シャイニング

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 ホラーにはいろいろなジャンルがある。 それは恐怖の出てくる源がジャンルを分ける決め手となることだろう。 見た目の恐ろしさとその状況などといった表面的で恐怖がカタチとなってでてくるもの、そして見えないものからくる恐怖、そして狂気と化した人から追われるというものなどなど。 大きく分けてしまえばカタチある恐怖と精神からくる恐怖の二つである。 「シャイニング」は精神からくる恐怖,その中でも狂気と化した人間が標的をとことん追うというもの。 ハリウッド界でこだわりぬいた役作り、個性派の大御所ジャック・ニコルソンが狂気じみ,恐怖そのものと化してしまう男を演じる。 じわじわとゆっくりゆっくり時が経過し、次第に訪れる恐怖を描いた作品だ。
 ジャック・トランスは息子ダニーとその母親ウェンディと,家族で閉鎖されたホテルの管理のためそこへ住み込むことになった。 彼らの他には誰もおらず、音のない静かなホテル。 滞在客もいなければ従業員が行きかうこともないただただ広いホテル、ジャックたちは豪邸のような我が家で暮らし始める。 仲の良かったはずの家族、ジャックっもウェンディも息子を大事にしていた。 しかしそんな彼らがホテルでの日々が始まり、少しずつ時間が経過する中でその影で恐怖が芽生え始めていたことに気づくよしもなかった。 ダニーには不思議な力があり、それは見えるはずのない人々を見ることである。 その力はまだ幼い少年の心には負担が大きいものであり、そして彼とウェンディに襲い掛かる恐怖はさらにダニーを苦しめることになる。 ホテルで過ごす中で彼の父親は何かに取りつかれて日を増すごとに狂気になっていく。 その過程は実にじれったさがあるがそれこそが恐怖をゆっくりと確実につのらせる要素なのだと思う。
 先に述べたように父親ジャックがだんだんと恐怖に変わるという恐怖と、さらにダニーとウェンディが斧を手にしたジャックから追いかけられるという恐怖とがある。 一人が何かに取りつかれ武器を持って家族である二人を恐怖に陥れるというのは恐るべきこと他ならない。 ついこの間まで仲良かった家族がそのように変わり果ててしまうとういうのは恐いというより悲しさがあろう。 しかし、母子は必死で恐怖から逃れるほか道はないのだ。 ジャックが自分の狂気を感じ始めるのもとてもリアルに描かれている。 “広すぎる我が家”、これは彼ら家族を苦しめるものとなってしまうものになってしまう。 暮らすには申し分なく広いけれど逆に恐ろしきことが起こるときは厄介なものにすらなる。 
 最後にちょっとした謎もうかぶようであるが、恐怖の原因が明かされるというのは後に“その恐怖”を印象付けるものであるように思う。 恐怖が過ぎ去ってしまったと思いきや 最後にもう一押し残る。 そういうものがより恐いものであったりする。
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by jd69sparrow | 2006-11-20 23:43 | 映画タイトル さ行