崖の上のポニョ

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<イントロダクション>
 明るくゆったりした世界は、私たちに元気を与えてくれる。 作り手たちの温かなメッセージがこの素敵な世界観を作り,優しく,やんわりと伝えるから心にしみる。 『となりのトトロ』のような穏やかさである。 また、主人公の歩ニョはメイを連想させた。 海にはない(陸の)モノに触れたときの目の輝き・楽しいことへの喜び、そして感情表現…。 純粋で明るい女の子(ポニョ)は、物語に活力を与えている。
 画面の隅々まで、CGに頼らず手書きという手作り感のこだわりは、すごい。 アニメーション(映画)はじっくり人の手で作るものなのだと思う。

<あらすじ>
 深い海で、妹たちや父・フジモトと暮らすポニョ。 父親により縛られた狭い空間…ポニョは家出を決意する。 クラゲに乗ってポニョが向かったのは、人間の住む陸の世界だった。 陸の見える場所にたどり着く頃,海中にあったビンにはまり,自力では抜け出せずにいるところをソウスケに助けられた。 “ポニョ”という名前はソウスケに名づけられる。 一人と一匹はすぐに互いを好きになる。 まもなくして、フジモトにポニョを連れ戻されるが、ソウスケが大好きなポニョは人間になりたいと願い,人の姿となり,陸の世界へと向かう。 その後に待ち受けているものも知らずに…。

<感想>
 生物でないものをまるで生きているように描く宮崎はやお監督作品では、過去の作品でも“それ”があるように思う。 色濃く,立体的に見える。 そして今回は海。 海は穏やかでもあるが恐ろしくもある。 その恐ろしさとは人をのみこむような荒々しさ。 そんな海がここではファンタスティックな要素が盛り込まれて描かれている。
 ソウスケは保育園に通う五歳。 思いやる心を持ち,しっかりした考えを持っていて,少し大人びている。 母親を思いやり、父親のこともちゃんと理解している…。 そしてポニョにした“(ポニョを)守ってあげる”という約束を忘れることなく,いつもそれが頭の中にある。さらに陸の世界を知らないポニョにいろいろな事を教えてあげたり,エスコートしたり…と,紳士的でもあり、お兄ちゃんのようでもあるからだ。
 海と言えば、ありとあらゆる海の生物がすむ,美しい世界。 冒頭にその様子が映し出されたとき,宮崎ワールドに訪れたのだという実感がわく。 一つ一つが丁寧に描かれていて、その綺麗さに圧倒され,物語への期待もふくらむ。 
 また、透明感ある海もリアルに描かれている。 水没した街。 現実に街が水没したら恐ろしいことだけれど、ここでの“それ”は海と同じように穏やかに見える。 それは色彩的にもいえるし、雰囲気的なものもあって、あと海の生物が自然と静かに,そこで暮らしているからだ。
 水没し、水かさの増した街は表面的にも綺麗だけど中から見ても美しい。 海をあらゆる角度から見ることができる。
 “母と子の物語”というテーマ。 ソウスケとリサ、ポニョとグランマンマーレという二組は生き物としては違うが、母と子が互いを大事に思っているという共通点があって温かい。
 ソウスケとポニョの恋の話だとも,どこかで触れられていたと思う。 幼い二人の恋はとても微笑ましく,ラストでそれを強く印象づけられた。 ちょっと大人っぽいソウスケと、そんなソウスケがただ純粋に大好きなポニョ…。 最後に一つのことを問われたときのソウスケの答えが,ソウスケの長所や大人っぽさなど人間としての魅力を決定付けていると思う。

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by jd69sparrow | 2008-08-05 23:15 | 映画タイトル か行