ブラック・ダリア

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 1947年にアメリカで起こった殺人事件。 それは実際に起こったあまりにも残酷で酷いものであった。「ブラック・ダリア事件」である。 被害者は女優志望の女性。 実際の事件ではこの真相はわからず迷宮入りしたそうだ。 犯人と名乗る者は出てくるが、それは結局偽の犯人であり真実にはつながらなかった。 映画に「自首マニア」という人々がいると出ているようにこの事件では偽の犯人が相次いだとか。 この作品はジェームズ・エルロイ原作の,ブラックダリア事件になぞられた物語。 
 主人公バッキーは元ボクサー選手の警察官。 こつこつと手柄を立てていた、ある日同僚リーと市警のもとでボクシングの試合をする。 そのことから彼ら二人は特捜課に昇進する。 しかしその喜びもつかの間,事件は起こった。 何物かに命を奪われ,変わり果てた姿の女性が発見されたのだ。 彼女の名はエリザベス・ショート,女優志望の女性である。 体が二つに切断され,口は耳まで引き裂かれていた。 バッキーとリーはその事件の担当に抜擢され,殺人課へ異動。 そしてその背後には銀行強盗で捕まったボビー・デイウィットの黒い影があった。 バッキーは相棒となったが共に暮らし,そのデイウィットの事件にも関わるケイに支えられながら二人は事件の真相を追うことに。 
 バッキーはエリザベス・ショート,ベティと関わる人間を調査をし、一人の女性にたどり着く。ベティと似ていると言われる父親が富を築き上げたマデリン・リンスコットである。 彼女もまたベティを知る人物。 リーの同棲相手のケイに思いをよせながらもリーに遠慮をするバッキーは気持ちはケイとマデリンの間で揺れ動く。 
 この映画は深い。 複雑にからむ人間関係、恐ろしい真実などなど。 事件となんらつながりを持たないであろう部分が実は何かの理由でつながっていてそれが事件を解く手がかりになっていたりと物語の細部まで見逃すことができない。 時として真実は恐ろしい。 それに人間というものも恐ろしい何かを持っている。 真実は知るべきなのだろうか。 バッキーは真実を一つ一つ自身の中で明らかにしていくがそのたびに死の危険と隣り合わせになる。 「謎のままにしておくのがよい」とも言う。 それでも知りたくなるのが人間の性である。 命がけの捜査だ。 主人公が真実に近づくと何か恐ろしいものがその後ろにあるというハラハラするようなサスペンスが印象に残る。 謎を一つ解き明かした時,あるいは全ての謎の答えが一つにつながった時,影が忍び寄るような気配が感じさせる。 そんなスリルも味わえる。 あるいは恐ろしい真実。
 人はこんなにも恐ろしいことができるものなのだろうと思った。 心の醜さがどこかから生まれ,人を変えていくのだろうか。 あることに何らかの形で関わっている以上(この場合は事件)、そのことに何かの影響をあたえ作用する。 物語はどう転ぶかわからない。 一人の人間の命が奪われ,その真実を探り,解決に導くところまでが事件であると私は思う。 そして事件であるからにはその先に続く道に何が待ち構え,何が隠され,潜んでいるかは一つ一つ解き明かさねばわからない。 そこで起こる,起こったことの裏には何かがあるのだ。 

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by jd69sparrow | 2007-08-10 03:07 | 映画タイトル は行