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ハイジ

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 アルプスの山は大自然が広がり、映像を通して見ても清々しい空気を味わえそうとさえ思う。山にも危険はある。 けれど自由と呼べる場所である、そう思えた。 地は野の色彩が広がり、そこにはヤギと人間とが暮らし 実にのどかな世界。 山の麓には栄えた村がある。 静かな場所と賑やかな場所、この二つが対比して描かれている。 主人公・ハイジとおじいさん、ハイジの出会いの物語。
 自分を愛してける父親も母親も失った少女ハイジは彼女のおばさんに連れられておじいさんの暮らすアルプスの山へとやって来た。 孤児としての生活から脱し、「家」で新しい生活と人生を送るためである。 はじめはハイジと共に暮らしていくことをこばんだおじいさんだったが純粋でわがままを言わず,ただただおじいさんとの生活を楽しもうとしているハイジの不思議な魅力に目をそらすことはできなかった。 気が付くと とっくの昔にあきらめたはずの人と交わることの楽しさとそこから得られる温かさがおじいさんの中に蘇ってきた。 
 ハイジはおじいさんと出会い、同じアルプスの山に暮らす少年ピーター、そして山の麓の村に暮らす富豪の娘クララなど多くの人々に出会う。 ハイジにめぐり合う者はみな、“力(パワー)”をもらう。 人々はみな、そんな力を持つハイジの中にそれを見出すのだった。 
 山でののどかな生活、クララの家でクララとの楽しい時間をすごしつつもロッテンマイヤー(家政婦)の厳しい訓練を強いられる毎日を過ごしたハイジ。 クララとどんなに楽しい時間を過ごしてもひと時もおじいさんや山に暮らすピーターやその家族のことが頭から離れることはなく、とりわけおじいさんとの楽しい生活に幸せを感じていたハイジ。 クララは大切な友達。アルプスの山で暮らす人々はハイジにとっては唯一の家族どうぜん、おじいさんは父親的な存在(家族の温かみを知らずに今まできたハイジにとってきっとそこがその温かさを初めて知った場所)なのである。
 おじいさんは人里離れて暮らしている。 そして山の麓で暮らす人々に恐れられているよう。 しかしそこには人との関係を築き上げていくことの苦手なおじいさんの姿があると思えた。 人と付き合うこと、人のために何かをし,愛情を注ぐことに不器用なおじいさんだけれど不器用ながらもハイジを思い、ハイジのために何かをしようという姿がすごく愛情にみち温かである。
 穏やかな自然、一人の少女、そしてその少女によって人が変わっていく様子が見受けられ、それが見所な映画だと私は思う。

by jd69sparrow | 2007-05-03 23:55 | 映画タイトル は行