犬神家の一族(2006)

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 1976年、ちょうど三十年前,金田一耕助シリーズ「犬神家の一族」が公開された。 横溝正史原作の推理小説の名作である。 主人公の金田一耕助、金田一耕助シリーズの原作者・横溝正史、この名前を聞くと思い出すのが「金田一少年の事件簿」と「名探偵コナン」である。 横溝作品がこういった推理小説に影響をあたえている。 金田一耕助シリーズも今まで数多く映画化され、さらに映像化されてきた。 映画だけでなくテレビドラマでも何度も映像化が実現されている。 「犬神家の一族」だけで元祖・金田一耕助,石坂浩二(その前に演じた役者がいるとのことだが)から稲垣吾郎までたくさんの役者たちにより演じられている。 その顔ぶれはそうそうたるものであり、また主として登場する佐清や珠世をはじめとする登場人物たちも大勢の人により演じられている。 多くの役者により演じられてきただけに毎回金田一耕助の人物像も変わってくる。 それぞれの個性がでて,それぞれの役者の持つ個性によって作られていると思う。 今回は初期にもどり石坂浩二による金田一耕助である。 ジャンルはミステリーであるけれども実際は人間同士の思うところを描いたもの。 犬神家の一族の中で繰り広げられる悲しい愛憎劇なのである。
 昭和二十二年、終戦まもなくの那須にふらりふらりと現れた名探偵,金田一耕助。 年齢不詳でボサボサあたまで頭をかけば粉雪のごとくふけが落ちる、けれど彼の推理力は抜群。 彼はふっと現れ、名推理で事件を解決させるとふっと消える。 そんな縛られることもなく自由な人生を歩み続けてきたのだろうというふう。 金田一は今日もまた事件の依頼をうけて依頼人のもとへとやってくる。 彼は那須という場所にやってくるが、彼がやってきてまもなく依頼人が何物かにより命を奪われたことにより惨劇の波が押し寄せる前のとどろきが彼の背後で鳴り響いていたかもしれない。 彼はまもなく犬神家へやってくる。 そこは暗雲がただようところであった。一つは犬神家の当主の遺産相続による争い。 その権利は犬神家以外の人間の手に渡る運びであることが告げられてた。 当主・佐兵衛の娘,それぞれが異母である三姉妹の思惑が走る。全ては遺産の権利を持つ珠世に託された。 一族が本家に揃ったとき、呪いにみちた惨劇が始まる。
 次々と事件は起こり、誰もが疑われた。事件の謎は解けかけるかと思うとあっけなく崩れ,振り出しにもどる。 謎もまた次々と浮上する。 金田一は物をまっすぐとらえ推理を発展させていく。 彼は自然に真実を追い求めることの中に入り、じっくりと人を見て推理力を働かせていく。行動派な部分よりも熟慮派の探偵、だがその捜査は自らの足で地道に情報を集め,推理を重ねていくというタイプとうかがえる。金田一の姿勢はいつお穏やかで落ち着いていて、そして金田一耕助という推理するときは真剣そのもので思慮深い、だけど人間としては幅広い知識や推理力を持つというばかりの人間ではなく,茶目っ気たっぷりな人間なのだ。
 このシリーズにはみな金田一耕助が登場し,事件を毎回解いていく、メインパーソナリティーは金田一耕助であるが 「犬神家の一族」では佐清と珠世が主人公といっても過言ではないだろう。 事件,話一つ一つで主人公は変わってくるのではないかと思う。 金田一は一言で言えば傍観者であって、物語を進行を担う役割を持っていると思う。 推理をし、事件を解決させ、コマを進めるといった具合に。 今回の話は決して愛し合ってはいない、犬神家の中に本当の意味での愛といった感情が見られない佐兵衛の三人の娘たちとその家族の人間模様を描いている。
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by jd69sparrow | 2006-12-28 02:08 | 映画タイトル あ行