ルパン

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 大怪盗の代名詞とも言うべきであろう“ルパン”は20世紀の初めに小説家モーリス・ルブランの手により冒険&推理小説の世界に登場した。 やがて日本のアニメにもその名が登場する。それはアルセーヌ・ルパンの孫という設定で描かれたものだと言う。 どちらにしても変装の名人で怪盗という稼業を営んでいる。 そしてそ神出鬼没で空気のようにつかめない存在である。手を簡単にするり抜けてしまう。 
 アルセーヌ・ルパン、彼はあらゆる宝を華麗に我が物とするが手を血で汚すことは好まない。とてもおしゃれで上品な紳士という顔を持つ,“怪盗紳士”なのである。 そんなルパンの命がけの戦いと冒険の物語が「ルパン」なのだ。
 フランス。 ルパンは幼少時代から戦う術を父親から学んでいた。 そして彼は怪盗の血を受け継いでいる。 その父親は何物かによって命を奪われてしまう。 月日が流れ、アルセーヌ・ルパンは怪盗へと成長する。 フランスのある場所に財宝が眠っていてその場所を指し示す手がかりがフランス各地に隠されていることを知った彼は魔女と呼ばれる女,ジョセフィーヌと手を組み,財宝を求め手がかりを追っていく。
 人を欺き,変装をし、ルパンは確実に 着実に標的をつかみとる。 宝を奪う才能だけでなく身を守る術を知り尽くす強さも持っている。 ルパンは恋をして,人を愛す。 そして目的を果たしていくけれど彼の中にはいつも父親がいて、その影を追っている。 さらに愛する父親の身に起こった悲劇が脳裏に焼き付いてる。 それに対する無念さもあっただろう。 父親の存在が消えぬがゆえに時に苦しむのである。 人間味のあふれる姿がそこにはあった。 そして彼の流す涙は宝石よりもとても綺麗に見えた。
 実写として映画に登場した「ルパン」。 原作となる「アルセーヌ・ルパン」のシリーズを個人的には映像として見たいところである。 今回の「ルパン」の物語は彼が怪盗になるきっかけから怪盗に至り,その直後が描かれている一部というか概要に過ぎないように思える。 変装の名人とされるルパン、華麗なる“手さばき”なるものをもっともっと見たくなるという期待が持てる作品であったと思う。 主人公が謎を一つ一つ解きながら宝を求めていく推理ものとしてのおもしろさ、見ている側も一瞬,目を欺かれてしまうような仕掛けもあった。 ルパンの父親についての深みがかったところも見受けられた。
 “血は親から子どもへと受け継がれる”。 その能力を発揮させられるかどうか、あるいはその力をどう使うかはその血を受け継ぐものしだいで、またその人にそれを引き出すきっかけが訪れるかもまた然り。
 ルパンとジョセフィーヌの関係は怪盗の同士であって敵である。 因縁というのは大げさかもしれないが少なからずそれに限りなく近いものを感じられ,二人は敵にも味方にもなりうる、また時にはどこか互いに惹かれるものがありつつも二人の間には一線や冷たい壁があるというのは変わることのように思えた。 それは両方ともが謎を一つ二つ常に持っていると感じさせられるところと言っていいかもしれない。  
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by jd69sparrow | 2007-01-29 23:53 | 映画タイトル ら行