ゴスペル

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  映画の出演者の言葉にもあるけれど、“ゴスペル”とはもともと“伝達手段”だったそうだ。 アフリカ系アメリカ人の最初と言われる人々,つまり彼らがアフリカからアメリカへと奴隷として連れてこられた頃、ゴスペルは生まれたということになるだろう。 教会で歌われる音楽だとは言え,とてもパワフルでソウルフルであるのは冒頭にもあげた彼らの伝達手段だったからだと思う。 彼らの思いがつまっているもの、神への信仰が熱くそこで語られている,だからこそである。 “時代に適した音楽”であることにも頷けるはずだ。 
 音楽にも歴史がある。 ベートーベンやモーツァルトといった偉大な音楽たちが作ったクラシック音楽,歌詞のあるもの、メロディのみのものなど様々だ。 ロックンロールが生まれ、ポップス、R&Bなど時代を追うにつれ音楽は進化を続けるけれどそんな時代の流れの中でもずっと親しまれ,愛され続けている音楽の一つがゴスペル。 主として教会で歌われるこの音楽は人々が神への信仰を忘れない限り、永遠にいき続けるのだと思う。 
 この物語は歩むべき道から踏み外し、道を誤った主人公の青年が心のよりどころを求め、彼の帰るべき場所,“家”へと帰る物語である。 人々の人生には選択肢があり、“選択”によって人生を歩んでいくものであると私は思う。 人生の分かれ道、二つに分かれた道のうちどちらを選ぶか、それはそこに立った者が決めるもの。 けれど、その選択しだいでその人の人生は良き方にも悪い方にも傾くわけで人生における最も難題な選択なのである。 それは子供から大人になるとき、そして大人として社会に出るときである。 まさに物語は主人公ディヴィットが、人として第二の出発地点に立ったところから始まるのだ。
  聖職者になるための課程を終えた二人の若者がいた。 人々は皆,彼らの先にある有望な未来に絶大な期待を寄せていた。 彼らのうちの一人,ディヴィットの父親は教会の主任、多くの信仰者から大きな信頼を受けていた人物だ。 二人の若者,ディヴィットとフランクは幼き頃からの友、誰もが彼ら二人ともが聖職者として立派な人生を始めると信じていたことだろう。
 しかし、ディヴィットの母親の死により事態は一変した。 母親の死の間際に居合わせなかった父親に怒りを覚えたディヴィットは道を誤ってしまうのだった。 彼は教会を離れ、歌手としての栄光をつかむために毎日を過ごしていたのだ。 ディヴィットは今よりビッグになることしか頭になかった。
そんなあるとき、父親が倒れたという知らせを聞き、彼は気付かされるのだ。 彼のいるべき場所、やるべきことを。 ディヴィットは父親と向き合うことで少しずつ人生をやり直すことを決意し、自らのあるべき姿について考え始めるのだった。
 人々の信仰に応えるために説教をし、人々に,また神につくす父親を理解できなかった少年時代、それから15年という月日を経て,自分の過ちに気付き父親の姿を見、聖職者としての人生を選び,日々 人々からの信頼を集めるフランクを見て聖職者として生きた父親への理解がようやく生まれ、深まっていく。 “信仰”、それがキーワード。 信じ続ければ願いは届く、そして人生だって良き方向へと変わるし,いくらでもやり直せることができるのだとここでは語っているような気がする。
 (主人公の)築き上げた教会は道に迷った者を温かく迎え入れ,誰もに“おかえり”や“ようこそ”を言って受け入れてくれる。 人を区別したり、差別することに受け入れてくれる場所、それが教会であり、神に仕える者のつとめ。

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by jd69sparrow | 2007-09-15 00:00 | 映画タイトル か行