友情物語なのである。
 この映画を表すなら劇画タッチで描かれるレトロな風味の少女漫画のようだ。 ヤンキーがいて、安さに目がない人々がいて。 シーン一つ一つの見せ方はとても独創的で歩きながらでもついつい夢中になって読んでしまう漫画を手にして読んでいるという感覚で楽しめる。 桃子が語る下妻の人々と彼女の生い立ちなど、つまり桃子の語りで物語が語られる部分があってときにはまとめられるところもある。 そこで描かれる世界のノリのよさがとてもおもしろく、彼女がイチゴにするツッコミも鋭く的を射ていておもしろい。 おもしろさを求めたりとか自由な暮らしを満喫する彼女であるが彼女の言うことには筋が通っていたりして とても賢い人物のようでもある。
 イチゴはツッパっているけれど心優しく情に厚い女の子。また、恋に不器用でもあった。 彼女は一人で生きようとし、かたくなに一人になろうとする桃子に歩みよる。 彼女には人としての大きな器があって人生のたてまえを心得ていた。 イチゴが友情や絆にかける気持ちは熱い、そんな彼女の人間味の深さというのが彼女の魅力である。
 桃子はイチゴに出会い,イチゴにだんだんと心を開いていき,またイチゴも本当の友情を見つけ 二人はまぶたちのように絆を深め、気づくとお互いがお互いのために体を張っている。そして二人ともが自分の道を新たに見出していくのである。 笑いと友情の物語なのだ。
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by jd69sparrow | 2006-08-27 00:07 | 映画タイトル さ行