プラダを着た悪魔

d0058606_058438.jpg
 “ランウェイ”はファッション誌のトップクラス。 女性社員はみな,高級ブランドをを身にまとい,メイクもまたぬかりない。 悪い言い方だが言うなれば“働くブランド品”。 映画の中に次のような言葉がある、“内なる美”。 これは入社してまもない主人公が教えられた言葉であり,“欄ウェイ”を表す言葉。 これはブランドを知らない,ジャーナリスト希望の主人公が“ランウェイ”の鬼編集長のもとで働き,“内なる美”を手にするまでのサクセス・ストーリーである。
 主人公アンディは誰もが憧れる場所(仕事)へ面接を受けため,“ランウェイ”を訪れた。 見渡す限り自分とはかけ離れた人ばかり。 場違いであるように思えた。 そこへ鬼編集長こと,ミランダが現れると一気に空気が変わる。 仕事がいきがいとするキャリアウーマン,人から恐れられるほどの威厳を持った人物である。 アンディも,“ランウェイ”にいるとファッションセンス・ゼロ、希望もはかなく消えたかに思えた。 しかし意外にもアンディは仕事を手にすることに。 ミランダの補佐というポジションにたったアンディ、もう一人の補佐役,ナイジェルに絞られ,さらにミランダから息をつく暇なく無理難題な仕事を課せられる。 しかしミランダのもとで働くことこそが未来を切り開く手段だったのだ。 悪魔のようなミランダ、彼女は決して容赦はしないし妥協もしない。 アンディとミランダのバトルだ。 
 ミランダのもとで働くということは茨の道を歩むようなものであり、試練である。 ミランダは自分を,自分の持つ物やプライベートを大切に思い,また犠牲にしている。 また、アンディも仕事の力をつけるたびに恋人や友達との間に亀裂が入るという逃れようのない現実にぶつかる。 全ての働く女性に言えることかもしれないが、アンディは仕事と私生活のどちらをとるかという問題につきあたる。 仕事にオンとオフがつきにくく、プライベートな時間でさえミランダからの声がかかり仕事が入る、ミランダたちにしぼられ,たくましく成長する一方で恋人との関係も危うくなり,知らず知らずに二人の間に違いが生じ、距離ができる。 全く同じだった価値観も次第に変わり、共通点も失われてゆき,アンディは呪文のように“仕方なかった”という言葉を並べ,相手にも自分にも言い聞かせる。 仕事で成功をおさめること、何か物事には必ず犠牲を払わなければならないのか。 アンディは自分に一番必要なもの、大事なことを見失いかける、人は自分の知らないうちに良い方にも悪い方にも変わってゆく。
 仕事をとるか恋人や友人たちをとるか。 言いわけばかり考えてきた、アンディ。 ミランダと向き合うことで自分自身とも向き合う。 その時、アンディは大切にすべきものに初めて気付く。 自分が何を選び,何を望むか。 その瞬間が見所であり、“内なる美”にもつながる。 それを手にしたアンディは,たとえブランドを身につけていなくても ,ミランダの目にさえ美しく映った。 ブランドを身につけ,メイクを施すことだけが人を美しく見せるのではなく内からくる美こそが人をよりいっそう美しくさせるのである。 次々と登場するブランドの服よりもそこが一番の魅力だと思う。 仕事をするうえでは中々打ち解けられる人がいなかったアンディが自分に厳しかった人とさえ絆のようなものができ,自ら自分の道を切り開いていくのがおもしろい。

d0058606_3133648.gif
←あなたのクリックに感謝します。
[PR]

by jd69sparrow | 2007-08-18 01:37 | 映画タイトル は行