ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌

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<イントロダクション>
 前作では、悪を退治するという,軸のもと鬼太郎のヒーロー像や“ゲゲゲの鬼太郎”の世界観が描かれた。 邪悪な敵もいた。 しかし、主として自由気ままに日々を送る陽気な妖怪たちの姿が印象的だったと思う。 “締め”を見てわかるとおり。 二作目となる本作は多種多様な妖怪たちが登場することに変わりはないが、色やテイストが違う。 影で覆われているのだ。 キャラクターじたいも少しずつ変化している者もいる。 鬼太郎、猫娘…それとネズミ男といったところだろうか。 前回とは一味違う,また,今まで見れなかった『鬼太郎』がある。 そこではある真実が語られる。 ただ、人間のために戦うのではない。 人間らしさもうかがえる,エモーショナルな鬼太郎に注目だ。

<あらすじ>
 “かごめ女の歌を聞いた者は、魂を奪われる”という都市伝説がある。 それを知った楓は半信半疑。 しかし、学校から帰る楓の背後から“あの歌”が聞こえてくる…命を奪われた時、ネズミ男と鬼太郎に遭遇した楓は一命を取り留めるが、手の甲には鱗が生えていた。 それは濡れ女の呪いの証だった。そしてその印は楓の死が近づいていることを示していた。
 人を助けても感謝されるわけでもなく,報われることもない現実に迷いと疑問を鬼太郎だったが、楓の言葉でそんな深刻な思いを断ち切った鬼太郎は自然と体が動き,気付くと楓に手をさしのべている。 
 ダークさは物語全体にもある。 ある一つの悲劇が背景となり、物語は進む。 それは古来より続く,人と妖怪との諍いに始まる。 諍いにそれとは無関係なものたち,つまり濡れ女たちが巻き込まれ,諍いや悪とは無縁だった濡れ女には無念がつのり,やがて恨みとなる。 恨みは千年もの間消えることなく生き続け,それを利用することを考えたのがぬらりひょんである。

<感想>
 ぬらりひょんと言えば、腹黒いイメージがあり、邪悪さそのものと思っていた。 しかし,それここで描かれるぬらりひょんは違う。 それはキャラクターから、また,ぬらりひょんに命をふきこんだ役者の二つにある。 ぬらりひょんの語る人間像には偽りがない。 人を良しと思わないゆえの思いもその中にはあり、多少の偏見はあるかもしれないが。 彼の語ることからは彼が妖怪であることに誇りを持っていること、妖怪の世界を守りたいと思う心があるように思う。ただ、ぬらりひょんは人の愚かな部分しか見えないために人を恨む。 逆にそれは一部の人々にも言えることで、人々が妖怪と人の恋を見て,自分たちにに災いをもたらすと思い込み,自分たちとは違う存在(妖怪)を悪としか見ていないということからの行動に出る。
 中々、分かち合うことの出来ない人と妖怪。無論、全ての人や妖怪たちに当てはまるわけではない。 “両者が互いへの恨みや偏見を捨て,理解しあえば変わる”、それが今回の話での大きなテーマ。 だからぬらりひょんも人を理解しさえすれば、悪から離れるように思われる。 おすでなくても善であり、悪であるように見える。
 大河ドラマ『風林火山』で上杉謙信の家臣にして右腕的存在、また良き理解者・宇佐美に扮した俳優・緒方拳。 ここでも主人公の敵だが悪というわけではなく,戦乱の世を見据え,また主人公(敵)と主君の両者を理解しているという感じの良き宇佐美像を体現していて、そこでも見られるように,ぬらりひょんもの言葉もより説得力を出し,完全なる悪ではないこと体現しているようである。
 『鬼太郎』はこれまで何度もアニメ化され、そのうちの一つのを見た。 そこで『鬼太郎』を知っているつもりだったけれど,実写化され、第一作,二作と見るたびにいろいろな,知らなかった部分が次々と見えてくる。 その一つと言えるのが鬼太郎である。 鬼太郎の出生から彼の戦法・パワーや鬼太郎を取り巻くものなど。 鬼太郎が今,存在する その背景には何があるのかが語られ、そして 前回では見れなかった,戦闘能力である。 かっこよさが増している。  最大の敵が戦う先にいるdかえに壮絶な闘いがあって、鬼太郎一行はこれまでになく,ハードな命がけの戦いが強いられる。
 シリアスな物語だけど、コメディがないわけではなく、ところどころに笑いが盛り込まれている。
鬼太郎一行,それぞえに見所があって、バラエティに富んだ妖怪たちが登場。 ダークな雰囲気で悲劇も描かれる…だけど、斬新で綺麗な締めくくり。 だから,今回は“美しい”という印象が残るだと思う。 
 ドラマティックな部分、パワーアップした鬼太郎のアクション、手ごわい敵の登場が内容を充実させ、見事に妖怪になりきっているためにエンディングでようやくそれが誰であるかに気付くこともあった。 また、パンフレットの解説などを読み,改めて物語を振り返り,気付くこともあった。 そういった意味でも,また作品の完成度からしても,もう一度見たくなる『鬼太郎』の実写映画 第二弾『千年呪い歌』である。

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by jd69sparrow | 2008-07-21 00:00 | 映画タイトル か行