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ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝

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<イントロダクション>
 ミイラと言えば、全身に包帯を巻きつけているイメージを持っていたが,『ハムナプトラ』に出てくるのは違う。 生前のまま,何も施されることなく ミイラ化しており,復活したときは目だけが何千という年月変わらず,生き続けているという感じ。 前二作で登場したイムホテップも今回登場する皇帝も,悪行や野望を抱き、呪いをかけられ 怒りの中,封印される。 だから、復活したときの目も同じ。 
 実際の世の中にもミイラが存在し、古代エジプトの王族に関わる人々のミイラや,西洋の国でも生前の姿をほとんどそのまま状態で維持されているミイラが残されている。 ミイラ化された人が大切に残されているというのは、エジプトだけに限定されているわけではなく,世界各地にミイラ化される目的は違えど,存在するのかもしれない。

 舞台がエジプトから中国へと移り,前作から月日も流れている。 テイストの違う新しい『ハムナプトラ』が誕生。 冒険とスリルが根っから大好きなオコーネル一家の新たなるミイラとの戦いと冒険が今,戻ってくる!

<あらすじ>
 時は“万里の長城”が建てられた,数千年前に遡る。 野望に燃え,行く手を阻む者や自らの配下の力尽きた人々を容赦なく師へ追いやった皇帝がいた。 そして皇帝はさらなる野望を持った。 それは永遠の命,不老不死。 皇帝が望む道は,人の一生では,限界がある。 力を広め続けるためにそれが必要だったのだ。 そのために呼ばれたのが妖術師のツイ・ユアン。 不老不死の手がかりがある場所へと,彼女は皇帝の右腕ミン将軍を護衛に旅立つ。 その旅で二人は互いを思うようになり、それを知った皇帝は二人に残酷な仕打ちをする。 ツイ・ユアンの妖術で不老不死を手に入れたと満足げの皇帝だったが、自らに罰を下ったことを知らなかった。 ツイ・ユアンが皇帝に与えたのは不老不死ではなく“呪い”だった。 皇帝とその軍は陶器のミイラとなる…
 それから数千の時が過ぎ,リックとエヴリンのオコーネル夫妻は冒険のない日々に退屈していた。 一方、二人の息子で大人になったアレックスは大学を密かに辞め,中国で葉kkジュjつに燃えていた。 それを利用した者たちにより、ミイラと化し,長年の眠りについていた皇帝を目覚めさせてしまう。

<感想>  ※ネタバレ注意※
 リックとエヴリンは、ミイラをめぐる冒険から引退をする…。 リックは釣り,エヴリンは小説家という平穏な日々。 リックは引退をして銃だけは離せないし、少年のような精神がある。そんな光景を見ると,大人しくいるより、再び動き出したいとどこかで無意識に願望しているように思う。
 エヴリンは冒険から足を洗ったことを確認するところから、引退したと言うものの,本当は冒険したくてもたまらない夫に断固反対をしているように見える。 好奇心旺盛で、危険な目にあいかねない相手を心配し,彼女が必死で相手をとめようとするという構図はよく見るけどそうではない。 エヴリンはリックと同じくらい冒険が大好きで、彼らの旅が始まるというところで あっさりと
またもやミイラに関わる仕事の依頼にオーケーしてしまうところは、良い意味で裏切られたと同時におもしろい。
 そんな冒険好きの二人の子供であるアレックスは,もちろん二人の血をしっかりと受け継いでいる。 両親と同じように普通に毎日を過ごすのは退屈。 大学へ通い,マジメに学生生活を送るよりも、古代の遺跡や墓地から新しい発見する方が,自分の人生だと考えているのだろう。
 ミイラとの縁?が切れない,オコーネル一家(とエヴリンの兄ジョナサン)。今度は今までとは違う,ミイラに遭遇する。 動きも軽快で武術に長けている。そして、変身能力や自然を武器にし,自らも魔法を使える。 陶器に包まれた顔の下には,もう一つの顔がある。 それは前二作に出てきたイムホテップと同じで生身の体が長い年月を経て,朽ちたもの。 陶器の顔と入れ替えに出てくる。 攻撃を受けた時や怒りが頂点に達した時,“本当の顔”(朽ちた顔)があらわになるという感じである。 つまりは、陶器の顔がアーマー的役割を果たしているようである。 
 リック役のブレイダン・フレイザー、ジョナサン役のジョン・ハナを除く,登場人物たちを演じるのは新しい顔ぶれだ。 さらに舞台も大きく変わり、監督も変わったこともからだいぶテイストは変わったもの、前二作の特徴や良さは活かされている。
 オコーネル一家の誰かがミイラ復活のきっかけをつくってしまうところ、最強のミイラと彼らとの戦いを左右するアイテム(宝)、コメディセンスなどなど。 新しさの中に前作のよさがある。
 今回、ミイラ以下に出てくる強力な存在がある、イエティである。 頼もしい味方として。鋭く目を光らせ,敵を殴り飛ばすというパワーを持っているが,仲間に対しての情があって 可愛らしくもある。 イエティとジョナサンとの場面がちょっとおもしろい。 ジョナサンの行動から彼が(イエティから見て)敵の手下にも見えかねないという,どうなるかわからない絶妙な場面である。
 シリーズ第一作目だっただろうか。 イムホテップとその手下に対抗すべく,リックたちは彼らに立ち向かえる軍隊を復活させるというくだりがあった。 今度は。皇帝に無惨にも切り捨てられ,皇帝への恨みをもって無念の死をとげた,者たちの復讐というのが これまでと一味違うものを生み出した。 “復讐”と言うと、聞こえが悪いが彼らが皇帝から受けた仕打ちや、無念をはらすべく,戦うというのが良い。 だから、彼らが“今,立ち上がる”という始まりの場面は、これから始まる戦いに期待がわいてくる。
 ここで良い意味でお決まり?なのが、味方となる軍勢がまず,リックたちに刃を向けるというところ。 リックたちは英語だから彼らに対して言葉が通じないわけだが、“ツイ・ユアン”の一言で軍勢はまわれ右して、瞬時にリックたちの仲間となるのが不思議でおもしろい。 味方軍の中に今回は先頭に立つ者がいて、それがしかも,物語の鍵を握る人物であるというのがまたイイ。
 その一言ですぐ味方になるのかとか疑問に思わなくもないが、味方軍のリーダーとツイ・ユアンとの関係が“ツイ・ユアン”の一言(それとも気持ち・誠意も伝わったのか)で味方となることに対して観る側を納得させているのだろう。 
 でも、皇帝に立ち向かった反皇帝軍が歓喜の声をあげるというのは、爽快。 そして彼らの最期は美しい。 皇帝のように目だけが生きていて,それ以外の部分は朽ちているという見かけはグロテスクな彼ら(…と言うより,反皇帝軍の将軍)のその様は、不思議な感じもしたが,長い長い年月を経て、やっと(彼らが)報われ,見てるこちらも喜びの声をあげたくなる。 
 一番の見所は親子の絆を一つ,テーマとして描かれていているだけに,最後の戦いの場面、リックとアレックスが皇帝へ立ち向かうところこそ,そのテーマを決定付けているし、見ごたえあり、だ。
 『ハムナプトラ』第三作目である,『呪われた皇帝の秘宝』は、スリリングな冒険、迫力ある映像、そして敵のパワーもが魅力的である。

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by jd69sparrow | 2008-08-20 18:23 | 映画タイトル は行