イルマーレ(オリジナル版)

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 2006年の秋にキアヌ・リーブスとサンドラ・ブロックとの久々の共演によりハリウッド版にリメイクされた「イルマーレ」のオリジナル版は韓国発。 その原題は「時越愛」、“時を越えた愛”である。 ハリウッド版とオリジナル版とでの最大の違いである“イルマーレ”が指すものはオリジナルでは主人公の男女の接点となる家の名前であるが、ハリウッド版では二人が会う約束をしたレストランの名前である。 指し示すもの以前にオリジナルでは題名にあるように“イルマーレ”が軸となる設定だ。 原題ではイルマーレの家の前にあるポストを通じて1998年と2000年と,それぞれ違う時の中にいる男女が恋をし、愛へと導かれるというそのストーリーに主点をおいた“時を越えた愛”というシチュエーションそのものを指している。 それは遠距離であって近距離でもあるようにも思える。 お互いがお互いにとって違うときを生きる者であるという遠距離だけど、実際は近くで接しているという感覚そのものに見えるからである。 同じ時を越えた愛の話として「ニューヨークの恋人」のような過去の人物が現在,未来にやってくるといるという設定のものであると二人の男女のおかれた“時の立場”こそ違うが二人は実際直接接している。 これは“イルマーレ”の郵便ポストを通して文通をする男女の恋の物語である。
 主人公はウンジュという現在を生きる声優という仕事を持っていて,ソンヒョンは彼女より二年過去に生き,学生をしながら建設の仕事にも関わる人である。 ここでもハリウッド版とは異なるところである。 1999年、ウンジュはイルマーレで暮らしてきたが離れることになった、手紙を郵便受けに残して。 その手紙は不思議なことに時空を越え二年前、1997年に生き,なんとイルマーレで暮らすソンヒョンのもとへと送り届けられたのだ。 その妙な手紙を見た彼もまたいるマーレの郵便受けに投函する、そうして二人は出会うのである。 二人は最初は顔の知れない相手からの手紙に疑問を持っていたが、互いの文面にひかれていく。 次第に日々のことを相談しあえるほどに仲を深めていく。 
 手紙の力の強さを感じる。 手紙は文面により相手と会話していると言ってもよいだろう。 手紙もメールのように本当も嘘も自由に書けるかもしれない、けれどボタンを押し,キーを打つのと自分の手で書くのとでは違うはず。 全てが全てというわけではないかもしれない、けれど手紙には正直なことしか書けないのではないだろうか、あるいはそういう気持ちにもならないのではないだろうか。 特に相手のことを思うのならば。 寂しいとき、悩んでいるとき手紙という温かさを感じることができれば元気になることだってできるのではないかと思う。 この力があったからこそウンジュとソンヒョンの二人の男女は生きるとき違えど仲を深めることができたのではなかろうか。
 遠い土地で暮らす人へ手紙のやりとりをするのは楽しい、違うときを生きる者どうしで手紙を送りあうというのはもっと楽しいことだろう、男女でやるとしたらロマンティックでもある。 メールとか画面の前で電子の手紙をやりとりすることが主流となった今、だからこそロマンティックで温かい。
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by jd69sparrow | 2006-12-14 02:17 | 映画タイトル あ行