ファンタスティック4 銀河の危機

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 「スパイダーマン」を世に送り出したスタン・リー原作のアメリカンコミック,彼の生み出したスーパーヒーローたちのホーム,マーベルコミックのキャラクターたち。 彼らを支えていた,いわばマーベルコミックの“縁の下の力持ち”と言えるのが「ファンタスティック4」(以下、「f4」)である。 「スパイダーマン」や「X-MEN」と次々とヒット作が続き,マーベルコミックのヒーローたちも様々な分野の役者たちにより命が吹き込まれ,スクリーンに続々と登場している。 アメコミ・ラッシュが続く近年ではそれぞれが一つのレースの中にいるかのように競っているようにも見える。 しかし、スパイディをはじめとするヒーローたちをバックアップし,自身もまた大きな旋風を巻き起こしたのが「f4」である。 マーベルコミックでは珍しくないであろう話題であるが「f4」の原作者スタン・リーが今,世に出ている映画化にもなったアメコミ・ヒーローたちは原作の中で何度も共演を果たしている。 そういう環境化だからこそ成しえたものだろう、しかもマーベルファミリーとは別の世界のヒーローとの共演,そしてマーベルコミックで数多くあるヒーローたちの物語がリンクされているいたりとか日本では中々見ることのできない光景がそこにある(※プログラム参照)。 一人の作家による物語が次々と映像化され,しかも実写映画になるということや、火一つのジャンルにあらゆる角度から切り込むという漫画雑誌じたい非常に珍しいだろう。 テレビアニメや漫画を見ては「もしこの話のこの登場人物とあの話の登場人物とがもし手を組んだらどうなるのか、この人物があの話の主人公で戦うとしたらどんな戦いが繰り広げられ,どう手ごわい敵に立ち向かっていくかと昔、よく想像したものである(マーベル・ファミリーを知れば知るほど本場アメリカの原作への興味もつきることはない)。
 日本でも出版社を超えた共演が実現ができるのであれば人は何を望むのか。 日本という国にももちろんヒーローたちもいるし、観る者を虜にするキャラクターたちはあふれんばかりいるはずで、アニメや原作、あわよくば共演し和を広げつながっていけばいいのにっと思う。残念ながら,ヒーローたちの共演は原作で留まっている。 作者は違えど,「リーグ・オブ・レジェンド」では様々な作家たちによる小説の主人公たちとは言え、一つの物語でそれぞれの個性を発揮し,同じ一つの目標にむけて動き出すチームを組むというものがあるが既に実写として登場し、人気を集めるキャラクターたちの共演というのは見受けられない。日本ではここ数年で漫画の実写化というのは年々増え,映画化されたものだって少なくない。 これからもっと上昇していくことだろう。
 さて、ただ見せることにこだわり中身がスカスカになってしまうケースもあるが主人公たちが持つ個性の他に、彼らが自分たちが特別な能力を持つ自らの運命と向き合うという人間ドラマがあるのがマーベル・ヒーローの特徴だと思われる。 チームの絆という力でもって戦うといえば、「X-MEN」であるが、しかしそれ以前に「f4」がそのジャンルの先駆けであったことを忘れてはならない。 数多く映画化される中で,抜きん出るのは中々難しいかもわからない。 だが、f4という固く家族のような絆で結ばれたチームにとても魅力を感じるのだ。
 宇宙放射線を全身にあび,特別な能力を手にしたf4たちはDr.ドームとの戦いに勝利し、彼の陰謀を打ち砕いた。 それから彼らは時の人となり,人々に顔が知られるようになった。 アメリカでは“Mr.ファンタスティック”こと,リード・リチャーズと“インビジブル・ウーマン”ことスー・ストームの結婚の話題で持ちきりだった。 すっかり平和ボケと化していた。 そんな中,普通の生活を望むスーはヒーローの宿命,人の目がすぐ側にあるということに悩んでいた。
 すっかりセレブな生活を送っていたf4。 しかし、新たな脅威が地球に近づいていた。 それは世界中にじわじわと広がり始めていた、宇宙からの宣告。そしてそれは形となって表れた。 地球一つをいとも簡単に破壊してしまう力を持つ,宇宙から使者がやってきたのだ。サーフボードに乗った銀色の謎の生命体、その姿から“シルバー・サーファー”。f4ですら中々歯が立たない未知の力を持っていた。 一方,人知れず悪の息が吹き返した。Dr.ドーム。 彼は宇宙からの脅威を防ぐ味方としてf4の目の前に現れるが,何か狙いがあるのは明らかだった。
 かつてもそれぞれの力を活かし,脅威と戦ってきたf4だが,アメリカという国一つではなく,世界を守るべく,戦わなければならなくなったとき チームが一つとなって初めて守るべきものを守れるということを学び,f4の絆を深め,さらに彼らに課せられた運命を受け入れる。その過程を描いたのが「銀河の危機」である。
 今回の見所は“シルバーサーファー”とそのシルバーサーファーによりスーの弟,ジョニーに備わった能力である。 その能力こそが脅威に立ち向かう最強の武器となる。 “シルバーサーファー”は原作でも多く登場するキャラクター。 その秘密はシルバー・サーファーが“宇宙の脅威”の僕である以前に彼の本心にある。 言うなれば守りたい者を守るために彼には選択の余地はなく,その過酷な現実を受け入れざるをえないと自らに責任をあたえたという,悲しき運命を背負った孤独の中で生きる善といったところだろう。 ある意味で「SW」のアナキン・スカイウォーカーの辿る道に通じるものがある。 違う惑星の住人ではあるものの,そこに人間味・感情があり、そこが“シルバー・サーファー”の魅力と言えよう。
 個人的にはf4での今回の主役はジョニー(ちなみにその能力は全身を炎で包み,空を猛スピードで駆け巡ることのできるというもの)。 リード、スー、ベン(“ザ・シング”と呼ばれ,岩のような体を持ち,強力なパワーを持つ)と仲間意識の高いf4メンバーの中で一匹狼的な存在である,ジョニーは“力を合わせて一つを成し遂げる”という意識はなく自由気ままに人々から期待されていることにただ至福を感じている。 しかし、世界中にさらされた脅威という現実を目の前に,その大きな困難を乗り越え,自分が何をすべきかを学んでいくという物語であると思うからである。 しかも、そうした結果が大きな成功へと導き,チームの一員としての力を大いに発揮するという結果へつながるのだ。 
 そうしてリードを含め,“f4”は真実なる“チーム”として結ばれ,改めてf4がここに結成された。

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by jd69sparrow | 2007-09-23 01:35 | 映画タイトル は行