幸せの1ページ

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<イントロダクション>
 自分を変えたい大人と自由にたくましく生きる少女との偶然の出会い。 そんな二人それぞれの冒険、いや,幸せに辿り着くための旅路がここにつづられている。 二人をつなぐのは、“アレックス・ローバー”。 冒険小説に登場する英雄(ヒーロー)だ。

<あらすじ>
 アレクサンドラ・ローバーは、“アレックス・ローバー”の活躍する冒険小説の生みの親で、ベストセラー作家だ。 そんなアレクサンドラには大きな欠点があった。 それは極度の対人恐怖症で、潔癖症の引きこもりであることだった。 家の前の郵便受けに行くのにもひと苦労。  一方、アレクサンドラのいる,サンフランシスコから遥か遠くの,地図にもない南の島に一組の親子が暮らしていた。 二ムという少女とその父親ジャック・ルソーだ。 ジャックは海洋生物学者。 彼は数日で戻ると二ムに言い残し、研究のため 海へ出た。
 しかし、約束の日を過ぎても、父親は戻らず 一人取り残された二ム。 自分たちや動物達意外誰もいなかった島に、危機が迫っている。 だけど、一人ではどうすることもできない。 そんな時、父親のパソコンに大好きな小説の主人公・アレックスが差出人のメールが届いていた!しかし,それはアレクサンドラがジャックへ、小説の協力を得るためのメールだった。 二ムはそれを“アレックス”だと信じた。 そのアレクサンドラと二ムの偶然の出会いが“幸せの1ページ”綴るきっかけだった。 アレクサンドラは自分を変えるための,二ムは島を守るための冒険と挑戦である。

<感想>
 二ムは11歳。 ものごころつく頃から既に彼女の冒険は始まっていて、南の島での父親と二人の生活も長い。 新しいことに積極的でたくましい。 父親が海から中々戻ってこないことへの孤独を感じ,ジャックと二人だけの島を観光地にされてしまいそうな危機に強く恐れたに違いない。 そんな追い詰められた状況を“アレックス”からのメールで励まされ、あんなにも二ムに、勇気と強さを与えられるのはすごい。 憧れの存在からの言葉jは大きい。
 ジャックと守り続けた美しい大自然を守るという責任感や使命感、父親との絆と信頼、そして,憧れの英雄が助けに来るという三つが二ムを支えた。 二ムは賢く、時におもしろいトラップを敵に仕掛けところ、自分の作ったキャラクターを愛してくれている少女からのSOS、自分が必要とされていることを実感した,アレクサンドラが必死に自分と戦っている姿がとてもコミカルで見所である。
 小説のキャラクターが本から飛び出すという物語の設定とアイデアがおもしろい。 それだけでなく,アレックスという小説のキャラクターがアレクサンドラをからかいながらも、励ますのだから!
 現実的に言えば、自分が作り出した幻想に励まされているということになるが、こうも言える。自分自身が自分を支えている。 無意識の中で自分の理想の人物像という形で、もう一人の自分を生み出し、自分を前に進ませるために後押しているわけである。 とは言え、アレックスは本当にそこに存在しているかのよう。
 アレクサンドラも、二ムも実は本人達の意識の外で互いを必要としている。 それは二人とも不自由なく生きているようで、そうではないからだと思う。
 二ムとアレクサンドラは偶然の出来事から磁石のように引き寄せられ、互いに必要な存在となり、何か足りないもの、つまり家族(二ムは母親、アレクサンドラは夫と子供)を得て、本当に幸せな人生の1ページを開いたのである。
 アレクサンドラは“アレックス”の後押しと二ムの力で変わる。 はじめは人なりしておらず、潔癖症の神経質…という欠点だらけ。 そして、初めての経験による刺激で彼女の本心が浮きでてくる。 また,引きこもりだったことなど考えられないほど本物の母親同然の顔になり、人となる。 そこに至るまでにはドラマティックな展開やユーモアがたくさんある。 動物達が自発的に自分を助けてくれたら、とても素敵なことだろう。 人が教え込むこと、言い換えれば人工的なものではなく,普段から築き上げてきた“信頼関係”からくるものだからなおさら。
 ジャックはそんな動物達のうちの一匹に救われるだ。 そして、何がなんでも二ムとの約束果たすべく、必死に帰還を試みる姿は父親の鏡であり、二ムとの絆の強さを感じる。
 二ムとアレクサンドラ、ジャックと二ム、ルソー親子と動物達という三つの絆でこの物語はできている。 とても素敵な作品である。

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by jd69sparrow | 2009-01-03 17:16 | 映画タイトル さ行