シュレック3

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 シュレックは心優しき怪物。 シリーズ三作目となる今回の話は「遠い遠い国」の世継ぎをめぐる騒動とシュレックが父親になることの責任と向き合うのだ。 フィオナ姫と出会い恋に落ち,さらにフィオナ姫の家族と会い,家族を知る、そして国王と父親になることを目の前にする。 自分が人から恐れられる存在であり怪物であることにコンプレックスを感じ,人との関係を絶ち,自ら殻にこもった生活を送っていたシュレックは愛する者やその家族、そして国と自分の家族によって着実にシリーズを追うごとにステップアップしている。 シュレックの成長を描くドラマ的な要素とユーモア満載のコメディとがあわさっており最高なエンタテインメントである。
 フィオナ姫と結ばれ、ドンキーや長靴をはいた猫という仲間もできた。 かつては結婚を強く反対し敵対視していたハロルド国王もシュレックを認めてくれた。 しかし シュレックと国王との仲が深まってきた矢先、ハロルド国王は病に倒れてしまい,国王の座も後継ぎに残し,任さなければならなくなった。 その後継ぎにシュレックが任命されるが,当のシュレックは自分のような怪物が王になるのはよくないとし、王に即位することを拒絶した。それに王という責務はシュレックには窮屈だったのだ。 唯一の正統な後継ぎを王から聞き出したシュレックは相棒のドンキーと長靴をはいた猫をお供に後継ぎとなるアーサーのいる魔法学校へと旅立つことに。 シュレックに課せられたことは一つではなかった。 それは旅立ちの時、フィオナから告げられた一言にある。 それはシュレックとフィオナとの間の子供ができたこと。 旅に出かけると同時に二つの責任を知ったシュレック。 一方、すっかり落ちぶれたチャーミング王子はまだ王位に就くことをあきらめられずにいた。そこでおとぎ話の悪役たちを仲間にし,ハッピーエンドを手にするべく,遠い遠い国の王座を狙う。
 季節でいうと“秋”とのこと。 シュレックたちは遠い遠い国を飛び出し,海を渡る。 遠い遠い国の中で繰り広げられた物語は一気に世界が広がる。 遠い遠い国は前回に引き続き登場するわけであるが作り手の声にもあるように、同じ場所であっても見せ方が違うと違った印象を受ける。 立体感が城を中心に今までより確実にスケールアップしている。
 おとぎの国の住人たちが集う場所,遠い遠い国。 おとぎの国の主人公たちが増えれば悪役たちも増える。 もちろん,シリーズにはおとぎ話の名作から数々のキャラクターたちが出ているのだが、「白雪姫」の鏡の魔女(かな?)や「ピノキオ」に登場したピノキオを商売道具にした大男などディズニー作品でも色濃い悪役たちも印象に強く残った。 さらに、シュレックたち,おとぎ話の主人公たち側にもご注目。 少年アーサーが王になると聞き,“アーサー王と円卓の騎士”を想像する。 記憶に正しければアーサー王の右腕的存在であり友情で結ばれた関係にもあったランスロットが短時間ではあるが登場している。
 シュレックの世界ではおとぎ話の登場人物たちはそれぞれの物語でのキャラクターの型にははまらず,シュレックの世界におけるオリジナリティを持っている。 だからおしとやかな人物がこの世界の色に染まるとパワフルなキャラクターになっていたり、本来悪役なはずのキャラクターが思いっきりお茶目な性格に変わっていたりというのもある。 アーサー王とランスロットの関係も“キング・アーサー”の物語と比較してみるとだいぶ違う。 こうして見てみるとおとぎ話の主人公や悪役たちがそのままの性格で来るのではおもしろくない、それぞれに生まれ変わらせ,オリジナリティを持たせるというのがいかにおもしろく,それぞれのキャラクターたちに新たな魅力が生まれるのがよくわかる。
 作り手たちのユーモアが多く含まれる「シュレック」。 シュレックやドンキー、長靴をはいた猫、フィオナ姫というおなじみのキャラクーたちの魅力も今回増している。 シュレックは優しさが増し,王になることを拒んでいるけれど実際は王に等しい器をかねそなえていて、ドンキーはドラゴンと間に子供,ドロンキーたちが生まれたことでさらにテンションがあがる。 長靴をはいた猫、名前が出てこない(あるいはない)のが気になる。 プレイボーイでクールな感じだけれど実はおもしろい一面も持っている。 怪傑ゾロ風味であり、ところどころで口にする“セニョール”言葉は吹替えをするアントニオ・バンデ5、要ちラスを意識してかしてないか,ラテンの国の紳士という情熱さをほんのり感じる。 フィオナ姫はパワフルな戦いぶりを披露している。 プリンセス
 時代は中世。 綺麗な建物やキャラクター達が着る衣装にはもちろんであるが時代を表すものでさりげなく取り上げられていたアーサーとランスロットの一場面。 「ロック・ユー」でも登場したジュースティング(馬上槍試合)にもうかがえる。 時代を忠実に再現・表現する一方で現代的なものを中世の時代のものにアレンジしたものの登場、字幕を見ても現代風なセリフに訳された翻訳もおもしろいところである。
 この今回の物語の見所はシュレックが自らに課せられた二つの責任に向き合うドラマ、オリジナリティーあふれるおとぎ話のキャラクターたち、おとぎ話の主人公たちと悪役たちのコメディに満ちた全面戦争,バトルロワイヤルであろう。

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by jd69sparrow | 2007-06-30 21:05 | 映画タイトル さ行