スパイダーマン3

d0058606_0202839.jpg
 アメリカン・コミック,マーベルのヒーローたちには様々な能力を持ったヒーローがいる。 「スーパーマン」や「超人ハルク」、「X-MEN」,そして「ブレイド」など多くのマーベルキャラクターが映像化されている。 その中でも「スパイダーマン」はシンプルなデザインで印象に残るヒーローだろう。 「スパイダーマン」が登場したのは40年も前のことであり,原作のイメージから変わることなくイラストから飛び出したかのようである。 そして他のヒーローたちと違うのが正体を隠すヒーローであること(パンフレット参照)である。 ヒーロー全体として見ると、素顔をそのまま出すというものが多く,素顔とヒーローとしての顔,精神面でそのオンとオフとが切り替えられているのかもしれないけれど,やはり外面的に分けられているのがスパイダーマン(以下、スパイディ)なのだ。 日本にもヒーローは数多くいて,その中であげるとするならば漫画ではないけれど今もなお続く戦隊ものであったり,仮面ライダーなどなど。 オンとオフのカタチは違うけれど素顔を隠すという点からすれば共通するヒーロー像である。
 最近では素顔の一部分を仮面などで覆うなど素顔を見えないようにするものであっても素顔がわかるかわからないかくらいにするものであったり、コスチュームで身を包む以外はほとんど変わらないヒーローは日米の両方に見られるヒーローの姿の傾向だ。 
 そしてもう一つ、スパイダーマンの物語の特徴なのが未完成であってヒーローとしての確立や成長の課程を描いていくところ、そして原作で言うでなればスパイダーマンの糸は手作りだということでアクションである以前に主人公たちの青春を描く物語であり,身近なヒーローだということである。 最初から特別な力を持っていたのではない、今が特別であるわけでもない。 それが“スパイディ”,つまりピーター・パーカー。 映画でも漫画でも言えることだ。 映画で言うならば、ごく普通の青年がある日偶然な出来事が身にふりそそいだことで突然力を手に入れ,その力と力を手にすることで自らにに課せられる運命に悩む,ごく普通の青年というわけなのだ。 主人公は“力をなんのために使うのか”や“どう自らの目の前に立ちはだかった運命を受け入れるのか”など突然力を手にしたものがぶつかる壁に向き合うのだ。 そんなピーター・パーカーの人として、ヒーローとしての成長をシリーズを通し,描かれる。

(▼!ネタバレ注意!▼)

 「1」を振り返ってみる。 高校生のピーター・パーカーは大学の研究室に見学に来る。 そこには親友のハリー、幼い頃から憧れていた女性メリー・ジェーン(以下、MJ)がいた。 研究室には様々な蜘蛛がいる。 見学をする一行、ピーターは蜘蛛用ケースの外にいた遺伝子が組み替えられた特殊の蜘蛛に手をかまれてしまう。 するとピーターに蜘蛛の持つ力が備わり,壁をつたい、さらには糸を出して自由自在に飛びまわれる力を手にしたのだ。 彼は“スパイダーマン”と名乗り、人々を救うために自分の力を使う道を選ぶ。 敵はグリーンゴブリン、その正体は親友ハリーの父ノーマンだった。
 「2」を振り返ってみる。 大学生になったピーター、MJとの恋が動き始めようとしていた。 しかしヒーローとしてこれからを生きる運命を背負ったピーターはMJを思う気持ちがあるものの彼女に思いをつげることもできず、MJの気持ちに応えることもできずにいた。 ピーターが尊敬する科学者オクタヴィアスが彼の発明した人口アームに取りつかれ、ドクター・オクトパスとしてスパイディの前に立ちはだかる。 さらに、グリーンゴブリンこと父・ノーマンに死をもたらしたのがスパイダーマンであると思い込んでいるハリーとの仲に亀裂ができはじめていた。
 そして迎えたシリーズ第三作目。 スパイディの力は人々に認められ、“親愛なる隣人、スパイダーマン”はすっかり町の人気者となっていた。 ピーターはそれにちょっぴり有頂天になっていた。 自分の運命を明かし,MJとの恋も順調だったピーターは幸せそのもの。 彼女とのことに決心もつきかけていた。 スパイディ=ピーターはますますと成功をおさめる、けれどMJはそれとは逆であった。 MJを思いながらも自分のことで前が見えないピーター、やがて二人の関係はぎくしゃくし始めた。 ある日、ピーターの叔父,ベン・パーカーの命を奪った犯人の脱獄の知らせがピーターの元に届く。 ピーターは復讐心に取りつかれてしまう。 それでもピーターは自分と戦う。 そして彼の目の前には三人の敵,父親の復讐を誓いニューゴブリンになったハリー、サンドマンこと脱獄囚のフリント・マルコ、そしてスパイディにひけをとらない強さを持つヴェノムと化したピーターの仕事のライバル・エディ。 これまでにない数の敵である。 ピーターは正義の名のもとに戦うことをあきらめず前に進む。
 それぞれ違う力を持った敵、自分さえも敵となる。 親友とも戦わなければならない、かつてない厄介な敵、最強の敵もがスパイディに襲い掛かり 戦いに次ぐ戦いが繰り広げられる。 敵たちはタイプも違ければ出方も違う。 その中でももっとも最強最悪な敵が他でもない復讐で悪にそまったもう一人の自分、ヴェノムはスパイディの能力を吸収し,他人に取りつくことで完成したもう一人の暗黒にそまったスパイダーマンと言っても過言ではない。
 迫力あふれるアクションシーンの数々の中でもスパイディ=ピーターの自分と戦う姿は力強さがあり、さらに親友同士の戦いは印象に残る場面である。 スピード感にあふれ,どちらもほぼ互角な戦いを互いに挑み、二人ともが追い詰められては立ち上がるという感じ。 さらにピーターの復讐心から生まれた(今までのスパイディからさらにパワーアップした,)ブラック・スパイダーマンの動きやパワーのどれもが柔軟性にとんでいる。
 シリーズ通しての敵たちはピーターの知り合いで追い詰められ,心の隙間に悪に取りつかれてしまった復讐や欲望に見も心も蝕まれてしまった者ばかり。それだけにピーターは辛い戦いを強いられるのだ。 なんとも皮肉な運命だろうか。
 大いなる力をえること、それにより伴う犠牲。 ヒーローは屈することなく歩んできた道を受け止めることが必要だ。 それを一つ一つ受け止めなくてはならない。 友の存在、親友ハリーはピーターの何よりもの力。 その優しさがまぶしかった。 真相にせまる一作、感動の一作品である。
[PR]

by jd69sparrow | 2007-05-19 01:20 | 映画タイトル さ行