地球が静止する日

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<イントロダクション>
 絶望の予兆から始まり、希望への可能性で終わる、実に見ごたえのある,ドラマティックな物語である。 派手さがないのが逆にリアリティが増すひつの要因といえよう。 
 SF映画というのは“サイエンス・フィクション”とあるように現実的なものとしてはとらえがたいのだが、その中には必ずと言ってもいいほど、現実にとても近い何かが盛り込まれている。
 今は、宇宙へ行けるのはほんの一握りの人たちであり、多くの人間は宇宙を知らないし,その限られた人たちももまた、広い宇宙全てを知りつくしているわけではないと思う。 知らないからこそ、信じられないのだと思う。 それにこれまでに地球外生物からの攻撃により、人類が危機にさらされる話はいくつも作られている事を考えても,また、ここで語られていることを見ても いつかなんらかのカタチで世界が滅びてしまうという現実的に感じるのだ。
 いろいろな意味でリアリティが高く,また、考えさせられる。

<あらすじ>
 ある日、地球へ未知なる何かが迫っていた。 それはマンハッタンに進路を向けていた。 アメリカ国家はこの状況を世界を脅かす,緊急時代とし、その危険を防ぐべく あらゆる分野の専門家たちを招集した。 その一人がヘレン・ベンソンだった。 彼女は地球外生物の研究者(学者)なのだ。 
 そして、“何か”が地球に舞い降り その中から生命体が現れるが、“何か”を警戒すべく敷かれた軍の兵が誤って生命体に発砲してしまう。 すぐさま生命体は医療施設に運び込まれ、そこで驚くべきことが起きる。 宇宙から生命体の外皮が剥がれ、その下には人と変わらぬ姿があったのである。 彼の名はクラトゥ。 宇宙から(地球へ送り込まれた)の使者。 クラトゥの目的は“地球を救う”ことだ。

<感想>
 “人類が滅びれば、地球が生き残れる”というクラトゥの言葉はとても衝撃的だが、理屈は通っているしと考えられるため,とても印象に残っている。 恐ろしいし、それ,すなわち、人類全体に対する“死の宣告”と言える。
 クラトゥは地球の外の世界を代表して地球へ降り立つ。 “彼が地球を守るため”とやって来たのは 世界各国のトップたちが人々の平和を守るのと変わらないのかもしれない。
 クラトゥは“地球が死に掛けている”というふうなことを言う。 今、現実で抱えている環境問題などを考えると、予言めいた言葉に思えてならない。 実際、どこかの国の山々の間にあった湖の水は時が経つにつれ,干上がってきているという(それに私たちの祖先が残してきた財産でさえ、失われたり,危機にあっているという話も聞いたように思う)。
 しかし、この映画は人類の否を描いた作品ではない。 もちろん、“人類の否”が掲示されているところがあるが、それは今後の人々の課題とも言えるのではないだろうか。
 結論を先に考えると、人類の良い面を知ったクラトゥは人類滅亡とは別に、地球を生き残る(=守る)方法、つまり,“人は変われる可能性を持っている”ということを信じる。 と、いうことになるだろう。
 心に残った言葉がある。 それは“人類は危機に直面した時、変われる”という感じのもの。 本当に危機にあった時こそ,本気で問題解決に全力をかけなくてはと人を奮い立たせるのだ。 
 今はまだ先のことと言っても、いつかは何かしらの危機にみまわれると思う(私たちが)。 人がみな,危機感を持たなければ、環境問題が完全に解決されることはないだろう。
 だけど、一人一人気持ちの持ち方できっと危機を乗り越えられる、そう前向きな気持ちにさせる明るい,プラスなメッセージもここにはある。 これは、クラトゥとヘレンを始めとした,人々がよき方向へと変わっていく物語でもある。
 クラトゥがだんだんと人間味が増し、変わっていくところは物語としての魅力の一つだが,ヘレンの息子ジェイコブを巡るヒューマンドラマと、ジェイコブが最後に放った一言から伺える,彼の心の変化も然り(←それにぐっとくるものがある)。
 クラトゥの計画はあることに類似していて、そこが物語を深いものにしている。 それに加えて、あとで明らかにされるクラトゥのの真の目的とその意図も。
 キアヌが語るように、ヒューマンドラマ的な部分もあり、また,社会的な部分もあったりと、とても一つのジャンルの枠組みにははまらない。 考えさせられる映画だ。
 球体が初めてマンハッタンを降り立った時の緊迫感、地球が静止する瞬間、球体が光を放ち,(地球をバックに映して)地球から去っていく光景など色彩的に綺麗な場面がところどころにある。 また、目には見えない美しさもある作品だ。

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by jd69sparrow | 2009-01-16 13:36 | 映画タイトル た行