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どろろ

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 漫画が実写化されるというのは珍しくはない、今回手塚治虫原作の「どろろ」が実写の映画となったように「鉄人28号」など過去から現在へとやってきてものも増えつつある。 良きものは時代が変わろうともそれ自体は変わらずにいる。 ここ数年一気にこのブームが到来した。 けれどそれ以前に既にあった。 ハリウッドでは主にアクション系が多い。 「スーパーマン」から「X-MEN」まで様々である。 日本と言えばジャンルが分かれていてコメディだったりシリアスなもの、恋愛ものなど幅が広い。 ここがアメリカと日本との大きな違いであろう。 日本で見られるこの現象はやがては日本映画の強みになることだろう、あるいはもうそうなっているかもしれない。 
 「どろろ」はアクションであり深いテーマを持っている作品。 しかもその物語を築き上げたのが手塚治虫となると実写化はとても期待で胸がふくらむことだろう。 実際,その期待は裏切られることはなかった。 単に親子の話というわけではなく,「生きる」ということがテーマとなっている。 命はあるもののどう生きていけばいいのかということがわからない主人公は旅を続け,仲間と出会うことで生きる目的が見えてくる。 失われた人間らしい心も少しずつ取り戻されていくのだ。 
 未来か過去か、どこかの時代で戦乱の世がこの話の舞台で特定はない。 醍醐景光という名の男がいた。 彼は誰にも負けない力を欲した。 どんな戦にも負けない強大な力を得るため魔物たちと契りを交わす。 もうすぐ生まれてくるわが子の48箇所の体の組織と引き換えに。 体の48箇所を失った景光の息子・百鬼丸は寿海という呪医師のもとに渡り,その男に失われた体の部分を与えられた。 二十年の月日がたち, 百鬼丸は魔物たちに奪われた自らの本当の体を取り戻すために戦いの旅に出る。 旅の途中、ある盗人と出会う、どろろである。 百鬼丸は彼女と出会うことで生きる力を得、笑顔と心を取り戻していく。 彼らの目指す先には百鬼丸の父親、景光がいる。 
 両腕の内側に刀を持ち,魔物たちを倒していく百鬼丸はとてもクールである。 腕の先には刀があって,それを自在にあやつり戦う、そして斬った後には鞘ではなく刀に腕をおさめる。 とても斬新である。 魔物を倒すたびに体が取り戻されていく,その瞬間一つ一つがとても印象的である、またそれ以上に百鬼丸が人間らしい心と生きていく力も取り戻し、感情がだんだんとでてくるという課程もまた心に残るところである。 「生きる」というテーマがまさにそこにあると思うからだ。 様々な力を持った魔物たちと戦う、そして体と心とを取り戻してくというこの二つの要素があるからこそその魅力を実感できるのだと思う。 また、それらが行き着く先、主人公(百鬼丸)が最後にえるものが強く胸に刻まれる。

by jd69sparrow | 2007-02-24 02:50 | 映画タイトル た行