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デジャヴ

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 初めて経験したはずなのにそんな感じにさせない、不思議な現象こそが“デジャヴ”。 それは脳内に起こる異常なのかそれとも過去の記憶の断片が過去に起こったことと似た,あるいは同じことが目の前で起こることによってその記憶がその人の無意識の中で甦えさせられたということなのだろうか。 謎につつまれている。自分の頭の中と自分の目の前とでその現象は起こるのだ。 知るはずのないことを自分は何故か知っている,知っていると感じている。 デジャヴという現象そのものよりも自分自身に不思議を感じ,恐怖さえ覚えるかもしれない。  
 “デジャヴ”が取り上げられているものはいくつかあるらしい。 デジャヴじたいが主題でないけれどそれがうかがえるものがある、その例として「ハムナプトラ2/黄金のピラミッド」があげられると思う。 ヒロインは主人公と共に遺跡を探るためにその場所へと赴き,その場所 エジプトの遺跡の場所の構造を何故か知っていた。 その秘密はエジプトにまつわる歴史、遠い過去に隠されている。 人は生まれ、そして死ぬ。 人は死を迎えるとき、その記憶をどこかにとどめたまま魂は次に生まれる者へと受け継がれる。  しかしその記憶を開ける鍵は簡単に開くことは何かのきっかけなしにはありえないことと思う。 意識的に思い出すということはないのだから。
 この物語では限りなく近い過去と現在とが取り上げられている。 時間の軸、過去から現在、そして未来へとつながる時間のサイクルが鍵。 過去と現在との不変の関係とその二つにおける事実、主人公はその変えることのできない時間の壁の越えていく。 そしてこの映画では“デジャヴ”があちらこちらに散りばめれている。 
 2006年アメリカ・ニューオリンズ、500人もの乗船客を乗せた船が出港した。 人々は皆、これから始まろうとしている船旅に期待をふくらませ,そこは笑顔で満ち溢れていた。 しかしその楽しいはずの船旅は一瞬にして天国から地獄へと化した。 船からは爆音が響き渡り、その爆発とともに船に火がたちこめ,炎につつまれ,大勢の人々の命が失われる。 事件性の高さは明らかであった。 事件直後、現場にかけつけた捜査員ダグ。 彼は仕事に生きる男、彼の捜査から導き出されたのは爆発の事件とは別のもう一つの事件であった。 爆発事件とは別に何物かによって命を奪われ,変わり果てた姿となった見ず知らずのクレアという女性であった。 その後、事件の謎の解明のためのチームに加わったダグはモニターを通し,事件前の映像を目にし、やがて驚くべき真実を知る。 そしてクレアを救いたいという思いに駆られる。
 まず言えることは映画を見終わった後もおもしろいということである。 それは物語で語られたことについて考えをめぐらせることである。 つまり、どうしてそういう話の流れとなっていったのかと推測をたてたり、(映画の)さらに詳しい情報をえることである。 そこで導き出せる答えや初めて気付くことがあるからだ。 謎が一つ解けるたびにおもしろさも増してくるのだろう。
 物理的に過去を変えるというのは不可能。 それは物語を追っていく中で身にしみてくる。 けれどそれは不可解なできごとの謎を明らかにするもの。 そうした仕組み、また主人公たちが行き着く場所、たどる運命というのも(作り手により)とても考えられていると思った。
 
 

by jd69sparrow | 2007-03-30 02:16 | 映画タイトル た行